羊の国からこんにちは!トラベルアクティビスト真里です。今回は、「ロード・オブ・ザ・リング(以下:LOTR)」など数々の映画のロケ地にもなってきたニュージーランド(NZ)南島のトレッキングコースをご案内します。
成田から北島のオークランドまで、ニュージーランド航空が毎日運行をしています。私は、オークランドで乗り換えて南島の観光拠点であるクイーンズタウンへ。ここは2000m級の山々に囲まれたワカティプ湖畔に広がる町で、名前の由来は「ヴィクトリア女王にふさわしい街」。空気も水も澄んでいて、深呼吸すると気持ちいい!
まずは、クイーンズタウンからワカティプ湖沿いを北西に車で小1時間ほど走った、グレノーキー周辺へ。ほどなくして国道をはずれると舗装されていない道になり、標識に従ってリース・トラック(Rees Track)を目指しました。コースの入り口に車を駐車して、トレッキング開始。雨具や歩きやすいシューズは必需品ですよ。
NZではトレッキングのことを「トランピング(てくてく歩く)」といい、目的は、山頂の制覇ではなく、山をぐるりと周回するコースが多いのが特徴。アップダウンがあまりないので、初心者でも歩きやすいです。踏破するのに数日間かかるコースもあり、その場合はテントや水・食料など十分な装備を持っていかなればなりません。夜はゆっくりホテルにステイしたい私は、トータルに歩く時間をあらかじめ決めて、半分ほど時間が経ったところで引き返すようにしています。
歩き始めて小一時間。突然目の前の景色が開け、左右の山の間に、太古の昔に氷河に削られてできたU字型の大きな谷が広がります。谷の真ん中には幅が広い川。そして谷の奥、はるか彼方に万年雪をたたえてそびえるのは世界遺産にも登録されているフィヨルドランド国立公園の山々。この景色を見ていると、映画のスクリーンに自分が入り込んでしまったような感覚に襲われます。「LOTR」以外にも、「ナルニア国物語」や「ウルヴァリン」などの映画もこのエリアで撮影されたとのこと。幻想的で、人間の気配を感じさせないこの風景は、ファンタジー映画の撮影にぴったりな場所です。
グレノーキーを起点としたトレッキングコースは他にも、やはり映画のロケ地が多いパラダイス・トラック、世界遺産登録の2つの国立公園にまたがるルートバーン・トラックなど、いくつものコースがあります。どれもよく整備されており、素晴らしい景色を満喫できます。
トレッキングしていると、ロビンをはじめ小鳥が人間を恐れずに近寄ってきます。飛べない鳥キウイに代表されるように、NZは鳥の楽園。放牧されている羊や牛にもよく出会います。生き物には会いますが、人間は滅多に会わないのが、ますますファンタジー映画のようです。
そんな映画に入りこんだようなトレッキングを楽しんで、宿に戻りました。次回は、グレノーキー付近での宿泊でオススメしたい高級リゾート・ブランケットベイ(Blanket Bay)をご紹介します。
Text/トラベルアクティビスト 真里
世界中、好奇心を刺激する国々を駆け巡るトラベルアクディビスト。外資系金融機関に勤務の後、1年の3分の1は旅をする生活へ。ジョージア、バルト3国はじめ訪れた国は50カ国以上。日本中も巡り、行った先で出会った人、風景、食etc. 旅の醍醐味をレポートします。