名水の郷に醸造所を訪ねる ブルワリー編

 東京の近くにこんな名水の郷が!善福寺ユウ子さんが日本酒蔵元探訪の次に向ったのは開成町に昨年できた、地ビール醸造所&レストラン「ガラパゴ レーシング」です。

小田急線沿線には、本厚木の「サンクトガーレン」、「厚木ビール」、伊勢原・黄金井酒造の「さがみビール」とすでに有名なブルワリーがいくつもありますが、ここにきてさらに新たな地ビール醸造所が出来てきて、ビール好きの注目を集めています。中でも丹波山の名水に恵まれた開成町の「ガラパゴ レーシング」さんは、大注目です。

 午前中には曇天だった天気も昼すぎから晴れわたり、もはや「暑い」レベルです。こうなると心も体も美味しい黄色い炭酸水(ビール)を求めてやみません。暑い中を歩きまわりあごが出てきた頃、やっとこさガラパゴ レーシングに到着。ビールを造るステンレスタンクが並んでいるのがガラス越しに見えて、また私の中ののんべえが騒ぎ出します。

 到着したのは16時頃でしたが、なんとほとんどの席が予約ずみ。大人気です。カウンターの席なら…ということで、早速ピットイン、IPA typeBとヴァイツェンをいただきました。

 IPA typeBは、IPAらしいホップの苦みのパンチが効いた、暑い日にぴったりの味です。ヴァイツェンは、ドイツタイプではなくアメリカ風の酸がたったフルーティータイプ。どちらも美味しくいただきました。

 さて、こちらはお食事もなかなかの充実ぶり。最初につきだしとして一口ピンチョスが供されます。(いくつかの中から選ぶことができます)私は季節のほたるいかと鶏皮とにんじんのエスカベッシェをオーダー。どちらもビールのすすむお味でした! そうそう、こちらは松田町で大人気のビッツェリア、「チェルト・ホノボーノ」の系列。食事が美味しいのもうなずけます。 

ガラパゴスレーシング  https://www.facebook.com/pages/Garapago-Racing-Kaisei-Handmade-Beer/1847934728832166

 さあ、もう1軒ブルワリーを訪問。足柄から離れて、小田急線に乗り新宿方面へ。目指すは海老名です。

海老名には、日本では珍しいチェコタイプのビールをつくっている、「EBINAビール」があるのです。チェコビールと聞けば、プラハ滞在時は毎日ほぼ4L(!!)のピルスナーを消費していた私にとっては興味津々のブルワリーです。

EBINAビールは、チェコ人のトマスさんがチェコでビールの醸造を学び、日本人の奥様と始められたブルワリーです。トマスさんは、実はチェコではプラハ国立歌劇場のチューバ奏者として活躍していた音楽家。日本では歌手・一青窈さんのツアーにオーケストラの一員として同行したこともあるそうです。が、大きく重いチューバは身体への負担も大きく、演奏旅行に行ってばかりだと家族と過ごす時間がとれない……など考えさせられることが多かったそう。そんな時に日本の醸造所との出会いがあり日本へ移住、奥様、史香さんの地元である海老名にクラフトビール醸造所兼レストランを始めたそうです。

さてその醸造所兼レストランバーは、海老名駅から歩いて5分ほどのところにあります。エントランスから入ってすぐの左側に、ステンレスタンクが鎮座。期待に胸が高鳴ります。

この日のビールは全部で8種類。マジョラム・エール、グレープフルーツエールなどの変わり種もありましたが、まずは基本から。ラガー、ピルスナー、ヴァイツェン、ペールエール、そしてUPPUN IPAという名のアメリカンタイプのIPAをいただきました。個人的にはやはりチェコらしいすっきりとした雑味のないクリアーな口当たりのピルスナーと、ドイツタイプのヴァイツェンが気に入りました。お食事もビールに合うお料理が充実。特に「ブランボラーク」というじゃがいもで作る、素朴な味わいのチェコ風のお好み焼きがお勧めです。

チェコタイプのピルスナーは、すっきり切れ味がよく、でもホップはしっかりとしていて日本の暑くて湿気の多い夏にぴったり。日本のビールを飲み慣れている方にもお勧めです。この夏、ぜひお試しください!

EBINA ビール https://ebina-beer.owst.jp/

Text/善福寺ユウコ

出版社勤務。小学生の頃から筋金入りのロック好きで専門は英国インディーズ。資格をとらない単なるオタクと自分を称しながら、特に旅行、街歩き、ワイン&ビール、食関係、映画、英国ドラマ、ロンドンに愛を注ぐ毎日。

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