ユネスコ世界遺産 「長崎と天草地方潜伏キリシタン関連遺産」の旅②

世界文化遺産を訪ねて、長崎県上五島への旅 https://wlifejapan.com/2018/08/10/nagasaki-amakusa-unesco/

いよいよ、禁教の江戸時代、外海に面した岬にある隠れキリシタンが潜んでいたといわれる「キリシタン洞窟」へ。トラベルアクティビスト真里さんの旅は続きます。

キリシタン洞窟へ通じる陸上の道はなく、唯一のアプローチ方法が漁船・祥福丸。船長の坂井さんは、桐(きり)集落の27軒の「隠れ」を束ねる神父さん的立場の方です。

事前に船の予約をし、桐港で坂井さんと待ち合わせ、船に乗せてもらいます。いよいよ出航!途中「マリア様のお姿に見える」と言われている断崖絶壁に開いた穴を海上からみました。さらに進むと、岬の突端に十字架を抱えたマリア様の像が。そのすぐそばの岩場に接岸、上陸。

洞窟までは100メートルぐらいで、大きな岩がゴロゴロしていて、よじ登ったり降りたり、隙間を通り抜けたり。すると・・・突然、高さが5メートルもある大きな洞窟が目の前に現れました。

 

江戸時代、二家族8人の隠れキリシタンが迫害から逃れる為にここに潜伏。4ヶ月後、隠れキリシタンたちは見つかり、拷問の末、殺されました。洞窟の中にはキリシタンたちが彫り日々拝んだというマリア様のレリーフが。クリスチャンではない私でさえも、当時の人々の純粋な信仰心を想い、敬虔な気持ちになりました。

 

上五島で是非お泊り頂きたいステキな宿があります。「五島列島リゾート ホテル マルゲリータ」。元は国民宿舎だった建物が全面改装され、シンプルでモダンな、素晴らしいホテルに生まれ変わっています。

中通島の北部、島の幅が狭くなった山の頂上という立地なので、ホテルからは朝日も夕日も楽しめる贅沢さ。部屋数は中通島にある教会と同じ数の全29室。部屋の仕様は様々ですが、アンティーク家具などが配置され、居心地の良い空間になっています。

 

併設のレストラン「空と海の十字路」では、イタリアンをベースに島の特産品が賞味できます。対馬海流の真ん中に位置する五島列島は、魚介類が新鮮で美味しいのは当然ですが、五島牛や五島豚も是非お試しを!私は夕食には五島牛がメインのイタリアン、翌日の朝食は島の特産品の小皿が並ぶ「島ご飯」を頂きました。

五島滞在中、お昼ご飯などにぜひ食べていただきたいもの、それは「五島うどん」。うどんというには少し細め、お素麺にしては太め。コシも強いです。「遣唐使の風待ちの港」があった五島だけあって、大陸から伝わった“麺を油でコーティングし、喉越しを良くする”という製法で作られた麺です。五島は、「東の大島、西の五島」と表現されるほどの椿の群生地。その椿油をうどんに練り込んでいます。あごだし(トビウオから作られた出汁)でお召し上がりください。乾麺ですからお土産にもいいですよ!

太古の昔から大陸への窓口だった五島列島。上五島・中通り島には他にも見所がたくさんあります。遣唐使船の風待ちの港、平家の落ち武者ゆかりの集落、鳥居が鯨の骨という海童神社や江ノ浜郷に立つ坂本龍馬の像。これは、龍馬がグラバーから購入した船「ワイル・ウエフ号」が五島沖で遭難し、ともども海に沈んだ亀山社中を慰霊する像です。

もちろん、透明度抜群、サンゴの北限の美しい海を見るだけでも、特別な旅になるはずです!

 

Text/トラベルアクティビスト真里

世界中、好奇心を刺激する国々を駆け巡るトラベルアクディビスト。外資系金融機関に勤務の後、1年の3分の1は旅をする生活へ。ジョージア、バルト3国はじめ訪れた国は50カ国以上。日本中も巡り、行った先で出会った人、風景、食etc. 旅の醍醐味をレポートします。

 

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