京LIFE:瑞々しい青緑色につつまれる~北野天満宮の青もみじ

全国の天満宮の総本社・京都の北野天満宮では、今、青もみじが美しい季節を迎えています。

外国人観光客が多く訪れるようになり飽和状態の京都が伝えられますが、逆に静かな場所を探す京都観光が今、注目を集めています。そのひとつが北野天満宮で公開中の「史跡御土居 青もみじ」です。紙屋川にかかる朱色の鶯橋と青もみじが美しいコントラストを見せています。

苑内に一歩踏み入れると青緑色の清々しい空気に一瞬で包まれます。川のせせらぎや木漏れ日が心地よく、一瞬で静かな異空間へと誘われます。

境内を流れる紙屋川沿いに残る史跡御土居(おどい)。

御土居とは、かつて豊臣秀吉が手掛けた京都の街の改造計画のひとつで、都の中心部を守るために周囲を土塁や堀でぐるりと囲んだものです。

この場所は、秋には赤く染まった紅葉の名所として知られていましたが、2015年より初夏の瑞々しい青もみじを楽しめるよう公開が始まりました。

御土居の一部が今も残る場所に植えられた約250本ものもみじが織りなす緑の空間は贅沢そのものです。

全体を見下ろしたり、川沿いを歩きながら緑のアーチを見上げたり。楽しみ方は色々です。

もみじの他、北野天満宮のご祭神である菅原道真公が愛した梅の木々の緑も目に優しかったです。

境内の梅の木には大きな梅の実がなっていました。この梅の実はもうすぐ摘み取られ、真夏の太陽の下、天日干しを経て、お正月の大福梅として授与されます。

北野天満宮史跡御土居の青もみじは6月30日(日)まで公開しています。

特に朝一番の静かな時間帯がオススメですよ。

北野天満宮 http://www.kitanotenmangu.or.jp/

青もみじ公開 午前9時~午後4時(終了)

拝観料大人(中学生以上)500円、小人(小学生)250円、修学旅行生250円

Text/倉松知さと

関西在住。キャスター、歴史番組制作、京都情報ポッドキャスト制作などを経て、京都・歴史ライターへ転向。京都歴史ガイドブック『本当は怖い京都の話』(彩図社)ほか、雑誌で歴史エッセイを連載中。京都、歴史ジャンルでのラジオ、テレビ出演、講演なども。日本旅行作家協会会員。個人ブログ『京都に来るなら…』https://ameblo.jp/ciaokyoto/

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