アンティーク時代も今も、人生は遊び心

「今までと違う生き方があるかも…」そんな思いが頭をよぎることがあるはず。人生は一度きり、いろんな生き方を試すなら、それは今!人生のガイドブックがピックUPした素敵な生き方をSTORYでお届けします。

第1回は、オリーブ(マガジンハウス)世代には伝説のアンティークショップ「オキドキ」をされていたKumiko & Katsuhiro Kido(木堂) 夫妻が歩む遊び心にあふれる生き方をご紹介します。

日本の家は、湖畔のサンタフェ?

私と木堂夫妻との出会いは5年前のこと。我が家のアンティークのダイニングテーブルを引越しで手放すことになり、Craigslist (クレイグズリスト:英語の情報交換サイト)に買い手募集の広告を写真入りで載せたところ、英語のウェブサイトなのにすぐ連絡をくれたのが、木堂夫妻だった。

サイズが大きなテーブルだったが「車で運べると思うよ」と速攻なのにも驚いたが、「今すぐ使うわけじゃないの。いいモノだからしばらく置いておくし、買い戻したかったら言ってね。」というKumikoさんに、これはタダ者ではないと「アンティークショップでもされてますか?」と伺うと「前は渋谷に“オキドキ”という店舗をやっていたけど…」という返事。かつて憧れた「オキドキ」のオーナーだったとは!タダ者ではないオーラは本物だった。

 

今は、渋谷から相模原市の津久井湖畔に場を移して、アンティーク・プリミティブ家具・サルベージマテリアルを取り入れ自由で快適なライフスタイルを提案する店・“RUSTIC GOLD”を運営しており、日本とアメリカでの活動拠点シアトルでのW LIFEを送る。街に住みながらエココンシャスな生活を支援する「Go Green Market」やガレージ・アウトドアメーカが集まる「Off the Grid」など様々なイベント企画の仕掛人でもある。

木堂夫妻の津久井湖畔の家は、床はテラコッタタイル、暖炉のあるリビングは、漆喰壁に高い天井を梁が飾るサンファフェ風だ。「犬と一緒にジーンズで過ごせる靴の暮らし」ができる家という希望を実現したもの。70年代をアメリカで過ごしたお二人のこだわりが建物にも家具にもあふれている。

 

アメリカの拠点はシアトルのマーケット真ん前

フリーマーケットやイベントの運営をしながら、自らも家具や雑貨はじめ、プリミティブやジャンクの中から宝を掘り出す目利きである二人のもう一つの活躍の舞台はアメリカ。 2017年には、現存で運営するマーケットではアメリカでいちばん古い「パイク・プレイス・マーケット」の真ん前のスタジオに住むことにした。

アーティスト用のLive & Work Spaceに一度住んでみたいと思っていたという木堂夫妻が見つけたアメリカでの拠点だ。家の一歩外に出れば、活気あふれるマーケット。そこにはいろんな素材やクラフトがあふれている。

さらに、パブリックスペースやミュージアムにも歩いて行けて、そこから新しいインスピレーションを得られるのは、街ならではの生活だ。

ボーダーを超えた暮らし方、生き方

木堂夫妻が運営にかかわるプロジェクト、「Go Green Market」は「地球環境にやさしく、資源を大切にシンプルな暮らしを送る」精神を、「Off the Grid」は「次世代を担うインディペンデントでライトウェイトなアウトドア」を掲げる。日本中どこでも、いや日本とアメリカ、そんなボーダーも軽く超えて広がっていきそう。

そして、自らのスタイルに合った場所に、暮らしのステージを持っていくのが木堂夫妻流。「大事にすることはぶれないけれど、心も場所も自由に!」そんなお二人の生き方は、遊び心にあふれていて魅力だ。

Go Green Market  http://go-greenmarket.blogspot.com

text/小野アムスデン道子、photo/MC Kido

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