国宝が!名碗が!デジタル技術で新しい鑑賞体験! 臨場感あふれる「未来の博物館」展

未来の博物館」は、東京国立博物館の所蔵品をもとに制作されたデジタルコンテンツや複製などで構成する体験型の展示会です。2022年10月18日(火)から始まりました。3つの会場があり、デジタル技術と日本美術のコラボレーションが見事で、未来的、そして楽しい作品の鑑賞方法に感動しました


「救世観音」の美しいお姿
本画像は、東京国立博物館で開催された報道内覧会にて、主催者の許可を得て撮影したものです

1つめの会場に入ると、法隆寺の東院伽藍の夢殿本尊である国宝観音菩薩像 救世観音(くせかんのん)」のお姿が、幅13メートルの特大3面スクリーンで迫ってきます。この救世観音は長い間秘仏とされ、法隆寺の僧侶でさえ見ることができませんでした。救世は「人々を世の苦しみから救うこと」、間近に見るそのお姿は驚きの美しさと臨場感です。

国宝「花下遊楽図屏風」(狩野長信)の高精細複製品

次の会場では、高精度のプロジェクションマッピングの技術により、東京国立博物館が誇る4つの国宝の屏風「花下遊楽図屏風」「納涼図屏風」「観楓図屏風」「松林図屏風」の中を歩き、描かれた四季の風景を楽しむことができます。


じっくりと名碗を手にして鑑賞

そして最後には夢のような体験が!織田信長の弟、有楽斎はじめ、名だたる茶人が手にした16世紀の名碗「大井戸茶碗 有楽井戸」をはじめとする6種類の名碗を手に取り、さまざまな角度から眺めることができます。形も重さも本物の文化財にそっくりの茶碗型ハンズコントローラーを手にしながら、360度好きな角度から鑑賞できるので、特に茶道に興味のある人にとっては、格別な体験だと思います。

重要文化財「十一面観音菩薩立像」を調査できる

歴史的価値のある文化財は、博物館などで目で見て鑑賞することはできても、残念ながら手に取ることはできないものがほとんどです。またガラス越しにそのデザイン・色・文様など外観を楽しむことはできますが、特定の角度からしか鑑賞できません。しかし本展では、大画面に拡大された秘仏をじっくり見たり、屏風に描かれた四季を感じてみたり、手にすることは不可能な名碗を持つことができます。


「国宝 東京国立博物館のすべて」と「未来の博物館」を一緒に訪れたい

本展でとりあげる日本美術作品(14件)は、同時開催中の特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」(平成館)や総合文化展に展示されていますので、合わせて鑑賞することをおすすめします。この秋、東京国立博物館全体が日本美術の魅力であふれています。

東京国立博物館創立150年記念 特別企画「未来の博物館」

会場:東京国立博物館(東京都台東区上野公園13-9)

会期:2022年10月18日(火)~12月11日(日)

休室日:月曜日

開室時間:9:30~17:00(入室は閉室の30分前まで)

観覧料:一般 1,000円 大学生500円

*満70歳以上、高校生以下無料 *事前予約不要

詳しくは:https://cpcp.nich.go.jp/modules/r_free_page/index.php?id=81

Text / 糸藤友子

リクルート→ベネッセ→ミズノを経て、現在は脳科学ベンチャーで、脳の可能性を最大化するためのサービス開発(【Active Brain CLUB】https://www.active-brain-club.com/)などを担当。認知症の知識や予防の技術を学び「認知症予防専門士」と、発酵の原理・歴史・効果などを学び「発酵マイスター」の資格を取得。脳腸相関に基づき、脳活と腸活による健康寿命の延伸をミッションとして活動中。

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