アラ還女がバイクで爆走!? イリノイ「ルート66」爆笑旅行記:その③

Day2620

ポンティアックスプリングフィールド(Springfield):約169Km

「今日はバイクに乗れるぞ!」とウキウキで迎えた朝、スタッフから衝撃のひと言が。
「残念ですが、あなたのバイクはもうここには届きません」

「W〇■▽★!?」

話を端折ると、私のバイクはあのまま“お蔵入り”になり、代わりのバイクも手配できないという。
猛抗議も空しく、私は残りの日程をバイクなしで移動する選択を強要されたのでした。

(馬鹿にしないでよ!そっちのせいよ)・・と心の中でプレイバック・パートⅡ。

このツアーのためにいったいどれほどの準備をし、体調を整え、決死の覚悟で臨んだと思ってるんだか。
でもまぁ今日は雨だ。抗議を続けて明日にはなんとかしてもらおう。

時おり砂利道があるものの、国道は舗装されており安全に走行することができる。(仲間たちをバンから涙目で撮影)

今日最初に立ち寄ったのは、イリノイ州・アトランタ(Atlanta)。
この町の名物は、あちこちに立っている謎の巨大スタチュー「アメリカン・ジャイアンツ(巨人像)」。

元は広告アイコンとして作られていたもので、ルート66沿線でもところどころに出現します。

アメリカン・ジャイアンツ博物館(American Giants Museum)」では、“引退”した様々な像を見ることができます。

グラスファイバー製で高さは5~7m。左上はその“初号機”(1962)のハンバーガーを持ったPaul Bunyan像(と小さい私)。写真下は、博物館。

アトランタからは一路、イリノイ州都のスプリングフィールドへ。

地元でも有名なBBQレストラン「The Stadium Smokehouse Bar &Grill」で腹ごしらえ。今日も肉・肉・肉!

店のオーナーは大のジョニー・キャッシュ好き。店内にも貴重な品々が。
イリノイ州出身の第16代大統領リンカーンの生い立ちから大統領時代、南北戦争、暗殺の場面などがリアルに展示されている
アブラハムリンカーン大統領図書館・博物館 (Abraham Lincoln Presidential Library & Museum) 」は必見。

波乱に満ちた二日目の締めくくりは、ダウンタウンから南に約10Km、国道沿いにある博物館&レストラン「モーターヘッズ」。オールドアメリカを堪能できるグッズに囲まれ、旅の気分が高まります。

しかし、私の心は晴れぬまま・・。私の抗議はついに覆されることはなく、バイクなしで旅は続くのでした。

クラシックカーやヴィンテージバイク、アメリカンレトロな雑貨類が無造作に集められた博物館兼レストラン「モーターヘッズ・バー&グリル(Route 66 Motorheads Bar & Grill, Museum and Entertainment Complex)」は、ルート66旅で絶対にはずせない場所。

★本日のルート

ポンティアック→アトランタ→スプリングフィールド

Day3: 621日 

スプリングフィールド ~ コリンズビル(Collinsville):約180Km

バイクに乗れないショックで落ち込んていた私を気遣って、仲間たちが「俺の後ろに乗るかい?」と声をかけてくれる。
バイクツアーに申し込みながらバイクに乗れない悔しさを一番わかってくれている人たち
「じゃ、私がその日の男を選ばしてもらいますわ!」とジョークで笑わせて、イタリアン“ボス”マックスのハーレー後部で旅を続けることに。

自分で運転はできないにしろ、やはりバイクで直に感じる風は最高。少しだけ、夢がかなった瞬間でした。バイク仲間万歳!

山がないイリノイのルート66。平坦なコーンフィールドが続く。

今日は見どころも多く、走る距離も時間も一番長いタフな日。おまけに記録的な熱波がイリノイ南部を襲い、体感温度は40℃を軽く超えていました。走行中はまだしも、ストップすると灼熱地獄。

サバイバーたちと、「ピンクエレファント」前で。

ひたすら南下を続けること約1時間、右手に見てきたのはルート66の名物お土産モール、「ピンクエレファント・アンティーックモール」。種々雑多なアメリカン・アンティーックを集めた巨大モールで、入口にあるアイスクリーム屋さんの巨大アイスは特に有名。

モールでは“アメリカン”なものたちがお出迎え。
ちょうど開催中のクラシックカー・ショウではアメリカン“ピンナップ・ガール”たちの写真サービスも。

★本日のルート

スプリングフィールド→カーリンビル→リッチフィールド→リビングストン→コリンズビル

Day4: 622日 

コリンズビルグラフトン(Grafton)~セント・ルイス(St. Louis):約76Km

ツアー最終日は移動距離も少な目。

記録的熱波が続く中、最初の目的地は中西部唯一のNascarのサーキット場、「ワールドワイド・テクノロジー・レースウェイ」(World Wide Technology Raceway)。今回特別に開放された外周コースをバイクで疾走するという唯一無二の体験に、一同大興奮でした。

NASCAR、INDYCAR、NHRA、フォーミュラ・ドリフトなど、トップイベントを主催するサーキットを時速120Kmで爆走する快感!

このあと我々はルート66から少しだけ離れ、ミシシッピ川沿いの小さな町、オールトン(Alton)へ立ち寄りました。

レトロでチャーミングなダウンタウンにはクラフトショップやアンティーックショップ、陶器工房などが軒を連ね、ぶらぶらとショッピングが楽しめます。

最終日の宿は、ミシシッピ川とイリノイ川の合流点に位置し、「ミッドウェストで最も美しい景色」を誇るイリノイ州グラフトン(Grafton)にあるリゾート、「Aerie’s Resort(エアリーズ・リゾート)」。

川の向こうはミズーリ州。雄大なミシシッピ川を眼下に眺めながら飲む地ビールのおいしいこと!

6日間お世話になったバイクは、ここでトレーラーに積みこまれてシカゴへリターン。

我らのイリノイ州「ルート66」バイク旅も、これにて終了。明日の朝にはまた自国へと帰っていく同士たちと、今夜は最後の杯を交わします。

不運はあったものの、怪我無く終われたことにまずは感謝。なにより素晴らしい仲間たちと知り合えたこと、こんな機会を得られたことに。

イリノイ「ルート66」の続き(ミズーリ州~カリフォルニア州)は、次のバケットリストに入れて必ずやりとげなきゃ。
目標は66歳!?

<完>

★まだまだ紹介しきれなかったフルリストは以下のサイトにて近日公開予定です。

シカゴ侍:ChicagoSamurai.com

★取材協力
イリノイ観光局(Illinois Office of Tourism):https://www.enjoyillinois.com/
ヘリテージ・コリドー(Heritage Corridor):https://hcdestinations.com/
アトランタ観光局(City of Atlanta, Illinois):https://atlantaillinoistourism.com/
グレート・リバーズ&ルーツ(GREAT RIVERS & ROUTES TOURISM BUREAU):https://www.riversandroutes.com/
バイクレンタル「ツィステド・ロード」(Twisted Road):https://www.twistedroad.com/

Text /長野 尚子  

フリーライター、編集者。(株)リクルートの制作マネージャー&ディレクターを経て、早期退職。アメリカ(バークレー)へ単身“人生の武者修行”に出る。07年よりシカゴへ。シカゴのアート&音楽情報サイト「シカゴ侍(www.Chicagosamurai.com」編集長。四国徳島とシカゴの架け橋になるべく活動中。著書に『たのもう、アメリカ。』(近代文芸社)。http://www.shokochicago.com/ 日本旅行作家協会会員。


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