福井で極福の宿に泊まり、創業220年の名門酒造の酒に酔う

福井まで北陸新幹線が延伸し、「そういえば、今まで福井に行ったことない。オススメの宿はどこ?」と聞かれる機会が多くなりました。日本中、世界中を飛び回っている私は、同じ宿泊施設やレストランに1年の間に2回行くことはなかなかないのですが、福井県にある素晴らしいオーベルジュには2025年に2回宿泊しました。ご紹介します。

福井県永平寺町にある《歓宿縁 ESHIKOTO》。その意味は、「めったにないこのご縁を歓ぶ」という意味の仏教用語から由来しています。福井県を代表する、創業220年の酒蔵《黒龍酒造》の親会社が手がけた《ESHIKOTO》という複合商業施設と同じ敷地内にあります。福井駅から車で20分ほどですから、レンタカーをしなくてもタクシーで行けますね。フロント棟に立ち寄ると、宿泊するヴィラでチェックイン手続きができるとのこと。そのままヴィラへ向かいます。

全8棟のヴィラ。まず特筆すべきは、約100平米というその広さ。どのヴィラからも九頭竜川とその向こうに広がる山並みを眺めることができます。リビング、寝室、温泉が出るお風呂…どこも広々していて、居心地が良く、九頭竜川の川音をBGMにゆったりとした時間が過ごせます。

レストランは、フレンチの「cadre (カードル)」、日本料理「えん」が曜日によって入れ替わりでディナーを出してくださいます。日本料理「えん」はミシュラン一つ星《馳走えん》が前身、《cadre》はゴ・エ・ミヨ掲載店。どちらも福井市内で営業されていたのですが、《歓宿縁》の開業に伴い移転、こちらで営業を再開されたそう。

私が伺った日は日本料理「えん」の営業日。北前船が寄港した福井は昆布を使うお料理がたくさん。お出汁をとるだけでなく、昆布で包むお料理など珍しいものも。八寸も、お酒のおつまみになるものばかり。黒龍酒造の、ここでしかいただけない限定酒がいくつも出してくださるのが、嬉しい。夏は九頭竜川であがる鮎、冬は日本海のカニと、四季折々豊な食材を楽しめます。

寝心地の良いベッドでぐっすり眠った翌朝。朝食は同じ敷地内の《ESHIKOTO》にあるレストラン《acoya》でいただきます。車で送迎してもらえるのですが、散歩がてら歩いていきました。九頭竜川がよく見えるテーブルにつくと、トレーに載せられた朝食が運ばれてきました。土鍋で炊いた大野市のコシヒカリ、福井市内の養鶏場の平飼い卵、黒龍酒造の酒粕入りの粕汁、池田町のクレソンのお浸しなど、福井県内の美味しいものがたくさん。珍味の「へしこ」のふりかけも添えてあり、ご飯のお供に最高です。

チェックアウト後は、《ESHIKOTO》でお買い物。黒龍酒造の日本酒のラインナップを有料試飲することができ、ここでしか買えない銘柄、そして宿泊者限定の銘柄も販売しています。私も前夜のお食事の際にいただいて気に入ったものを購入しました。その他にも美味しそうなお菓子が並ぶパティスリー、お蕎麦がいただける《蕎麦 山や》、ベーカリー《ハレヤ》など歓宿縁の宿泊の前後や観光の途中にも利用できる施設があります。

酒蔵・宿泊施設・商業施設と訪問する人が楽しく時を過ごせる《ESHIKOTO》をプロデュースするきっかけを黒龍酒造社長・水野直人さんに伺ってみました。アイデアを得たのは今を遡ること数十年前、水野社長が20代の頃、フランスのブルゴーニュ地方を旅して廻りワイナリーに併設されたオーベルジュに滞在した時のこと。ご自身が将来継ぐことになる酒蔵でも、オーベルジュを作ってみたいなと思ったそうです。

歓宿縁の宿泊の際には、同じ町内にある曹洞宗の大本山である「永平寺」の参拝にお立ち寄りください。1244年、鎌倉時代に開祖・道元禅師により創建され、厳しい修行で知られたお寺です。参拝のため境内を歩いていると、黒い法衣を纏ったお坊さまと度々すれ違いますが、キリリとした佇まいに、こちらも身が引き締まるほどです。

永平寺町内や九頭竜川沿いにはたくさんの桜の名所があるそうです。東京より少し遅く開花する桜を愛でに、もうすぐやってくる春に福井に行ってみませんか?


Text /トラベルアクティビスト真里

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 27537345_1388965101209512_1830001016_o-840x1024.jpg

世界中、好奇心を刺激する国々を駆け巡るトラベルアクティビスト。外資系金融機関に勤務の後、年間200日以上は旅をする生活へ。ジョージア、バルト3国、はじめ訪れた国は80カ国以上。北極点・南極へも。日本中も巡り、行った先で出会った人、風景、食etc. 旅の醍醐味をレポートします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です