ライターの倉松知さとさんが、今回は新潟県柏崎市の心温まる話題と情報をして届けてくれました。あなたの家で眠っているお米が役に立つかも?!
皆さんのお宅で眠っている古いお米はありませんか?
実は私、東日本大震災の後、備蓄米として何キロかお米を購入し、長期保存できるよう無酸素保存の状態でストックしていたのですが、いつの間にかすっかり忘れていたのです。
久しぶりに見てみると、やはりお米の色が若干変色していました。
「はて、この大量の古米をどうしたものか?」
人に食べてもらうにはちょっと古過ぎて…。でもお米を捨てるなんて罰当たりなことは出来ないわ…と困り果て、「古米 寄付」で検索して行き着いたのが、
新潟県柏崎市の「白鳥のエサを受け付けています」
というホームページだったのです!
柏崎市西山町にある永嶺大池には毎年白鳥が数百羽飛来しています。初めて飛来してきたのは昭和53(1978)年の晩秋だったそうです。
以来、池近くにお住まいの庭山進さんを中心に今では毎年4~500羽やって来る白鳥たちを温かく迎える活動を続けています。
この池には主にオオハクチョウが多く、コハクチョウも飛んできます。
見分け方はくちばしがポイント。
くちばしの黒い部分が少ないものがオオハクチョウ(写真奥)で、くちばしの黒い部分が多く、少し小型で首が短めなものがコハクチョウ(写真手前)です。
この池は、他の水鳥よりも白鳥の方が圧倒的に多いので、カメラマンとっても最高のスポットだそうです。
毎年10月20日ころに飛んで来て、2月末ころから北に帰る準備を始め、3月に入ると約10羽ほどのグループを組んで旅立ちが始まります。最後のグループが飛び立つのが毎年3月末ころだそうです。
先日、古米をお送りしたところ、世話人の庭山さまから達筆で丁寧なお手紙が届き恐縮してしまいました。最新の白鳥の写真に加え、長嶺大池の白鳥についての資料も送っていただきました。
そこにはこんな白鳥の親子の観察秘話もありました。(以下、要約)
「ある年の春分の日、最後のグループ13羽が池におり、お昼に10羽が池の上空を3回まわって北へと飛んで行きました。池には親子の3羽が残っており、よく見てみると幼鳥は病気のようで仲間と一緒に飛び立つことが出来なかったようでした。親鳥は子に寄り添っていましたが、3月末ころ、池を見ると残念ながら幼鳥は死んでいました。私はすぐにこの子を池から引きあげました。子の姿は見えねども、親鳥はその場に7時間もじっとしていました。そして、気持ちの整理がついたのか、午後2時過ぎ親鳥は池中央に移動して舞い上がり、声を出さずに池の上を2回まわって北の空へと旅立ちました。」
このお話を庭山さんは地元の学校でもよく子供たちにされるそうで、最初ざわついていた子供たちも最後には黙ってしまうんだそうです。
白鳥も人間も、子を想う親の気持ちは一緒なんですね…。
今年は雪が多く、白鳥たちもエサを見つけるのが大変だったようで、少しでもお役に立てたのならこんなに嬉しいことはありません。(白鳥はパンよりお米が大好きだそうです!)
白鳥たちは3月末に北へ帰って行きます。
古米は、できれば今年は3月中に、その後は10月以降に送ってもらえると有難いとのことでした。送る前に必ずお電話でご確認ください。
西山町事務所地域振興係 住所:〒949-4193新潟県柏崎市西山町池浦117番地2
電話番号:0257-47-4010
http://www.city.kashiwazaki.lg.jp/n_chiki/kanko/miru/kekan/fuyu/1510151052.html
Text / 倉松知さと
関西在住。キャスター、歴史番組制作、京都情報ポッドキャスト制作などを経て、京都・歴史ライターへ転向。京都歴史ガイドブック『本当は怖い京都の話』(彩図社)ほか、雑誌で歴史エッセイを連載中。京都、歴史ジャンルでのラジオ、テレビ出演、講演なども。日本旅行作家協会会員。個人ブログ『京都に来るなら…』 https://ameblo.jp/ciaokyoto/
こんにちは。
我が家に2017.12精米の古米があります。
5kg 2袋一袋は口が開いていますが、今日味見する為にあけました。
必要であれば送れますが、いかがでしょうか?
窪田様
コメントありがとうございます。著者に確認しましたところ、
「今も古米受付はやっておられます。この時期が一番良いそうです。
受付先と送り先が書かれたHPは前の記事のまま、同じです。
https://www.city.kashiwazaki.lg.jp/n_chiki/kanko/miru/kekan/fuyu/1510151052.html
柏崎市の西山町事務所地域振興係です。きっと喜ばれます!」
なお送付の前にHPをご覧いただいて、振興課にご一報いただくことになっているようです。
寄付なので、送料も送る側が持つことになります。著者もこの方法に則って寄付されたとのことでした。
どうぞよろしくお願いします。
W LIFE編集部