世界で最も予約の取れない伊シェフが大阪に!日本・大阪愛を熱く語る

 「世界のベストレストラン50」で二度も世界一を獲得した「オステリア・フランチェスカーナ」のオーナーシェフ、マッシモ・ボットゥーラ氏が来阪!

会場はホテルニューオオタニ大阪

大阪で開催中の関西万博を記念し、大阪の豊かな歴史や文化を国内外へ発信する『大阪来てな!キャンペーン』。

その特別企画『Top Chef in OSAKA 2025』(トップ シェフ イン 大阪)ではホテルニューオオタニ大阪を会場に、世界的にも著名なイタリアの巨匠 マッシモ・ボットゥーラ氏が来阪し、泉州タマネギや大阪産ワインなど地元大阪の食材を活用した特別なメニューを提供する期間限定のレストランイベントを開催しました。記者発表会の様子をお届けします。

 このイベントでは9月9日~14日までで、ランチとディナーの1日2回、シェフご本人が率いるチームによってお料理が提供されました。

価格は10万円とさすが世界一流シェフのお値段ですが、またとない機会とあって関西だけでなく全国から予約が入ったそうです。

9月11日の記者会見にはボットゥーラ氏のほか、吉村洋文大阪府知事、大阪市の横山英幸大阪市長、さらに大阪食材の生産者さんたちも同席され、大阪を挙げてのイベントを盛り上げていました。

向かって左から横山大阪市長、マッシモ・ボットゥーラ氏、吉村大阪府知事

 会見でボットゥーラ氏は「ご存じの方も多いと思いますが、私は日本を心から愛しています。なぜなら、私のレストランに25年以上前から日本人の料理人が働いていますが、彼らの食材に対するマニアックなまでの姿勢に感銘を受けました。素材に対するリスペクトが際立っているのが日本の料理人だと思っています。」と日本への熱い思いを最初に述べられました。

そして「実は大阪は初めてでした。数日前に初めて訪れて、この町のユーモア、食文化、アートに非常に感激しました。そういったものを今回のメニューに反映したいと強く感じ、元々考えていたものをすべて一からやり直しました。そして、このメニューに私は新たなタイトルをつけました。“Vieni a Osaka com me.”(僕と来てな!大阪へ)です!」とキャンペーン名に寄せて名付け、自分の料理で大阪を旅しているような気持ちになってほしいと挨拶をされました。

Vieni a Osaka com meコースメニューより(左)「グラニャーノから大阪へ 」ハマグリや赤ウニなどを使い大阪流カルボナーラに。(右)「おっと!レモンタルトを落としちゃった」大阪の唐辛子オイルを合わせたレモングラスのジェラート

当初はカルボナーラをと考えていたところ、大阪の寿司店で瀬戸内のウニに感動してこのパスタに取り入れたり、ハマグリを軽く燻製した貝の出汁を使ったクリーミーなソースを氏はゲストの前で一皿一皿丁寧にかけて仕上げたそうです。

(左)「ラザニアの端っこのカリカリ部分」、
(右)ビューティフル・サイケデリック 炭火で焼き上げた黒毛和牛、絵画のように鮮やかな彩りで

 

もう一品、『ラザニアの端っこのカリカリ部分』と名付けたメニューは氏の子ども時代の思い出が詰まっています。毎週日曜、家族が集まるランチでは祖母がラザニアを作ってくれた、その端っこのカリカリした部分を兄弟たちと取り合いした懐かしい記憶がベースだそうです。

このラザニアのミートソース(ラグー)も和牛フィレの端材を使用し食品ロス軽減を意識。氏の哲学は大阪でもしっかりと表現されていました。

会見に駆けつけた吉村大阪府知事は「かつて大阪は『天下の台所』と呼ばれ、様々な食材がこの大阪の町に集まり、そこから多様な料理文化が生まれてきた歴史があります。そして『大阪産(もん)』と呼ばれる素晴らしい食材も数多くあります。世界が一つになる大阪・関西万博という舞台でこうした素晴らしいコラボレーションが出来たことを心から嬉しく思います。」とボットゥーラ氏に改めて感謝の意を示しながら仰っていました。

また横山大阪市長は、「万博のイタリアパビリオンの関係者の方々も『どうやってアポイントを取ったんだ?』と驚かれるほど、本当に世界で最も有名で素晴らしいシェフのおひとりです。また、食品ロスなどの社会的な活動にも積極的に取り組まれている本当に素晴らしい方です。」と挨拶されました。

大阪産(もん)食材の生産者さんもご登壇
大阪産(もん)がボットゥーラ氏に与えたインスピレーションとは!?

 大阪産(もん)の食材を提供した生産者の皆さんも登壇されました。写真向かって左から和風香辛料の「やまつ辻田」の辻田氏、横山市長、ボットゥーラ氏、吉村知事、「カモシタワインフード」の高井氏、「射手矢農園」の射手矢氏。

射手矢さんの泉州タマネギは化学農薬を減らし有機肥料だけで育てることで肉厚でみずみずしく甘いのが特徴。数少ない泉州タマネギを大切に守る十代続く農家です。

カモシタワインフードは1914年創業の西日本最古のワイナリー。ジャパニーズブランデー(葡萄華)はデラウェア種葡萄の搾りかすを用いてフレンチオーク樽で熟成。

堺で約120年栽培され、なにわの伝統野菜に認定された「堺鷹の爪」を大切に守り続けるやまつ辻田さんは1902年の創業。道頓堀今井や美々卯などの名店でもこちらの七味や山椒を使用されていて皆さんお馴染みではないでしょうか。

泉州タマネギを手に大阪産(もん)を熱く語るボットゥーラ氏

 ボットゥーラ氏は泉州タマネギを手に取って「私はこのタマネギを見て本当に感動しました。こんな素晴らしいタマネギを見たらどうするか?私はまず触って、匂いをかいで、そしてキスして、まるでタマネギと会話をするように『一緒に何か素晴らしいものを作ろう!』と話しかけるんです。それが私の料理の姿勢です。」と大阪産(もん)の食材へのリスペクトを全身で熱く語りかけていらっしゃいました。

また、「日本人には食材に命があるという意識や素材への感謝の気持ちがありますよね。特に食品ロスへの取り組みもふくめ、料理人の哲学、美学が素晴らしいと思います。日本とイタリア双方の料理は通じる部分が多く、情熱で結ばれていると感じます。」とも。

和気藹々ムードの登壇者さんたち

 ボットゥーラ氏の今回の大阪産(もん)との出会いがイタリア、大阪、日本の料理をより豊かにしてくれそうですね。

氏と交流した大阪の若手料理人たちもこの交流を大切にして、これからの大阪の食文化を発展させていってほしいと思いました。

ホテルから大阪城が見えました

Top Chef  in Osaka 2025(トップシェフ イン 大阪)
https://osaka-kitena.jp/event/tco2025/

大阪来てな!公式HP
https://osaka-kitena.jp/

ホテルニューオオタニ大阪
https://www.newotani.co.jp/osaka/

Text /倉松知さと 

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関西在住。キャスター、歴史番組制作、京都情報ポッドキャスト制作などを担当後、京都・歴史ライターへ転向。
歴史ガイドブック『本当は怖い京都の話』(彩図社)ほか、京都新聞などでも執筆中。
主に京都、歴史ジャンルでのラジオ、テレビ出演、講演なども。日本旅行作家協会会員。国際京都学協会会員。最新活動は京菓子・山水會25周年記念展覧会トークイベント司会。

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