私が東京と共に拠点としているアメリカ北西部オレゴン州のポートランドは、よくGreen city やRose city (まさに5月下旬から6月にかけてバラが満開。ローズパレードも行われます)と言われます。もう一つ、市の中央を流れるウィラメット川には、合計12もの橋がかかっていて「Bridge town 」という名前も。
そんなポートランドで、次から次に現れる橋を見ながら2時間ほどのリバークルーズを楽しめるのが「Portland Spirit Cruise」です。今年は30周年を迎え、ビールやワイン、チョコレートやコーヒーなどの様々なローカルベンダーが出展して楽しめるという記念のクルーズに乗船しました。船内には眺めのよいテーブル席が並び、食事を楽しみながらのクルーズが実に楽しく、おすすめローカルの味と共にご紹介したいと思います。
早速、2014年に創業の家族経営「CREO CHOCOLATE」でチョコレートのサンプラーや、日本にも出店していたことのある「BLUE STAR DONUTS」でかわいい一口サイズのドーナツをもらって、窓際に席をとりました。
川ではレガッタの練習をする人やボートもたくさん停泊しています。中には、水辺のドッグからそのまま乗船できるような邸宅もあって優雅。
ポートランドらしいのは、フードやドリンクのベンダーだけではなく、「Weird Portland United 」というちょっと変わったポートランドを守ろうというイベント開催などをしている団体がユニークなコスチュームで参加。風が気持ちのいいデッキでポーズを取ってくれました。
冬もポートランドを楽しもうという「Portland Winter Light Festival」などユニークなNPOなども出ているのもローカル愛を感じます。
もちろんポートランドと言えば…有名なクラフトビールやオリジナル焙煎のコーヒーも。
「Crux Fermentation Project」は「ボチボチ」というユニークなお米を醸造したビールも出しています。「Proud Mary Coffee」は美味しいコーヒー豆をサブスクで届けてくれます。
Portland Spirit の船内でオーダーできる食事は、値段も手頃でなかなか本格的な味でおすすめ。熱々のタコス3ピースが16ドル。グリルしたビーフにワカモレもたっぷりのって、ハラペーニョピクルスも添えられています。
「90年代風の格好で」というドレスコードで、古着を楽しんで着こなしている人やこんな可愛くて個性的なゲストも。
スタートが夕方6時で、戻ってきたのは8時。緯度が高いポートランドでは、まだ明るくて、たっぷり楽しめました。
ポートランドらしいのんびり楽しいリバークルーズ。水辺の風景が本当にきれいで、また季節を変えて乗船してみるのもよさそう。観光で来られてもおすすめのアトラクションです。
Portland Spirit Cruise https://www.portlandspirit.com/
ポートランドの最新情報:Travel Portland https://www.travelportland.com/ja/
Text /小野アムスデン道子
世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスへ。東京とポートランドを行き来しつつ、世界あちこちにも飛ぶ、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。インバウンド・コンサルタント。日本旅行作家協会会員。