日本橋でテレワーク?“マイルーム”感覚で使える 創業1891年のビジネスホテル

すっかり自粛モードが身についてしまった今日この頃。自宅で楽しむ方法はたくさんあるものの、なんとなく“空気”を変えたくなりませんか?日本橋という都心にオープンした洒落たビジネスホテルなら気楽にマイルーム感覚で楽しめそう。岩佐史絵さんがそんな気軽ステイ&ワーケーションをレポートしてくれました。

よどみがちな空気をリフレッシュ

 普段は友人と外食をしたり映画館に行ったりと、日常生活の中にも自宅以外の空間がありました。しかしここ数か月のところ、友人を食事や遊びに誘ったり家族そろって外出したりするのはちょっとはばかられ、単調な毎日になりがちです。そこで空気をちょっと変えるためにおすすめしたいのは、ホテルを活用すること。たまに外食をすると気分が変わるように、“空間”を変えることで気分転換することができます。

今回利用したのは東京・日本橋の老舗旅館『かずさや』。なんと創業は1891年という老舗中の老舗ですが、2020年7月17日にリニューアルオープン。日本橋の変遷を見守りつつ、時代に合わせスタイルを変えてきましたが、2019年4月から1年以上かけたこのたびのリニューアルでは、154室を擁するビジネスホテルに。最新の設備はもちろんですが、そんな中にも“和”のテイストがしっかりと感じられる、お洒落なホテルに生まれ変わりました。 

部屋タイプによって色合いが異なります。部屋着が作務衣なので安っぽい感じがないのもうれしいところ

インテリアに隠れた江戸の粋が 

ビジネスホテルというと無味乾燥なイメージがありますが、こちらは“ここにしかないストーリー”にこだわり、随所に日本橋らしさが感じられます。たとえば、室内の“色”。落ち着いたトーンの色合いですが、これ、「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)」といって、江戸の町人が編み出した色彩なのだそう。

江戸時代、町人が贅沢をしないようにと着物に使っていい色は「茶」「鼠」「藍」の3色のみに限定、とおかみからお達しがあったそう。そこで町人たちは知恵をしぼり、同じ「茶」でもさまざまな風合いの色を編み出しました。茶色系や鼠色系だけでもそれぞれ100種類以上のバリエーションがあるのですって。客室内に使われている色を見ると、さまざまな色どりを楽しんだ江戸の人々の“粋”がよくわかります。決して豪華なインテリアではありませんが、お江戸の真ん中らしさにあふれているというわけです。

2階に『かずさや』と江戸の街の変遷がわかるプチミュージアムがあるので、立ち寄ってみて。

便利なロケーションを選ぶとさらに楽しい

 三越前、新日本橋、神田などいくつもの駅に徒歩5分程度で行くことができる立地のよさ。仕事の帰りでもふらりと気軽に立ち寄ることができます。周辺には多くの飲食店がありますが、ねらい目はテイクアウトメニュー。デパ地下グルメもいいですが、せっかくですからこの界隈の気になるお店のお料理をテイクアウトしましょう。料理が冷めないうちにホテルの部屋まで戻れるので、お店でいただく味そのまま。前菜はこのお店、メインはこちら、というふうに夢のフルコースを作るのも楽しそうです。

以前から気になっていた神田のジビエ専門レストランから前菜盛り合わせをテイクアウト。南アフリカのクラフトビールを合わせて。
食事が終わったら、大浴場へ。女湯はカードキーで開錠して入るシステムなので、セキュリティも安心。

普段づかいで“マイルーム”感覚

WiFiは無料。自分のタブレットやPCを持ち込んで、動画を見たりメールチェックをしたりと、自宅にいるのと同じようなことをしていても、ホテルだと気分がぜんぜん違います。テレワークでも自宅より集中できそう。ワーケーション以外にも、家族と離れて一人になりたいときなどにもおすすめ。都心に自室をもつ感覚で楽しみましょう。

朝食プランの場合は1Fレストラン『食堂酒菜 時の鐘』へ。和食か洋食の2セットから選べ、それぞれお膳でサーブされる。

ホテル かずさや

住所: 東京都中央区日本橋本町4-7-15

TEL: 03-3241-1045(平日10時~18時)

URL:https://www.h-kazusaya.co.jp/

Text /岩佐史絵

トラベルジャーナリスト/コーディネーター。人生を豊かにするような旅を! をモットーに、魅力的な旅スタイルをさまざまなメディアに提案。ラグジュアリー、グルメ、子連れ、教育などのテーマでの旅記事執筆が多いものの、北極やアマゾン源流など辺境も大好物のフリーランス。

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