アラ還女がバイクで爆走!?  イリノイ「ルート66」爆笑旅行記:その②

参加してみればサバイバル!?

出発2週間前に送られてきた「旅程表(仮)」を見て絶句。

参加者全員がシカゴでバイクを借り、ルート66沿線の名所を巡りながらセント・ルイスまでの約400kmをほぼ終日走り切るという、5泊6日“ガチの旅”でした。

(やばい・・・でもここまできたらやるっきゃない!)

Day1:6月19日 
シカゴ ~ ポンティアック(Pontiac):約172Km

7AM シカゴ某所。

集まったのはブラジル、イタリア、ポルトガル、インド、クロアチア、英国、チリなど世界各国の男性11人と、同乗者1名を含む女性3人。各人がバイクのオーナーからマシンのクセや扱い方について軽いレクチャーを受けたのち、早速出発。

ナビゲーターのハーレーの後を11台が走り始めたもつかの間、信号で集団がばらけ始め、ふと気付くと後ろを走るインド人の男性参加者と私の二人旅に。

(ありえへん!)

シカゴ市内を走行中。満面の笑顔で自撮りをするイタリアのジャーナリスト、マックスのうしろを必死でついていく私。一般道が一番怖い。(Photo by Massimo Terracina)

仕方なく自分の携帯のナビをセットし、最初の予定地である「ジョリエット刑務所」へと、ハイウェイをぶっとばす。

爆速で走り去る大型車輛の圧を感じながら、時速55~65マイル(約90~102キロ)を慎重にキープ。最高にスリリングな人生初のハイウェイ・ライドを楽しみました。

ハイウェイで見かけるのはほとんどが1000cc以上の大型バイク。というのも、大型ほど安定性が高く、特に横風に煽られがちな長時間ライドには向いているからです。

私も実際に750ccバイクに乗ってみてそれを実感。中型バイクよりもバランスがとりやすいので、走るほどに安心感が増していきました。

(お、これならいけるぞ!)

ジョリエット刑務所にて。映画『ブルース・ブラザーズ』の冒頭シーンに登場したことでも有名。毎日多くのツアー客が訪れる。

ジョリエットはシカゴからバイクで約45分、イリノイのルート66の重要な中継地として知られ、「ジョリエット歴史資料館」や、イリノイゆかりのミュージシャンに関する展示が秀逸の「イリノイ・ロックンロール博物館」など、見どころの多い街。アメリカ中西部のレトロな街の雰囲気も存分に楽しめます。

アメリカ音楽史好きにはたまらない「イリノイ・ロックンロール博物館」

マシントラブル、そして・・・

ジョリエットを後にして次に向かうは、ウィルミントン(Wilmington)。

しかしここでエンジンがかからないというトラブル発生。実は今朝もバッテリー不良があり不安をかかえながらの出発でした。

仕方なくバイクは修理後すぐ届けてもらうことにして、とりあえず最後尾を走るバンに乗り込み先発隊とランチ合流。

ウィルミントンの「Nelly’s」はハンバーガーとソウルフードが人気のダイナー。建物内には地ビールのブリューワリーもある。

その後国道55号(旧66号)をひたすら南へ、本日最終目的地のポンティアック(Pontiac)を目指します。

ポンティアックは、ダウンタウンエリアに博物館、壁画や屋外アート、レストランなどが集まった、コンパクトで歩きやすい典型的な中西部の町。

一番の見どころは、ルート66をこよなく愛したアーティスト、ボブ・ウォルドマイヤー(Bob Waldmire:1945-2009)のレガシーや、ルート66の歴史を物語る品々が展示されている「イリノイ・ルート66殿堂博物館」。中をぐるりと見て歩くだけでも、これからの旅の気分が盛り上がります。

ボブ愛用の1972 年製フォルクスワーゲン・マイクロバス。
(写真上)ルート66全区間が記された長さ約20mの壁画は、ボブが亡くなる前にデザインしたもの。
(写真下)博物館の前にはルート66で最大の壁画やモニュメントがあり、人気の写真スポットになっている。
夕食後、近くの公園で行われていたアメリカの田舎らしい夏祭りに遭遇。地元の若いバンドが演奏する70年代ロックに合わせシニア世代が踊り狂う。

波乱の幕開けとなった旅の初日は、ここポンティアックでなんとか終了。

明日になればバイクも届くだろう。期待を胸に、旅は続きます。

(その③につづく)

★本日のルート

シカゴ→ジョリエット→ウィルミントン→ドゥワイト→ポンティアック

取材協力/

イリノイ観光局(Illinois Office of Tourism):enjoyillinois.com 

ヘリテージ・コリドー(Heritage Corridor):HCDestinations.com

Text /長野 尚子  

フリーライター、編集者。(株)リクルートの制作マネージャー&ディレクターを経て、早期退職。アメリカ(バークレー)へ単身“人生の武者修行”に出る。07年よりシカゴへ。シカゴのアート&音楽情報サイト「シカゴ侍(www.Chicagosamurai.com」編集長。四国徳島とシカゴの架け橋になるべく活動中。著書に『たのもう、アメリカ。』(近代文芸社)。http://www.shokochicago.com/ 日本旅行作家協会会員。


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