六本木ヒルズでベルばらと再会 胸が熱くなるベルサイユのばら展へ

1972年4月から1年8カ月に渡り「週刊マーガレット」(現在「マーガレット」、(株)集英社)に連載されていた池田理代子氏「ベルサイユのばら」。「少女マンガでは歴史物は当たらない」との事前の予想を覆し大ヒットしたことはご存知の通り。18世紀のフランス革命前後の時代を舞台にし、ルイ16世の王妃マリー・アントワネット、男装の麗人オスカルを中心としつつも多くの人物が関わる群像劇になっています。 top画像 ©池田理代子プロダクション

連載当時小学生だった私。毎週の連載が待ち遠しく、マリー・アントワネットやオスカルのイラストを真似て描いてみたりしていました。海外など行ったことがなかった子供時代に、200年も昔のヨーロッパの歴史の中にどっぷりハマることができたのは、ひとえに池田理代子氏の才能による素晴らしいストーリーとエレガントな画力のお陰。当時、池田氏は24歳。フランスにも行ったことがなかったそうです。

©池田理代子プロダクション
©池田理代子プロダクション

「ベルサイユのばら」連載開始から50年になる今年、六本木ヒルズ森タワー東京シティビューにて【誕生50周年記念 ベルサイユのばら展 ―ベルばらは永遠に-】が開催中です。会場に入るとすぐにベルサイユ宮殿をイメージした回廊のセットが。オスカル、マリー・アントワネット、フェルゼン、アンドレの登場人物4人の等身大パネルがあり、物語の中に入り込んだようです。写真撮影可能なので、私はさっそくオスカルと手と手を取り合って記念撮影をしてみました!

©池田理代子プロダクション

本展の見どころは、連載当時の貴重な原画がたくさん展示されているところ。マンガのあらすじに沿って名場面の原画を見ていると、「ああ、この場面!」「このせりふ覚えている!」と懐かしさでいっぱいになります。池田氏は高校生の頃、マリー・アントワネットの伝記を読み感銘を受けたことが「ベルサイユのばら」誕生に繋がったとのこと。原画を見ていると、物語冒頭ではマリー・アントワネットはまだ少女の顔で可愛らしく、連載が進むにつれ、自身の立場やさまざまな経験からくるものなのか、大人の女性の顔つきになっていく変化がよくわかります。また、池田氏は「もっと自分の思い通りに絵を描きたい」と連載中も絵の勉強を続け、その結果として物語の進展と共に画力が上がっていくのがはっきりとわかります。原画の横には、池田理代子氏の作品への想い、連載当時の秘話なども書かれていますので、じっくりと「ベルサイユのばら」の世界に浸かってください。

©池田理代子プロダクション
制作:文化服装学院オートクチュール科学生
企画制作:メイプル
©池田理代子プロダクション
制作:文化服装学院オートクチュール科学生
企画制作:メイプル

オスカルが人生でただ一度ドレスを着て舞踏会に行き、フェルゼンと踊る場面があったのを覚えていますか?そのシーンの原画のすぐ横には、オスカルのドレスが再現されて展示されています。これは2007年「ベルサイユのばら35周年記念展」のために制作されたものだそう。オスカルのサイズは、身長178cm・バスト87cm・ウエスト63cm・ヒップ90cmとスーパーモデル並み。アイボリーホワイトのシルクサテンの上品なドレスには、ため息が出てしまいます。オスカルが実在の人物なのではないかとつい錯覚してしまいますね。

©宝塚歌劇団
©宝塚歌劇団

「ベルサイユのばら」はマンガの連載が終わった後も、テレビアニメ化やマンガの外国語版発行などその世界は広がり続けます。その代表格は、宝塚歌劇団での舞台化です。本展覧会では宝塚での舞台化についてもかなりのスペースをとって展示があり、歴代の組・配役が一覧になっている大きなパネルや衣装などがあります。今でもテレビや映画で活躍している女優さんが「この時はフェルゼン役だったのね」などとひとつひとつ確認しながらじっくり見ました。

©池田理代子プロダクション

会場と同じフロアにあるレストラン「THE SUN & THE MOON」では展覧会とのコラボメニューがありますよ。2022年10月11日(火)より提供開始の“ばら”をテーマにした六段のアフタヌーンディーはインパクト大。マカロンやマドレーヌ、バラ色を基調としたスイーツ8種類に加え、フレンチの技法で仕上げたセイポリー4品と大変豪華なものになっています。「ベルサイユのばら」の登場人物をイメージしたノンアルカクテルもついていますよ。

©池田理代子プロダクション

グッズ売り場も必見です。私は「ショッピングバッグ」と「付箋」を書いました。付箋はマリー・アントワネットそしてオスカルのマンガのワンシーンを切り取って、空白の吹き出しがついていますから、その部分に自分でメッセージを書くことができます。友人にちょっとしたものを渡したい時に、オスカルとマリー・アントワネットに気持ちを代弁してもらえますね。

「ベルばら」にどっぷりハマっていた人はもちろんのこと、「私は“なかよし”派だったわ」という人も、マンガ界の金字塔である「ベルサイユのばら」展は楽しめるはず。ぜひ会場へいらしてください!

 誕生50周年記念 ベルサイユのばら展 ーベルばらは永遠にー

◆会期: 2022年11月20日(日)まで

◆開館時間: 10:00~22:00(最終入館21:00)

◆会場: 東京シティビュー(東京都港区六本木 6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階)

◆入館料: 一般2,200円、学生(高校・大学生)1,600円、子供(4歳~中学生)1,000円、

シニア(65歳以上)1,900円

※料金はすべて税込です。

※障がい者手帳をお持ちの方(介助者1名まで)は無料です。

※本展は事前予約制(日時指定券)を導入しております。

◆公式サイト:  https://verbaraten.com/

◆問い合わせ: 東京シティビュー 03-6406-6652(受付時間 10:00~20:00)

Text /トラベルアクティビスト真里

世界中、好奇心を刺激する国々を駆け巡るトラベルアクティビスト。外資系金融機関に勤務の後、1年の3分の1は旅をする生活へ。ジョージア、バルト3国はじめ訪れた国は50カ国以上。日本中も巡り、行った先で出会った人、風景、食etc. 旅の醍醐味をレポートします。

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