渋谷-Bunkamuraで、駐日チェコ共和国大使館のヴラジミーラ・ヒルシュ次席公使とチェコセンター東京の高嶺エヴァ所長のスピーチとともに、廃材から制作された「街角詩人ロボット」のオープニングセレモニーが開催されました。
このロボットは、チェコを代表する作家カレル・チャペックが約 100 年前に発表し、テクノロジー誤用への警鐘を鳴らした戯曲『ロボット(R.U.R.)』から着想を得て制作されたものです。横浜美術大学とのコラボレーションで、ロボットから出てくるチェコの詩を通して、人間らしさと持続可能性について問いかけるという目的を持っています。
ロボットのデザインと制作に携わった横浜美術大学の先生と学生達が、このロボットについての思いやどう発案したかについて発表がされました。廃材でできたロボットの中は、詩が納められたカプセルが入っていて、ガチャガチャになっています。詩の一つ一つは、持続可能な開発目標(SDGs)、エコロジー、デジタル社会等をテーマに、様々な現代の問題を投げかけています。本来心を持たないロボットから、心がないと作れない詩が出てくることで、進みつつあるデジタル化と人間の未来について考えさせられます。
この「街角詩人ロボット」は、BunkamuraのB1Fにあるブックショップ ナディッフモダンに、8月28日まで設置されています。その後、下北沢やたまプラーザなどを巡る予定です。ロボットに100円玉を入れると、出てくるカプセルには日本語に翻訳されたチェコの詩と、チェコの国樹であるボダイジュの種が入っています。学生らしい可愛らしい発想ですね。
一見の価値ありの「街角詩人ロボット」。折角ですから、100円を入れて、チェコの詩に触れ、問いかけられている現代のテーマについて考えてみては如何でしょうか。
街角詩人ロボットについて:
https://tokyo.czechcentres.cz/ja/program/robot-poet-shibuya
Text /トラベルプロモーター 中島優子
国際協力の仕事をする傍ら、仕事・プライベート共に世界中を旅する、トラベルプロモーター。訪問先は僻地も多く、今まで訪れた国は65ヵ国以上。JALF(財団法人宿泊施設活性化機構)参事。