大人女子を魅了するエンタメシティ・マカオの旅① 「マカオが冬旅におすすめの理由」 

そろそろ、この冬の旅のプランを練っている人も多いのではないでしょうか? トラベルライター永田さち子さんが週末の冬旅におすすめというのが「マカオ」。

「マカオ=カジノ」のイメージが強いかもしれませんが、近年はショーやアートを楽しめるエンターテインメントシティとして注目されています。一方で、ポルトガル統治時代の風情ある景色が残っていて、街歩きも楽しく大人女子も大満足の魅力がいっぱいなのだとか。

最新レポートも混じえながら、毎週末5回連続でマカオの魅力を紹介してくれます。第1回は「マカオが冬旅におすすめの理由」。

【直行便で約5時間。冬のマカオは日本の春】

じつは、ちょっとした“マカオ・マニア”の私。これまで春・夏・秋・冬それぞれの季節に訪れていて、いちばん快適だったが冬。日本の桜が咲くころよりちょっと暖かい気候で、昼間は半袖か薄手の長袖、夜はその上に軽く上着を羽織ればちょうどよく、何をするにも気持ちいい季節です。しかも、花粉症の心配はなし。これ、大きなポイントですよね。

1999年にポルトガルから中国に返還され、今年25周年を迎えたマカオは、香港と同じ特別行政区。90日以内の滞在ならビザは必要なく、マカオ航空の直行便を利用すれば日本から約5時間でアクセスできます。

マカオ航空の直行便は、成田空港第2ターミナルと、大阪・関西空港から発着。

直行便は成田空港と関西空港から毎日発着。成田空港第2ターミナルには、スイスポート(Swissport)が運営する「アスパイア・エアポート・ラウンジ(ASPIRE AIRPOT LOUNGES)」があります。搭乗前のひとときをここで過ごすのもいいですね。(※注意:ラウンジを利用できるのは原則、ビジネスクラス以上。詳細や条件は事前にご確認を)

一方、香港とは海上に架かる橋でつながっていて、空港間はバスで30~40分で行き来できます。つまり、2~3泊の週末旅にぴったりというわけなのです。

成田空港の「アスパイア・エアポート・ラウンジ」では、オリジナルカクテルや軽食を楽しめます。

通貨についてもサクッと紹介しておきましょう。独自の通貨がマカオパタカ(MOP)。香港ドル(HKD)も使えますが、香港でマカオパタカは使えません。為替レートを比較すると、1マカオパタカ=17.95円、1香港ドル=18.50円(2024年10月現在)。パタカのほうがちょっとだけお得ですが、ほとんど差はないので両替するなら香港ドルの方がなにかと便利。ただし、香港ドルで払ってもおつりはパタカで出てくることが多いので注意。「おつりは香港ドルでちょうだい!」と言うと、お店によっては対応してくれることもあるのだそう。ダメモトで交渉してみる価値はありそうです。また、クレジットカードを利用するときは、パタカを選択するといいでしょう。

●マカオ航空(AIR MACAU)

https://www.airmacau.com.mo/

●アスパイア・エアポート・ラウンジ(ASPIRE AIRPOT LOUNGES)

http://www.swissport.co.jp/aspire/

【モダン建築と歴史的な街並みの世界文化遺産が共存】

マカオの広さは、東京の杉並区とほぼ同じくらい。北から順に、中国本土と陸続きの半島部、そこから橋でつながっているタイパ島、埋め立てによって誕生したコタイ地区、いちばん南のコロアン島の4つのエリアがあります。世界文化遺産に登録されているポルトガル風の街並みと建築物が残るのが半島部、日本からの直行便が発着するマカオ国際空港があるのがタイパ島。コタイ地区には豪奢なカジノリゾートが展開し、コロアン島まで行くと昔ながらの漁村風景が広がります。

中国風とポルトガル風がミックスするタイパ島の官也街は、日本でいうなら原宿!?
スイーツ、おでん、麺類など、ファストフードの食べ歩きもお楽しみのひとつ。

坂が多く小さな路地は香港の路地裏みたいだし、ストリートフード店が並ぶ商店街はタイかベトナム。ヨーロッパの小さな町に迷い込んだかと思えば、その向こうにラスベガスのようにキラキラのビルがそびえ立つ。さらに、ミニチュアサイズのエッフェル塔や、運河の上にはゴンドラまであり、その景色は実に多彩。「おもちゃ箱をひっくり返した…」という表現がぴったりです。

半島側の景色を象徴するホテル「グランド・リスボア」は、蓮の花を模したデザイン。

半島部の旧市街にあり、マカオを訪れたら必ず訪れたいのが、世界遺産エリア内にある「聖ポール天主堂跡」。16世紀に建築されたアジア最大の教会でしたが火災で焼失し、現在は教会のファザード部分だけが残されています。正面から見る荘厳さに反し、横から見ると壁だけが残っていて、まるで映画のセットみたい。しかし、ファザードに刻まれた緻密な彫刻はぜひじっくり眺めてみたいもの。西洋の教会にはありえない狛犬のような彫刻もあり、東西文化が融合したマカオならではの光景です。

