沖縄へ
発酵づくしで最高の癒しを体感できるホテルに滞在

免疫力アップ、肌がきれいに、ダイエットなど、腸活や発酵はとても関心を集めていますが、「発酵」がホテル名になっているってどういうこと? 那覇から約30分の沖縄県中部、北中城村の丘の上にそのホテルはありました。

1972年、本土復帰前のアメリカの統治時代に県内初の外資系ホテル「ヒルトンホテル」としてオープン、その後、経営が変わるなどして1990年代終盤には10年以上放置され、朽ち果てた幽霊ホテルを、発酵の力(EM技術*1)によって、2005年に「コスタビスタ沖縄ホテル&スパ」として再生。2021年には、 “心と体の健康に気づく旅「ウェルネスツーリズム」”をテーマに、「暮らしの発酵ライフスタイルリゾート」としてリブランドオープンしました。

朽ち果てたホテルを壊さず、リノベーションして復活させました

50年以上前の建物とは思えないほど、食事、室内、浴場、スパ、アメニティなど、すべてが心地よく、最高の癒しを体感でき、身体の中から元気がわいてきました。

サンシャインファームの入り口には大きなバナナの木

食事はまさに心と体が喜ぶご飯、それもそのはず、車で5分の直営農場「サンシャインファーム」で、農薬、化学肥料、除草剤など一切使わずに季節の野菜を栽培しています。また卵は2000羽の鶏たちが毎日新鮮な卵を産んでくれます。体調を壊すほど悪臭がすると言われる鶏舎が、ほとんど匂わないないことに驚きました。EM技術による発酵の力だそうで、ストレスがなく腸内環境のよい鶏は美味しい卵をたくさん産むのだそうです。

ストレスの少ない環境で育つ平飼い鶏たちは、1日に約800個の卵を産みます

沖縄の伝統料理が並びます
食べたいものを選ぶだけでも楽しい朝食ブッフェ。発酵調味料や新鮮野菜を使った料理が最高です

朝食ビュッフェには、発酵スムージー、発酵ドレッシングとサラダ、発酵がゆなど、自家製の発酵調味料(塩麹・甘酒・醤油麹)を使った腸が喜ぶ体によい料理が並びます。発酵調味料の意外な組み合わせや使い方など、発酵好きな私にとっては、とても面白かったです。また「ニガナ白和え」「でーくにーのうさち」などの沖縄の長寿を支える伝統的な健康料理があり、スイーツは白砂糖を使わずに一から手作りしているそう。そしてヴィーガン対応メニューもありました。

部屋の清掃や館内着やシーツなどのクリーニングは、一切、合成洗剤を使わずにケミカルフリー、シャンプーや石鹸などもすべて無添加です。無料のランドリーにもケミカルフリーの洗剤が備えられています。そこまでの徹底ぶりが気持ちよい。各フロアに設置された発酵エキス配合のミネラルウォーターも飲み放題です。

大浴場の浴槽のお湯は少し白濁していて、乳酸菌や酵母などの微生物が作り出した発酵エキスを配合しているそうです。ミストサウナや岩盤浴も楽しめます。

さまざまな体験プログラムがあり、今回は、「朝の農園散歩」を楽しみました。直営農場「サンシャインファーム」で、バナナの木やパッションフルーツなどを観察したり、鶏舎を見学したり、ヤギにバナナの葉っぱをあげたり、畑のコツを聞いたり、あっという間の1時間でした。ほかにも、味噌や塩麴など発酵食品づくり、海の見えるテラスでの朝ヨガ、ミツバチの観察と採蜜体験など、ここでしかできない体験ができそうです。

発酵ホテル、私も含めて発酵大好きな人にとっては、ワクワクと興味が尽きません。そしてすべての人にとっても、日々の疲れを癒して、元気になれる~そんな心と体がよい状態になる場所です。

*1(EM技術)乳酸菌や酵母などの微生物(EM)の発酵の力を応用した技術。土の状態を改善し、世界中で農薬に頼らないサステナブルな農業の実現に貢献しています。ケミカルフリーの消臭・清掃などはケアにも応用されています。

取材協力/EMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾート

https://kurashinohakko.jp/

Text / 糸藤友子

リクルート→ベネッセ→ミズノを経て、現在は脳科学ベンチャーで、脳の可能性を最大化するためのサービス開発(【Active Brain CLUB】https://www.active-brain-club.com/)などを担当。認知症の知識や予防の技術を学び「認知症予防専門士」と、発酵の原理・歴史・効果などを学び「発酵マイスター」の資格を取得。脳腸相関に基づき、脳活と腸活による健康寿命の延伸をミッションとして活動中。

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