毎年恒例となった「ダイナースクラブ フランス パティスリーウィーク2024」が、7月1日(月)から7月31日(水)まで開催されます。「フランスレストランウィーク」のパティスリー版のイベントとして2021年にスタートし夏場のパティスリーの応援と伝統のフランス菓子を味わうというコンセプトから始まった夏のスィーツの祭典。昨年は北海道から沖縄まで230店舗が参加し、6万人以上が来店した夏のパティスリー巡りも4年目。今年は過去最高の301店が参加します。
今年のテーマは「サヴァラン」。「サヴァラン」とは?
今年の共通テーマは「サヴァラン」。『美味礼讃』の著者で、フランス人美食家として知られている ブリヤ=サヴァランに敬意を表して名付けられたフランスの伝統的な洋菓子です。形状はリング状が 多く(リング状でない場合は「ババ」と呼ばれることも)、シロップに浸されてしっとりした食感が特徴で、フルーツやホイップクリーム、ナッツなどがトッピングされています。シロップにはラム酒やアルマニャックを使うのが定番ですが、夏らしくジンやワイン、グランマニエなどを使ったものも登場します。参加各店が本イベントのために十人十色のオリジナル「サヴァラン」を特別に考案しました。
発表会に参加した10名のパティシエは:
・パティスリーモランジュ在原真琴氏
・メゾンジブレー江森宏之氏
・ガレガレ大澤智弥氏
・アンフィニ金井史章氏
・パティスリーレザネフォール菊地賢一氏
・パティスリーユウササゲ捧雄介氏
・レガレヴ佐藤亮太郎氏
・パティスリーショコラトリーレシィ寺貴視氏
・ルコワンヴェールパトリック・ルメル氏
・パティスリーサロンドゥテアミティエ三谷智恵氏
中央林間「MAISON GIVR.E」江森宏之氏
高知産スーパースイートコーン、タヒチ産のラム、ソワニエの生クリームを使用したサヴァラン。トッピングした焼き目の入ったとうもろこしが芳ばしく、すくって食べる楽しい形状が特徴です。
九品仏、銀座「INFINI」金井史章氏
石垣の黄金(くがに)パインを使ったサヴァラン。パインを生姜とバニラでポシェしたものに生地を浸し、モヒートのようなビジュアルに仕上げている。パインのコンフィチュールやココナッツのクリームが爽やかで夏らしい一品。
神楽坂「パティスリー サロン・ドゥ・テ アミティエ 神楽坂」三谷智恵氏
さくらんぼが主役のサヴァラン。さくらんぼの美味しさを表現した。ピスタチオのペーストはピスタチオ好きにはたまらない一品。
東白楽「Patisserie MORANGE」在原真琴氏
食べ切りサイズのショコラ風味を引き立たせたプチサヴァラン。
鎌倉「R.galez-Vous」佐藤亮太郎氏
ハイビスカスのシロップに生地を漬け込み、ヴィーガンバターを作る技法で胡麻油を個体にしチュールに入れてサヴァランの中に入れて生地の中へ。バターを全く使わないサヴァラン。パパイヤ、マンゴー、ドラゴンフルーツ、ココナッツアイスクリームと胡麻のチュールを添えて華やか。
これらの美しいサヴァランの背景には、フランスの歴史や文化が閉じ込められています。そのエッセンスを凝縮した「サヴァラン」でフレンチデザートの奥深さを堪能したいものです。
今回の「フランス・パティスリー・ウィーク2024」は、令和6 年能登半島地震による被災地支援につながるよう、石川県をはじめ北陸地方能登の支援を込めて、石川の日本酒や奥能登の塩、金沢の柚子等を使用したサヴァランも登場しています。
今年は美食評論家ブリヤ=サヴァランの名言、「君が何を食べるか言ってみたまえ。君が何者 であるかを言い当てよう」にちなんで、パティシエや一般のお客様が参加できる「スイーツ名言&推し活」企画も実施されます。
詳しくは公式サイトを参照: https://francepatisserieweek.com/
全国の参加店:北海道・東北 17 店、関東 179 店、中部 22 店、近畿 51 店、中国・四国 12 店、九州・沖縄
Text /佐保田 香織
総合商社→流通コンサルタントを経て幼い頃から親しんだ和の世界へ。きものサロンを主宰し、着付けのマンツーマンレッスンや着物イベントを企画。着物で食べ歩きをするなかでフードアナリスト資格を取得し、フードアナリストとして商品開発やメニュー開発、メディアでの情報発信など食の分野でも活動している。