大人留学を実践している河野純子さんおすすめの街ポートランドの留学レポート。
より充実した留学実現のコツの最終編です。住まいや滞在期間中の工夫、そして、ここが重要ともいえる費用についてと2回に分けてまとめます。
◎住まい
滞在先の選択肢としては、ホームスティか学校の寮、もしくは個人で手配するかのいずれかになります。私は見知らぬ土地で最初から個人手配は難しいこと、大人なのでホームスティはきついかなと思ったこと、学校の寮がフロントサービス付きのアパートメントの個室と条件がよかったことから、寮を選択しました。立地もよく誰にも気兼ねなく快適に暮らせたので満足していますが、英語力のアップという意味では、ホームスティもよかったと思います。家にネイティブスピーカーがいてくれることはありがたいことですものね。
とはいえ実際のホームスティライフはというと、やはり運不運があるようでした。場所が学校から遠い、あまり話し相手になってくれない、食事が合わない、生活のルールが厳しいといった不満を持っているクラスメイトもいれば、すごく気が合うホストと出会った人も。ただ、エージェントからはステイ先の変更は難しいと聞いていたものの、実態としては何度も変更している生徒もいました。変更も可能と考えれば、トライしてみる価値はあると思います。
また、まずは1カ月ほどホームスティや学校の寮に住んで、その間にネイティブのルームメイトを探すというのも手です。例えば、私の住んでいたアパートは、ポートランド州立大学のすぐ近くだったのでのネイティブの学生もたくさん住んでいましたし、ルームメイトマッチングサービスも提供していました。
◎持ちもの
3カ月、海外で暮らすときには何を持参すればいいでしょうか?あれこれ悩みましたが、基本的にポートランドは何でも売っていますし、消費税もかかりません。日系食品スーパーもあります。カジュアルな文化なので、高級レストランもスニーカーで行けます。よって荷物は最小限で大丈夫です。私も中ぐらいのスーツケース1つで旅立ち、滞在中に寒さ対策で少し洋服を買いましたが、ボストンバック1つ分増えた程度でした。以下は学生生活上、持参してよかったものです。
・「英語で話す日本文化」といった本(日本文化については授業中によく聞かれます)
・文法の本(日本で習ったことと違うと思うこともしばしば。そんなときは日本語で確認したくなります)
・パソコン(エッセイを書いたり調べものしたりするときに必要)
・ちょっとしたお土産(日本のフリクションペンが大人気でした)
◎滞在期間中の過ごし方
前回のコース選びのところでも述べましたが、本気で英語力を伸ばそうと思ったら、現地のネイティブスピーカーのコミュニティに入って実際に英語を使うことが大事だと思います。私も放課後や週末にMeet Upに参加したり、単発でお稽古を習ったりしていましたが、ポートランドコミュニティカレッジ(PCC)の講座はとても魅力的でした。
PCCは 公立の2年制大学ですが、一般市民向けにカメラ、アート、スポーツ、DIY、手芸、ワインマーケティングといったカルチャースクールのような講座も提供しています(写真は講座のカタログです)。単発講座もよいですが、「週1回通学10回シリーズ」といった講座であればネイティブの友人もできそうです。
授業料も例えば陶芸10回シリーズで169ドル(18590円)という安さ。シリーズ講座は初回に参加しないと受講できないのでタイミングが難しいですが、午前中は語学学校に通い、放課後はPCCのカルチャースクールに週2日程度通う、そんなダブルスクールはよさそうな感じがします。
Text /河野純子
元とらばーゆ編集長(リクルート)、生活関連分野での新規事業開発プロデューサー(住友商事)を経て独立。豊かなライフスタイルの創造をテーマに、コンサルティング、プロデュース、マーケティング、執筆活動を展開。特に「人生100年時代の大人の学び」に着目し、自身も大人留学を経験。ライフシフト・ジャパン(株)エグゼクティブ・プロデューサー、いばらき大使。