赤坂と聞いて思い浮かぶのは、テレビ局もあるオフィス街?ネオン輝く夜の街?迎賓館もある邸宅街?そんな賑やかさと大人の街の顔を持つ赤坂に、2022年2月25日にグランドオープンした都市観光ホテル「OMO3東京赤坂 by 星野リゾート」。
どんな人が泊まりに来ているのかなと思うと、訪れたのが3月で卒業前ということもあってか意外に若いグループが多い!さらに驚いたのは総支配人の山口美咲さんは、2度オリンピックに出場、2009年には100メートル自由形日本記録を樹立したという競泳のオリンピアン!そんなユニークな前歴を持つ総支配人にOMO3東京赤坂について、熱く語っていただきました。
水泳一筋のオリンピアンから滞在経験の作り手へ
ご両親も水泳のコーチという山口さん。中学時代には全国大会で優勝し、イトマンスイミングスクールますますその才能は開花。提携している近畿大学附属高校に入り、大学1年で2008年北京オリンピックに出場し、200メートルのフリーリレーで7位入賞、2009年には100メートルで自由形日本記録を樹立と華々しい活躍ぶり。
しかし、その後にスランプがあり、2012年のロンドンオリンピック出場には、 100分の6秒が足らないという結果に、日本代表に落ちたら水泳を辞めようと一度は思ったとか。一緒にいる仲間がモチベーションになって、再び2016年のリオデジャネイロオリンピックに出場して、100メートルフリーリレーでは池江璃花子選手らと泳ぎ8位入賞。やり切った感があったそう。
そこで母校の近畿大学附属高校の先生になろうかなと思っていた時にトレーナーに面白い会社があるよと教えてもらったのが星野リゾート。もともと旅行とかサービス業に興味があって、星野リゾートは「滞在経験を作っている人がいる」ところに引かれたそう。「寝るだけでは終わらせない、旅のテンションを上げる都市観光ホテル」がコンセプトのOMOの仕事はぴったりはまります。
街の人に繋いでもらって赤坂の魅力を掘り起こす
そして、まずは2年間星のや東京で勤務した後、立候補で「OMO1東京川崎」の総支配人に。そして、様々なOMOの開業にかかわり、「OMO3東京赤坂」にはオープン半年前に着任。まずは、赤坂の歴史を知るべくお寺巡りから始めて、そこで知り合った街の人にご縁を繋いでもらうように。
赤坂銘茶土橋園の会長さんに「赤坂は、ビジネス的と思われるかもしれないがここは”村”だから」というのがとても印象に残って、新しいだけではない、赤坂の人が昔から知っているものを大切にしたいと思っているそう。「OMO3東京赤坂」のアクティビティであるOMOレンジャーがガイドする「まさかの赤坂さんぽ」では、知る人ぞ知るスポットがいろいろ。
山口さんは「ここは、街がこうなっていきたいという思いとゲストの体験を繋ぐパイプのようなもの。赤坂に来る方は多種多様です。女性で30代40代の人は、町歩きにアンテナがたちやすくて、カメラを持って自分で再発見に回るという方も。中には、星野リゾートは初めてという方もいて、赤坂は知っていたけれど人が教えてくれるとまた視点が違って嬉しいと言ってくださいます」と言います。
もっと赤坂のことを発信!人を笑顔にする仕事を
オリンピアンの経験で今に生かされていることは「基礎体力があるのと、いつでもポジティブに考えられることですね。ほんとにトレーニングは辛かったので並大抵のことではへこみません (笑)。 0.01秒を最後まで競っていたから、 最後まで諦めずに常に前向きでいられるんです。そんなスポーツをやっていたから活かせる精神でいろいろチャレンジさせてもらっているので、アスリートとしてのロールモデルになれたらとも思います」と言います。
今後やりたいことは?という質問には「赤坂のことはもっといろいろ発信したいです。夜の街、迎賓館、TBSや国会議事堂ツアーなど、魅力を味わってもらえることがまだまだあるので」そして「観光業は世界平和のための産業だと思っています。人を笑顔することが平和に繋がるので」と、とっても明るい笑顔で自らOMOレンジャーで出動する山口さんでした。
OMO3東京赤坂 by 星野リゾート
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo3tokyoakasaka/
住所:〒107-0052 東京都港区赤坂4丁目3-2
電話:0570-073-099
Text / 小野アムスデン道子
世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスへ。東京とポートランドを行き来しつつ、世界あちこちにも飛ぶ、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。インバウンド・コンサルタント。日本旅行作家協会会員。