大正、昭和に生まれ、厳しい時代を生き抜いた3人の女性の生き様を“装い”を通して感じる展覧会が「装いの翼
いわさきちひろ、茨木のり子、岡上淑子」が東京(練馬区)のちひろ美術館で開かれています。
大正7(1918)年に生まれ、昭和49(1974)年に亡くなった絵本画家のいわさきちひろ。
大正15(1926)年に生まれ、平成18(2006)年にこの世を去った詩人、茨木(いばらぎ)のり子。
そして昭和3(1928)年に生まれ、現在は高知県に暮らす美術作家、岡上淑子(おかのうえよしこ)。
特にお互い親交があったわけでもないこの3人を結びつけたのは、現役の京都新聞の記者である行司千絵さん。行司さんは記者の傍ら独学で洋裁を習得し、ご自分やご家族の服はもちろん、取材対象者からも「服を作ってよ」と頼まれる程(その中には瀬戸内寂聴さんも!)の腕の持ち主なのです。

洋服の著書も多数あり、洋服作りが大好きな行司さんの視点が、この3人の「針と糸に親しんでいた」という共通点を見いだし、令和7(2025)年秋、岩波書店より『装いの翼 おしゃれと表現とーいわさきちひろ、茨木のり子、岡上淑子』を刊行されました。
この展覧会は、その本がきっかけで企画されたものです。

茨木のり子さんの有名な詩に『わたしが一番きれいだったとき』がありますが、そう、このお三方は一番きれいだった、多感な年頃を戦時下に生き、そして戦後の日本をたくましく生き抜いた女性たちなのです。
展覧会の方は「彼女たちがいかに日々の装いを大切にし、暮らしの中で美意識を育んだのか。表現者として、家庭人としてどう生きてきたのか」
彼女たちのクローゼットを覗きながら、三人三様の美意識や生き方を見つめることができ、きっと皆さんのお母様、お祖母様、または曾お祖母様世代の女性の生き方を知る機会にもなるでしょう。
ぜひ、いろんな世代の方に足を運んでもらいたい展覧会です。
この展覧会を記念して、行司さんが懇意にしている京都の老舗和菓子店「塩芳軒(しおよしけん)」がオリジナル御干菓子『装いの翼』を手がけられました。


様々な時代を力強く羽ばたいた三人の女性を3羽の鳥になぞらえ、厳選した国産の和三盆糖で表現しています。
なんと、このオリジナル意匠のために干菓子の木型から作られたとか。

優しく口の中で溶け広がるきめの細かさは「さすが塩芳軒さん!」。
小鳥が可愛くて、どの子から食べるか、頭から尻尾からどちらから食べるか迷います。

御干菓子『装いの翼』は3羽入りのほか、人気商品『雪まろげ』と塩芳軒オリジナル煎茶がセットになったギフトボックスもちひろ美術館のミュージアムショップで販売中です。また館内の絵本カフェでは『装いの翼』カフェ限定のフレーバーの「御干菓子2種と煎茶セット」が味わえるのですが、京都の干菓子としては珍しい「カカオ」味に挑戦されているそうで楽しみですね!

京都の新聞記者と京都の老舗和菓子屋さん、展覧会とのコラボ和菓子。
展覧会をご覧になった後で、ぜひ愉しんでみてくださいね。
■展覧会『装いの翼 いわさきちひろ、茨木のり子、岡上淑子』
ちひろ美術館・東京(東京都練馬区)
令和8(2026)年2月1日(日)まで
※成人の日特典 2026年1月3日(土)~1月12日(月・祝)までは新成人の方に限り無料で入館可能です。
展覧会公式サイト https://chihiro.jp/tokyo/exhibitions/89274/
絵本カフェ 『装いの翼』特別メニュー https://chihiro.jp/tokyo/blog/94889/
■著書
『装いの翼 おしゃれと表現と ―いわさきちひろ、茨木のり子、岡上淑子』(岩波書店) 行司千絵(ぎょうじ・ちえ)著
https://www.iwanami.co.jp/book/b10144342.html
■御干菓子
『装いの翼』、「雪まろげ」ほか
塩芳軒 (京都市上京区) https://www.kyogashi.com/
Text /倉松知さと

関西在住。キャスター、歴史番組制作、京都情報ポッドキャスト制作などを担当後、京都・歴史ライターへ転向。
歴史ガイドブック『本当は怖い京都の話』(彩図社)ほか、京都新聞などでも執筆中。
主に京都、歴史ジャンルでのラジオ、テレビ出演、講演なども。日本旅行作家協会会員。国際京都学協会会員。最新活動は京菓子・山水會25周年記念展覧会トークイベント司会。