残暑の名残に一服の涼 【オーロラ便り①】今年の冬はチャンス!

ー世界を駆け巡るトラベルアクティビスト真里さんが、まだまだ残暑が残る日本に一服の涼を…ということフィンランドで観たオーロラについて寄稿してくれましたー

「一度はオーロラを見てみたい」と思ったことがある方は多いのでは?私もその一人。南極にも北極点にも行ったこともある私ですが、どちらの時も現地が夏で白夜で空が暗くならず、オーロラを見たことがありませんでした。2024年〜2026年は、11年周期で変わる太陽の活動の極大期となっており、オーロラが見えやすいピークの期間と言われています。今が極大期と言われたら行ってみるしかありません!オーロラは「オーロラベルト」と言われる北緯65度〜70度のあたりが一番よく見えるそうです。具体的には、アラスカ・イエローナイフなどのカナダ北部・スカンジナビア半島北部・アイスランドなどです。日本から直行便があるなどの利便性も考慮し、2025年1月、真冬のフィンランドへ行くことにしました。

機内から見えてしまったオーロラ

フィンランドには何度も行ったことがありますが、真冬は初めて。深夜の羽田空港を飛び立ち、北極点近くを飛びフィンランドに向かう航路です。フライトの後半、もうすぐヨーロッパ圏に入る頃に、CAさんに「オーロラが見えていますよ」と声をかけられました。機内が明るいので、ブランケットを頭からかぶって窓にくっつき、自分の頭の周りを暗くして外を見てみると・・・見えました!緑色のカーテンのようながオーロラが飛行機と同じような高さに見えます!フィンランドに着く前に今回の旅の目標達成してしまったのかと一人で笑ってしまいました。

トランジットのヘルシンキ空港にて
イヴァロ空港

ヘルシンキ空港でトランジットをし、フィンランドの北部地域「ラップランド」と呼ばれる地方にあるフィンランド最北の空港イヴァロに到着しました。空港に降り立つと、正午過ぎだというのに、地平線からわずかに高いところに太陽があり、弱々しい光を放っています。この調子では午後の早い時間には陽が沈み、暗くなってしまいそうです。イヴァロ空港から一番近い街Saariselka(サーリセルカ)の近くの山の上にあるホテル《Star Arctic Hotel》に宿泊します。スキー場のすぐ横にあるこのホテル、事前の問い合わせにもスムーズに丁寧な返信が来て、宿泊前から安心できました。お部屋はこぢんまりとしたメゾネットタイプで居心地よく、レストランでのお食事も美味しく、とても気持ちよく滞在することができました。

Star Arctic Hotel
Star Arctic Hotelでのディナー

冬のフィンランド北部では、オーロラ観測ツアーを開催しているツアー会社がいくつもあります。多くのホテルのHPで”Activity“として案内していますので、そこから申し込みすることが一番簡単かと思います。私もStar Arctic HotelのHPから”Aurora Hunting”を選択して、申し込みました。オーロラは、太陽の活動が活発な時に見やすいことはすでにお伝えしましたが、もう一つの、そして最も重要なポイントは「晴れている」ということです。いくら太陽の活動が活発でも雲が空いっぱい広がっていたらオーロラは見られません。

私は日本を出発する1週間前くらいからサーリセルカの天気予報をチェックし続けて、確実に晴れているのが到着した当日の夜しかないということがわかり、日本を出発する2日前にオーロラハンティングのツアーの申し込みをしました。「オーロラを見るために、何百キロでも車を走らせます」とうたっている会社が多く、お天気が悪い日は雲の切れ目を探してフィンランド中を駆け回ることもあるそうです。それでもやはり、オーロラを見る可能性を上げるには、快晴の日にツアーに参加するのが一番です。あまり早いタイミングでツアーを申し込んでしまうと天気予報も変わってしまうし、ギリギリだと満席になってしまうこともあるので、申し込みのタイミングが難しいですね。

ホテルに到着して、休憩。早めのディナーを済ませた後の夜21時。オーロラハンティングに出発です。大型バスが迎えにて、この日は快晴予報ということで満席です。マイナス25度ぐらいの気温ですので、暖かい服装に加え、帽子や手袋・耳当てなども身につけ、準備万端です。20〜30分ほど走ったでしょうか。バスは真っ暗な場所で止まり「ここでオーロラをみます」と言われました。周りは真っ暗。ここは人里離れた湖。完全に凍結していますので、歩き回っても大丈夫。

スタッフに「あれがオーロラです」と言われて空を見上げると・・・真っ白い帯状の、太めの飛行機雲のようなものが地平線の端から端まで伸びています。ふわふわと形を変え、その向こうに星も見えるので、これは確かに雲ではありません。人の目の構造上、オーロラが白く見えることもあるそうです。そのうち、地平線付近に緑色のオーロラが出現しました。こちらは私がイメージしていた通り、空から吊り下がったカーテンのようで、揺らいでいます。ところどころ赤から紫色に変化しているところもあります。空のあちらこちら、いっぱいに広がるオーロラ。この日は出現の大当たりの日でした。寒さも忘れて、1時間ほど空を見上げ続けていました。刻々とその表情を変えるオーロラは、ずっと見ていても全く飽きず、また宇宙の神秘を感じる時間でした。

1週間程度フィンランドに滞在しましたが、オーロラが一番見えた日はこの初日でした。その後は天候が今ひとつだったり、快晴であるにも関わらずなぜかオーロラの出現がなかったりと、自然相手のことですから、運にも左右されるようです。

ー次回は、オーロラだけでない極北フィンランドならではのアクティビティについて。


Text /トラベルアクティビスト真里

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世界中、好奇心を刺激する国々を駆け巡るトラベルアクティビスト。外資系金融機関に勤務の後、1年の3分の1は旅をする生活へ。ジョージア、バルト3国はじめ訪れた国は50カ国以上。日本中も巡り、行った先で出会った人、風景、食etc. 旅の醍醐味をレポートします。

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