京LIFE:テーマは「革新」!師走の風物詩・北野天満宮の京菓子展②

年の瀬の京都では美しい和菓子の展示がありました。目を見張る和菓子の数々、その後編です。名残の紅葉が美しい北野天満宮から京都ライター 倉松知さとがお伝えします。

師走に入り、先日、北野天満宮菓匠会による京菓子の展示がありました。

菓匠会は、江戸時代、貴重な砂糖の使用を許された上菓子屋仲間をルーツとする老舗の集まりです。今回のテーマは「革新」。美しいだけでない、難しいテーマを受けての挑戦的な和菓子の数々をご覧下さい。

 

今回「革新」というテーマから幕末~明治維新期に想いを馳せた作品も多く見られました。

平成30(2018)年はちょうど明治維新150年の節目の年でもありました。

 

寺町御池の亀屋良永さんの作品。官軍が掲げた「錦の御旗」をモチーフにしています。

和菓子を横から見てみると……この色合いは、薩摩藩、長州藩、土佐藩のイメージカラーではないですか!!薩摩が黒、長州が白、土佐が赤。戦いの中、こうして色で識別したのですね。

和菓子、特に京菓子というのもは、想像力の賜。説明書きが無くとも、こういう作り手の気持ちに気付けると本当に楽しいものです!

 

二条城近くにお店を構える二條若狭屋さんも、まさに革新の時代であった明治維新のころ、そして、活気あふれる京都の様子を伝える作品でした。

德川家の葵の御紋と天皇家の菊の御紋。時代の移り変わり、うねりを感じます。

その作品の横にはお店に伝わる貴重な木型が。

お菓子の包装紙の木型なのでしょうか?

細かい細工をよくよく見てみると、二条城前の通りを行き交う車や馬車、そしてチンチン電車。明治時代、二条城前はかなりハイカラな通りだったのだろうなと思い起こさせてくれる木型でした。京都は決して古いだけの街ではない、新しいものにも果敢に挑戦する街だということを再認識するものでした。

 

亀末廣

 

亀屋陸奥

 

笹屋伊織

 

この他、様々な京菓子の作品に出会うことが出来ました。

 

会場となった北野天満宮はご祭神が菅原道真公。学問の神様です。

北野さんは、これから受験生を応援する季節に入ります。

また、今年は早くも梅の花が咲き始めたとか。

12月25日には終い天神の縁日

明けて新年1月2日には書き初め展など色々行事が続きます。

年の瀬、新春の京都の空気を味わいにぜひお越し下さい!

Text /倉松知さと

 

関西在住。キャスター、歴史番組制作、京都情報ポッドキャスト制作などを経て、京都・歴史ライターへ転向。京都歴史ガイドブック『本当は怖い京都の話』(彩図社)ほか、雑誌で歴史エッセイを連載中。京都、歴史ジャンルでのラジオ、テレビ出演、講演なども。日本旅行作家協会会員。個人ブログ『京都に来るなら…』https://ameblo.jp/ciaokyoto/

 

 

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