*前回は、美しい空の写真がいっぱい【オーロラ便り①】
オーロラを見に行くのは夜もある程度更けて、真っ暗になってからです。昼間は何をすればいいのでしょう?そして、せっかくフィンランドに行ったのに、もしオーロラが出現しなかったら、旅行の思い出は何で作ればいいのでしょう?実は、北欧ならではの楽しいアクティビティがたくさんあります。

まず私が申し込んだのは、「犬ゾリ」。2人1組になって、1人は座席に座っているだけ、もう1人はソリの後ろで立っていてブレーキをかけたり、上り坂では犬を手伝ってソリを押したりします。一台のソリを青い目をしたシベリアンハスキーが6頭ほどでソリを引いてくれます。スタート前にスタッフに言われたのは、「一度犬が走り出したら、なかなか止まりません。ソリの後ろにいる時に振り落とされたら、歩いて帰ってきてくださいね」….そして、私は思い切り、置いていかれました!
上り坂で犬をサポートしようとソリから足を下ろし押しながら歩いていたら、足がもつれて転び、そのまま犬ゾリは座ったままの人を乗せて、どんどん先へ・・・途中で、先頭を走っていたスタッフが気づいてくれて、全体にストップをかけ、私が徒歩で歩いてくるのを待っていてくれました。そんな失敗もありましたが、それも思い出。犬ゾリはかなりのスピードで真っ白に雪景色が広がる森の中を走り抜け、ハスキー犬の健気さも加わり大いに楽しむことができました。ソリを降りた後は、犬に「いっぱい走ってくれてありがとう!」と声をかけて、撫でてあげました。ハスキー犬はとても人懐っこく、お腹を出して甘えてきたりして、さっきまで逞しくソリを引いていた姿と全く違う様子を見せてくれました。


あまりにも楽しかったので、イヴァロの後に滞在したラップランド地方の州都であるロバニエミという街でも再び犬ゾリのアクティビティに参加しました。こちらではアラスカンハスキーというちょっと秋田犬に雰囲気が似た犬たちがソリを引っ張ってくれました。完全に凍った川の上をすごいスピードで飛ぶように走り、その向こうには今にも沈みそうな低い太陽。北欧の冬を実感しました。


イヴァロでは、さらに「トナカイゾリ」のアクティビティにも申し込みました。トナカイに引いてもらうソリに乗るのは、サンタクロースのイメージと重なり、とても楽しみにしていました。トナカイゾリの場合はただ席に乗っているだけ、犬ゾリの時のようにブレーキをコントロールしたり上り坂で押したりする必要はありません。トナカイはとてもゆっくり歩くようにトレーニングされていてほぼ人間の徒歩のスピードと変わりません。スタッフが横に歩きながらついてきて、方向などが間違わないようにサポートしています。木々の間を飛ぶように走り抜ける犬ゾリのようなスリルはありませんが、トナカイゾリでは雪に埋もれた森の景色をのんびりと楽しむことができ、幻想的な時間を過ごすことができました。ソリを降りた時にトナカイを撫でようと思い手を伸ばしたら、スタッフに止められました。犬は“コンパニオンアニマル”と言われるように“家族”のような位置付けですが、トナカイはあくまでも“家畜”なのかなと感じました。

オーロラを見るには、「快晴」「新月に近く空が暗い」「太陽の活動」などいくつかの条件がありますが、それを満たしたとしても見られないことも多いようです。その代わり、「犬ゾリ」「トナカイゾリ」、加えて「スノーモービル」など様々なアクティビティがありますので、ホテルのHPなどで見比べて申し込んでみると良いと思います。北欧名物のサウナを貸切できるホテルなどもあります。ロヴァニエミには有名な「サンタ村」がありますので、お買い物をしたり、ラップランド地方の美味しい焼きチーズに舌鼓を打ったりと、北欧の冬を別な形で堪能できますよ。



今年の冬も、まだ太陽の活動の極大期ですので、オーロラを見に旅に出てみませんか?夏の終わりの今のタイミングが、冬の海外旅行をプランニングするのにベストなタイミングですよ!!

Text /トラベルアクティビスト真里

世界中、好奇心を刺激する国々を駆け巡るトラベルアクティビスト。外資系金融機関に勤務の後、1年の3分の1は旅をする生活へ。ジョージア、バルト3国はじめ訪れた国は50カ国以上。日本中も巡り、行った先で出会った人、風景、食etc. 旅の醍醐味をレポートします。