麻布台ヒルズに登場 ! ミシュラン掲載シェフの集大成は12席の珠玉のお店

東京の新名所として注目が集まっている麻布台ヒルズ。私が訪れた日はクリスマス直前ということで華やかなイルミネーションが眩しく、クリスマスマーケットが開催中で大賑わい。たくさんの人々が買い物をしたり写真を撮ったりしていて、六本木という繁華街から比較的近い割には人通りが少ないエリアだったのが、一気に人の流れができ、開業後のこの賑わいをみると不思議な感じさえします。

そんな麻布台ヒルズの一角に素敵なレストランがオープンしたのでご紹介します。「DepTH Brianza(デプス ブリアンツア)」。二軒のミシュラン掲載店レストランを含む幾つものレストランをオープンさせてきたBrianza Groupオーナーシェフ・奥野義幸氏が、ご自身の「集大成」とおっしゃっているお店です。お店の前に到着すると、シェフ自ら扉の前で待っていてくださいました。

お席はわずか12席。カウンタースタイルでないのは、「カウンターにするとシェフが中心になっちゃうでしょ。お客さま同士で楽しい時間を過ごしてほしい」とのこと。そうは言いつつも、私が案内されたお席は、キッチンのすぐ脇のお席。厨房の様子がよくみえるので、カウンターのようなライブ感がある、特別なお席でした。途中でお料理を厨房から直接サッと出してくださることもあり、シェフのお家に招かれたような、アットホーム感も感じました。

体を温めるために、メニューには載っていない「カブと塩昆布スープ」を出していただいて、お食事スタート。最初のお料理は、「白海老 雛豆」。白エビのタルタル・北海道のウ・イタリアのチーズの三層の具材が、薄いパイ生地に載っています。口に入れると甘みが広がり、とねっとりとした食感と相まって、幸せな気持ちに。

続いてのお料理は「箱」。店名が刻まれた箱の蓋を取ると、4種類のシャルキュトリが入っています。日本中のシェフが使いたいと熱望しながらも、なかなか手に入れられない滋賀県の精肉店「サカエヤ」からの「愛農ナチュラルポーク」で作ったパテドカンパーニュなどが3種類、十勝の若牛のトリッパなど、イタリアンらしいお料理が一口〜二口ずつ。美味しいものを少しずつ頂くのは、嬉しいですね!

その後、「とうもろこし、鰻」「熟成芋、唐墨」「渡蟹、白菜」とイタリアンとは離れたような食材名がメニューに続きます。そう、奥野シェフの「集大成」とおっしゃる意味は、シェフが今までに働いたり旅してきた国々で食べたお料理がインプットされ、イタリアンの枠を超えたイノベイティブなお料理としてアウトプットされていることだなと私は感じました。和はもちろんのこと、中華・韓国、中近東、メキシカンなどいろいろな地域のお料理のテイストが、さりげなく織り込まれています。しかしそれを強く主張することなく、全体で素晴らしいハーモニーを奏でてまとまっています。

メインは、二種類の牛肉の食べ比べ。一つは、北海道のホルスタインのサーロインをフライパンでパリッと焼いて、赤ワインソースで。もう一つは、鹿児島の黒毛和牛のヒレを檜のチップで焼いたもの。どちらも、先ほどの滋賀・サカエヤからの赤身のお肉で、噛むほどに旨味が出てきます。

その後、デザートの「豆乳、バルサミコ」「洋梨、根桂皮」と二つのデザートが続き、最後は「翔平」。・・・え、人の名前!?このデザートの名前の由来はお店でシェフに直接聞いてみてください。一皿のポーションが小さめなので、最後まで無理なく、美味しくいただくことができました。

アルコールペアリングをお願いしましたが、カリフォルニアのシャルドネ・イタリアのオレンジワイン・トスカーナの赤ワイン・和歌山県のクラフトビールや日本酒など、お料理に合わせて幅広い種類のアルコールが供されて、大満足。器が和のテイストのものが多く、プライベート感がある店内と相まって、とても落ち着きました。ご実家が日本料理店という奥野シェフにとって、和の器を使うことには違和感ないとおっしゃっていました。

月替わりでメニューが変わるとのこと。ミシュラン掲載店の一流シェフが毎日在店していて全力で作るコース料理が税込みで17,600円とは、お値段以上の価値があると言えます。予約が取りづらくなる前に、ぜひ訪問して、奥野シェフのお料理をご堪能ください!


DepTH Brianza(デプス ブリアンツア)
https://la-brianza.com/depth_brianza/

★W LIFE がスタートした時から寄稿いただいている「トラベルアクティビスト真里」さんの原稿はこれでちょうど99本目!次回の100本目は、多くの人には未踏の”世界の果てへ”。来月掲載の記事を乞うご期待ください。

Text /トラベルアクティビスト真里

世界中、好奇心を刺激する国々を駆け巡るトラベルアクティビスト。外資系金融機関に勤務の後、1年の3分の1は旅をする生活へ。ジョージア、バルト3国はじめ訪れた国は50カ国以上。日本中も巡り、行った先で出会った人、風景、食etc. 旅の醍醐味をレポートします。

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