東京の中心地・銀座に狩野画塾ゆかりの地に2021年に開業した「ホテルグランバッハ東京銀座」。J.S. バッハの心を満たす音楽がかかるなか、2025年5月29日（木）まで、ホテル１階のレストラン「Wald Haus（ヴァルト ハウス) -森の家-」では、ウェルネスキュイジーヌ 「シンフォニー・オブ・ウェルネス」 を楽しむことができます。ランチは全5皿で約760キロカロリー、ディナーは７皿で約960キロカロリーと栄養バランスをかなえたフレンチのコース。罪悪感なくフレンチを堪能できる、その内容をレポートします。

料理監修には2か月先まで予約待ちの人気レストラン「Kotaro Hasegawa〈DOWNTOWN CUISINE〉」のオーナシェフ長谷川幸太郎氏を迎え、さらにホテル料理長の北島貞治氏、管理栄養士の資格を持つウェルネスフード・コンシェルジュ大島瑠梨子氏の３人が１年ぐらい前からタッグを組んで試行錯誤を重ね、できあがった心身ともに癒されるコース料理はシンフォニーを奏でています。

シェフの創造力とウェルネスフード・コンシェルジュの健康への想いを重ね合い、美味しさはもちろん、栄養バランスをきめ細やかに整えています。乳製品を控えめにする一方、不足しがちなカルシウムを補うために、おかひじきを使うことを栄養管理士がシェフに提案するなど、まさに3人のプロフェッショナルが手掛けたヘルシーバランスが調和したコースになっています。

「春の芽吹き　春野菜とヴィーガンチーズのタプナード」

コースのはじまりは、上段は土から芽が出ている様子を表したアミューズ。下の段には、旬の山菜や春野菜が10種類も使われているサラダが入っており、タプナードソースと一緒にいただきます。にんじんとサジー（グミ科の植物）のドレッシングもかかり、発酵食品である味噌も使われています。ベジファーストを意識しており、パンはあえてゆっくりめに提供をしているそうです。

「グリンピースのエスプーマ　レタスとベーコンのサラダ」

砂糖が入っているかと思わず聞いてしまうほどのグリーンピースの甘みが口いっぱいに広がり、ライムの皮で香り付けされたエスプーマには、昆布だしの深い味わいや花穂紫蘇が目にも鮮やかです。

「信州サーモンの低温調理 ヴァンジョーヌのサヴァイヨンソース」

魚の種類ごとに調理の温度を変えているそうで、今回の信州サーモンは42度で調理され、 口の中でとろけるほどの食感。バターなどの乳製品は使わずに昆布だしなどで味わいをつけています。

「塩麹でマリネした豚のロースト　新じゃが芋と新玉ねぎ　ソースディアブル」

塩麹で下味をつけて、柔らかく仕上げたヒレ肉は低脂肪・高たんぱく。フォンドボーと白ワイン、ブラックペッパーのパンチの効いたソースが食欲をそそります。

目にもとても美しく、さらに健康にも嬉しい低カロリー、季節感を感じる新鮮な旬の食材 をふんだんに使ったフレンチ。ベジタリアンやビーガンの方に向けてのメニューもあって、通常のメ ニューを頼んだ人と同席でも気兼ねなく楽しめるよう盛り付けも同様にして、配慮されて います。

こちらのメニューでは、フムス、お漬物のように発酵したカブ、クミンなどのスパイスもパンチが効いていてベジタリアンでなくとも、次回はこちらのメニューで訪れたいと思いました。

「ヴィーガンショコラのムースリーヌとおからのビスキュイ　抹茶のアイス」

ひよこ豆の煮汁を使っていて、しっかりとコクが出ていて、ヴィーガンとは感じさせない満足感。料理長が前菜からデザートまでをトータルで考えて作っているからこそ、ひよこ豆の煮汁を使ってみようという発想も出てくるのだと思います。目にも美しく、身体に春のやさしい風を感じる爽やかな料理はとてもおすすめ。

アルコール・ノンアルコールのお酒のペアリングのほか、ロンネフェルト社に認定されたシルバー以上の資格を有したティーマスターが、厳選した希少なお茶を使ったティーペアリングも楽しむこともできます。食後には、茶葉を見ながら、自分好みの味わいのお茶を選ぶことができます。

お泊まりも「ホテルグランバッハ東京銀座」は、コージーでスマートな客室が144室。部屋 に入るとバッハの「G線上のアリア」が流れてきてスクリーンが上がり、銀座の景色が目 の前に広がります。サータ社のベッドとバッハの音楽がウェルネスな時間と深い睡眠に誘ってくれます。

シンフォニー・オブ・ウェルネス
レストラン「ヴァルト ハウス」(ホテルグランバッハ東京銀座1階)
ランチコース4,840円、ディナーコース9,680円
所在地: 〒104-0061 東京都中央区銀座5丁目13−12

ホテルグランバッハ東京銀座
https://www.grandbach.co.jp/ginza/

Text / 酒・食・旅・文筆業 磯部らん

コミュニケーションやマナーに関するビジネス本を多数出版。とくに発展途上国 が好きで、アマゾン川でピラニア釣り、南インドにドーサを食べになど、好きなこ とをしに海外をひとり旅する。日本酒利き酒師。http://isoberan.com