ラグビーワールドカップの開催地で注目のフランス。決勝戦はパリ郊外のサンドニにあるスタッド・ド・フランスで開催。トーナメント全体では、サンドニを含む9都市で試合が開催されました。日本代表対アルゼンチンの会場となったスタッド・ド・ラ・ ボージョワールは、フランス西部のナントの街。ジュール・ヴェルヌの故郷で、巨大な人が乗れる機械仕掛けの象がねり歩くアミューズメントパークなどもある都市でした。
さて、そんな話題もまだ熱い最中のフランスですが、パリは2024年オリンピック・パラリンピックの開催地。2023年10月11日には、フランス観光開発機構とパリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会組織員会による記者発表会がありました。*写真左から:松岡修造氏(スポーツキャスター)、フレデリック・マゼンク(フランス観光開発機構在日代表)、角田夏実選手(柔道日本代表)、若山英史選手(車いすラグビー日本代表)、橋本聖子氏(元東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長)、フィリップ・セトン(駐日フランス大使)、森和之氏(日本パラスポーツ協会日本パラリンピック委員会会長)
パリ2024は広く開かれた大会に
事務局長エチエンヌ・トボワ氏がフランスからオンラインで記者発表会に参加し、大会の趣旨を説明しました。主なポイントは以下:
- パリ2024大会のスローガンは「Games Wide Open(広く開かれた大会)」
その実現のため「セレブレーション(祭典)」、「レガシー(遺産)」、「エンゲージメント(全員参加)」の三つの柱を立てる。 - 一つ目の「祭典」は、開会式や競技の開催場所を従来のスタジアムの中でなくパリの有名な史跡や建築遺産を舞台にして行うことで、外に開かれた大会とする(オリンピックの開会式はセーヌ川、パラリンピックの開会式はコンコルド広場からシャンゼリゼ大通りにかけて実施)。また、サーフィン競技をタヒチ島のチョープー、サッカーのトーナメント戦をフランス本土の6つの地方都市で行うように、国土の広範囲で競技を行う。
- 二つ目の「レガシー」では、社会的な課題に大きく向き合う大会とする。パラリンピック選手団とオリンピック選手団がひとつの選手団を結成し、両大会のロゴが同じ大会エンブレムとともに表示される。また、男女同数をアスリートだけでなく、スタッフやボランティアにも適用する。持続可能な取り組みについては東京2020大会時にその礎が築かれたと思うが、パリ2024大会ではさらに進化させる。パリ2024では95%の会場が仮設または既存インフラを活用する形で行われ、カーボンフットプリントを大幅に削減する。
- 三つ目の柱に掲げる「全員参加」では、「テール・ド・ジュー」プログラム、「パリ2024クラブ」の二つのプログラムを推進する。前者は各国のフランス大使館やフランスの地方自治体、スポーツ連盟などを認可したホストタウン事業で、これら団体や自治体を通じてフランス人ならびに海外フランス語圏の人々にパリ2024のダイナミズムに参加してもらう仕組み。後者の「パリ2024クラブ」は一般向けに開かれたコミュニティで、ここを通じて一般参加型マラソンへの登録資格を得るチャレンジなどができる。
パリの有名な史跡や建築遺産で競技がどんな風に行われるのかワクワクしますね。パラリンピックとオリンピックが一つの選手団で臨み、フランス一丸で取り組む全員参加も注目。
フランス観光開発機構在日代表のフレデリック・マゼンク氏は「オリンピックという最大のメディア露出の機会を得て新たなフランスのイメージを伝えたい」と意気込みを語り、五輪がフランスの魅力を伝える場でもある熱意が伝わりました。
記者発表会後のセレモニーでは、トップの写真のように、パリ2024大会への出場が内定している柔道の角田夏実選手、車いすラグビー日本代表の若山英史選手がゲスト出演し、メダルへの抱負を語りました。また、スポーツキャスターで自身も三度の五輪出場経験を持つ松岡修造氏もゲスト出演し、トボワ事務局長が発表したパリ2024大会のスローガン「Games Wide Open」を受け、「選手だけでなく皆のための大会。ボクも参加します」と気概を見せました。
Text / W LIFE編集部