美しき”渓谷の島”マウイ島へ 【前編:標高3,055m、ハレアカラ山頂の絶景】

ハワイ、といえば多くの人がイメージするのがワイキキビーチがあるオアフ島。でも今、注目されているのが、“渓谷の島”のニックネームを持つマウイ島です。この島には、海、山、渓谷の雄大な自然と、街歩きが楽しいスモールタウンに加え、高級リゾートが点在し、見どころは尽きません。今まで知らなかったハワイの景色に出合うマウイ島の旅を、前・後編の2回に分けてご紹介します。(TOP画像: Hawaii Tourism Authority(HTA)/Tor Johnson)

マウイ島の最高峰“太陽の家”を指す、爽快ドライブロード
マウイ島は大小二つの島をくっつけた、ひょうたんような形をしています。東側の大きな島のほうのほぼ中央にあるのが、島で最も高い標高3,055mを誇り、ハワイ語で“太陽の家”の名があるハレアカラ山。ここから海岸線に向かって広がるハレアカラ国立公園は、マウイ島で訪れてみたいスポットの筆頭。富士山とほぼ同じ3,000級超の高山でありながら、山頂まで車でアクセスできるのが大きなポイントです。

ハレアカラへ向かうドライブロード。雲の上のまだ見ぬ絶景に期待が高まります。

昼間はもちろん、サンライズとサンセット、夜の星空観測が魅力のハレアカラ山。今回、利用したのは、「マウイの星空のことは、この人に聞け」といわれているほど、天体観測に精通したYAMAPEE(ヤマピー)さんが主催する「Maui All Stars Tour(マウイ・オールスターズ・ツアー)」の「Haleakala Sunset & Stargazing Tour(ハレアカラ・センセット&スターゲイジング・ツアー)」。午後2時ごろホテル(または指定の集合場所)でピックアップ。途中、ローカルのカフェやスーパーマーケット、標高1,000mの高原地帯にあるロッジなどに立ち寄り、山頂を目指します。

地球の神秘と宇宙の静寂に包まれる時間

下界から見えるハレアカラ山は山頂が雲に覆われ、国立公園のゲート付近は霧で前方が見えません。本当にサンセットと星空を見ることができるのか心配していたところ、「山頂は雲の上だから、心配ないよ!」とYAMAPEEさん。その言葉通り、雲を抜けると山頂付近は快晴。山頂では、アポロ月面探査のリハーサルも行われたというクレーターを見学したり、ビジターセンター付近のトレイルをのんびり散歩したりして夕刻を待ちます。

ハレアカラ国立公園の入り口は、霧に覆われていることが多い。
山頂付近で見られる高山植物の銀剣草は、ハレアカラ・クレーター内にしか存在しないハワイの固有種。
ビーチリゾートのハワイとは思えない荒々しい光景が広がる山頂付近。HTA/Tor Johnson

夕刻が近付くと、YAMAPEEさんの“秘密のスポット”に場所を移し、途中のデリで買ってきたポケやサラダ、スナックを広げてディナータイム。360度視界を遮るものがない観測スポットからは、雲海の切れ間から下界の街が見下ろせ、遠くハワイ島マウナケアの山頂が見えることも。茜色に染まる空にうっすらと弧を描くのは、“地球の影”。不思議なほど風もなくて、無音の世界に包まれます。

雲海の上に薄紫色に見えるのが地球の影。今まで味わったことがない感動の瞬間

満天の星空を縦横に走る流れ星に願いを込めて

神秘の世界に浸っている間に、YAMAPEEさんご自慢の天体望遠鏡のセッティングが終わっていました。あたりがすっかり暗くなると、天体観測のはじまり。漆黒の空に天の川がくっきりと架かり、無数の星が散らばります。時折、一瞬の輝きを見せるのが流れ星。流れ星って、上から下へ流れるものと思っていましたが、標高が高い場所では左右に、そして下から上へ光の尾を引いて見えることを初めて知りました。

圧倒的な星の数に、時間を忘れて見とれてしまう。(写真提供:Maui All Stars Tour)

一方、大型GPSを装備した天体望遠鏡では、月面のクレーターや土星のリングも確認できました。季節によって観測できる星と星座の位置が変わることもあり、YAMAPEEさんの名解説に惹かれ、何度も訪れるリピーターが多いのだそうです。

ツアーを主催するYAMAPEEさん。ドライブテクニックと天体の知識の豊富は群を抜き、マウイ島でその名を知られた存在。

◎Maui All Stars Tour(マウイ・オールスターズ・ツアー)

ハレアカラ サンセット&スターゲージングツアー:大人(12歳以上)235ドル
※所要約8時間(ホテル送迎、日本語ガイド、温かい飲み物、防寒着付き)

https://mauiallstars.com/

ハワイ諸島への乗り継ぎがスムーズなハワイアン航空で、まだ見ぬハワイの旅へ

ハワイ諸島への乗り継ぎは、ハワイアン航空が断然スムーズ。

マウイ島までは日本から直行便が就航していないため、オアフ島ホノルルで飛行機を乗り継ぎ、マウイ島の玄関口カフルイ空港を目指します。今回、利用したのは、ハワイのローカルエアライン、ハワイアン航空。羽田・成田・関西・福岡からホノルルへ直行便が運航し、さらにハワイ諸島の各路線を網羅しています。国際線から島間移動への乗り継ぎがスムーズなうえ、アロハスピリッツあふれるおもてなしも魅力。ハワイアン・プリントのユニフォームを身に着けたスタッフから機内で「Aloha!」と迎えられた瞬間から、ハワイ気分を味わえます。公式サイトでは、ハワイの空港利用時のポイントや各島の最新情報、ハワイに関する興味深いトリビアなど、出かける前にチェックしておくと役立つ情報が満載。これもまた、ローカルエアラインならではの魅力です。

ホノルルで飛行機を乗り換え、マウイ島へ向かう機上からはダイヤモンドヘッドを上から眺められる。

もうひとつ、おすすめの理由が無料でサクサクつながらる機内Wi-Fi(国際線のみ)。機内の場合、なかなかつながらなかったり、通信速度が遅くイラつくことは少なくないのですが、そんなストレスは一切なし! 自宅やオフィスと変わらぬスピードで、ネット視聴やゲームを楽しめます。少しだけ贅沢をして、プレミアムエコノミーのエクストラ・コンフォートを利用すると、さらに快適な旅を楽しめますよ。

足元がゆったりしたエクストラ・コンフォート。ハワイの豆知識が広がる機内エンタメのほか、アメニティ、機内食もハワイ仕様。

◎ハワイアン航空 
https://www.hawaiianairlines.co.jp/
TEL 0570-018-011(ナビダイヤル 土・日曜を除く9:15~17:30)

Text/永田さち子
協力/ハワイ州観光局

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ライター・編集者。医学雑誌、スキー雑誌の編集を経てフリーランスに。旅行書、雑誌を中心に旅、グルメ、料理、健康コラムなどを執筆。ハワイに関する著書に、『ハワイのいいものほしいもの』『おひとりハワイの遊び方』『ハワイを歩いて楽しむ本』(実業之日本社)、『50歳からのHawaiiひとり時間』(産業編集センター)ほかがある。旅行情報サイト『Risvel(リスヴェル)』にコラムを連載中。http://www.risvel.com/column_list.php?cnid=6

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