桜気分満開:美術館でお花見!

春の盛りを告げて咲き誇り、春風とともにすぐに散るの花。日本の春を象徴する桜が描かれた絵画に囲まれたお花見のような展覧会山種美術館で開かれています。絵画を通して、名所ごとの桜の個性を鑑賞したり、光を落とした中で夜桜の絵に浸ったり。桜を楽しめる展覧会です。

 

日本画の質の高いコレクションを誇る山種美術館は、2009年に渋谷区広尾に移転するまでは、1998年から桜の名所である千鳥ヶ淵の近くにあり、桜の絵画展が好評を博していました。今回は、そんな人気展を6年ぶりに復活。2018年5月6日まで「 [企画展]桜 さくら SAKURA  2018 −美術館でお花見!−」と題して、厳選した桜の絵、約60点が公開されています。華やかに咲く桜に囲まれた気分。

京都、奈良など名所ごとの桜を見事に表現した、奥村土牛の《醍醐》や《吉野》、東山魁夷の《春静》など。桜の個性を見比べられてとても面白いものでした。

 

土田麦僊《大原女》1915(大正4)年 山種美術館

またふだんは、なかなか写真撮影ができない山種美術館ですが、桜の表現に桃山絵画の影響がみてとれる《大原女》を描いた土田麦僊の絵の撮影が許可されています。大きな絵の前でまるで桜の記念写真を撮るかのよう。

 

橋本明治《朝陽桜》1970(昭和45)年 山種美術館
右から 石田武《吉野》2000(平成12)年 山種美術館 奥村土牛《吉野》1977(昭和52)年 山種美術館

そのほかに、桜を愛でる人々や桜そのものを叙情を込めて描いた作品など、どれも見とれるばかり。また、淡い月明りのように照明を落として夜桜を描いた作品を見るコーナーも。奥行き、色、構図と日本画の表現ってこんなに豊かだったのだと、名画家たちが描く桜を通して驚かされました。

 

山種美術館のエントランスロビーには、落ち着いてくつろげる「Cafe椿」があり、期間中、桜の絵からインピレーションを得た5種類の特製和菓子が楽しめます。老舗菓匠である青山「菊家」に特注したという優しい甘さの和菓子は、見た目もかわいくて、どれも味わってみたくなります。抹茶と和菓子のセットで1100円(税込)。和菓子のテイクアウトは1個が510円(税込)です。

ミュージアムショップにも、京都の老舗「青木光悦堂」によるこだわりの飴を、桜が描かれた手刷りの小箱に入った「キャンディーBOX コバコcovaco」800円(税込)など、とてもかわいらしいお土産もあるのでぜひのぞいてみてください。

[企画展]桜 さくら SAKURA  2018 −美術館でお花見!−

2018年5月6日(日)まで

山種美術館にて。入館料は一般1,000円、大高生800円、中学生以下無料。

http://www.yamatane-museum.jp/

Text/小野アムスデン道子

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です