土産物店やストリートフード店が並ぶ小さな路地を抜けると、世界遺産地区の中心でもあるセナド広場に出ます(トップの写真)。夜のライトアップが美しいエリアで、ディナー前後の散策にもぴったり。治安の心配はなく、夜の街歩きが安心なことも、女性におすすめの理由です。

1602年に創建された教会。現在は壁面だけが残されていて、裏側に博物館とカフェがあります。

【エッフェル塔やトラファルガー広場も! オープントップバスでキラキラの夜景を満喫する】

朝・昼・夜、どの時間帯を歩いても楽しいマカオの街並みのなかでも、街中がライトアップされる夜の美しさは格別。新旧の街並みがミックスする光景や、ミニチュアのヨーロッパみたいな景色と、ラスベガスを思わせる大噴水ショーを座ったまま楽しめるのが、オープントップバスで行くナイトツアーです。

マカオタワーを眺めながら、半島とタイパ島をつなぐ橋を渡ります。

集合場所は、マカオと香港を結ぶフェリーが発着するマカオ外港フェリーターミナル。まず、半島部のユニークな形のカジノホテルが立ち並ぶエリアをぐるっと巡回。そこからバスはマカオタワーを眺めながら、タイパ島とつながっている橋を渡ります。この辺りは海を渡ってくる夜風が気持ちよくて、中国本土の珠海エリアも見渡せるスポット。

橋を渡り終えると、絢爛豪華なカジノリゾートと高層ホテルが目の前に迫ります。バスツアー最大のお楽しみが、「ウイン・パレス(Wynn Palace)」前の人工湖で催される噴水ショー。音楽と光、水が一体になったエンターテインメントは、マカオ名物のひとつ。ホテル内や目の前を行き交うスカイキャビン(ゴンドラ)からも見えますが、ショーの時間に合わせて場所取りをしたり、並ぶのはけっこう大変。その点、このツアーでは噴水ショーを真正面に眺められる絶好の鑑賞スポットに停車し、座ったまま鑑賞できます。

座ったまま噴水を眺められることも人気の理由。

乗車時間は約1時間。マカオの象徴的な風景をほぼ網羅できるから、マカオの旅が初めてならぜひとも体験してみてください。降車は、ショッピングモールやレストランがあるリゾートエリア。パリの街並みを模した「ザ・パリジャン・マカオ」、運河にゴンドラが行き交うベネチアを再現した「ザ・ベネチアン・マカオ」、ロンドンのトラファルガー広場の建築物を忠実に再現した「ザ・ロンドナー・マカオ」など、ヨーロッパのミニ旅行気分を味わえますよ。降車後はそのままディナーやショッピングに繰り出すといいでしょう。

「ザ・パリジャン・マカオ」のエッフェル塔は、本物の2分の1のサイズ。

●オープントップバス・ナイトバスツアー

https://www.macaonavi.com/tour/142

【マカオ初の鉄道LRTを乗りこなして“マカオ通”を目指す!】

マカオ観光に便利なのが、高速交通システム(LRT)。2019年に開通したLRTは、これまでフェリーターミナルとマカオ国際空港~主要なホテルが集中するコタイ地区を結ぶ路線でしたが、2023年12月に半島側まで延長されました。これまでバスやタクシーを利用するしかなかった世界遺産地区までのアクセスが、ぐんと便利になりました。

マカオ国際空港に隣接するLTRのステーション。トークンを購入しタッチして乗車します。

車両のイメージは、日本の「ゆりかもめ」。運賃は8パタカ~12パタカ。トークンを購入して乗車し、降車駅の改札を出るときに返却します。また、プリペイドカードを利用すれば運賃が半額に。車窓からはコタイ地区を代表するリゾートエリアのギャラクシーホテルや高層アパートも眺められて、ちょっとした観光気分を味わえますよ。

●マカオ高速交通システム(LRT)

https://www.mlm.com.mo/tc/index.html

始発はフェリーターミナル。空港を経由してタイパ島の主要スポットを巡り半島側まで アクセスできます。

マカオが週末の冬旅におすすめの理由がお判りいただけたでしょうか。次回は、ラグジュアリーからクラシックまでお好み次第で選べる、マカオのホテルクルーズへとご案内します。

協力/マカオ政府観光局 https://www.macaotourism.gov.mo/ja/

Text /永田さち子

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ライター・編集者。医学雑誌、スキー雑誌の編集を経てフリーランスに。旅行書、雑誌を中心に旅、グルメ、料理、健康コラムなどを執筆。ハワイに関する著書に、『ハワイのいいものほしいもの』『おひとりハワイの遊び方』『ハワイを歩いて楽しむ本』(実業之日本社)、『50歳からのHawaiiひとり時間』(産業編集センター)ほかがある。旅行情報サイト『Risvel(リスヴェル)』にコラムを連載中。http://www.risvel.com/column_list.php?cnid=6

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