あの《ひまわり》と《アイリス》を並べて観れる~25点のゴッホ作品が集結

新宿の SOMPO美術館で20年ぶりのゴッホ展が10月17日より始まりました。「フィンセント・ファン・ゴッホは何を学び、何を伝えたのか」をテーマとした「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」展


ゴッホの代表作《アイリス》(1890年・ファン・ゴッホ美術館)と《ひまわり》(1888年・SOMPO美術館)

素晴らしいのは、SOMPO美術館の《ひまわり》とアムステルダムのファン・ゴッホ美術館の《アイリス》を並べて鑑賞できることです。ゆっくりとソファに座って、ゴッホを代表する2作品を満喫することができます。

ソファに座ってゆっくりと2作品を鑑賞してほしい
ゴッホ《野牡丹とばらのある静物》(1886~87年・クレラー・ミュラー美術館)
ゴッホ《皿と玉ねぎのある静物》(1889年・クレラー・ミュラー美術館)

本展は17世紀オランダから20世紀初頭まで、ヨーロッパの静物画の流れのなかにゴッホを位置づけ、ゴッホが先人たちから何を学び、それをいかに自らの作品に反映させ、さらに次世代の画家たちにどのような影響を与えたかを探るというもの。

2020年、SOMPO美術館移転後の特別企画展として予定されていましたが、コロナ禍のため中止となり、3年の延期を経て開催となりました。やっと《アイリス》がやってきたのです!

階段の壁にゴッホの言葉が書かれています

また本展では、「ひまわり」に焦点をあてたコーナーも設けられ、ゴッホやその他の画家たちが「ひまわり」を描いた作品を通じ、なぜ彼らがこの主題に惹かれたかを探ります。

本来、ゴッホは人物を描きたかったけれどモデル代が捻出できず、絵を学ぶための鍛錬として花の静物画を描くようになったそう。そしてその中で「ひまわり」に魅せられていきます。

南仏アルルで画家仲間との共同生活を黄色い家でしたとき、「僕はアトリエを半ダースの“ひまわり”の絵で飾ろうと考えている」と計画し、ゴッホは「ひまわり」の連作に着手、熱心に描きます。「僕らのアトリエでゴーギャンが一緒に暮らしてくれるなら、アトリエの装飾をしようと思う。大きなひまわりだけの装飾だ」と。

本展の《ひまわり》は、ゴーギャンが「ゴッホの代表作だ」といった4作目のロンドン・ナショナルギャラリーの《ひまわり》をベースに描かれ、アジアで唯一の《ひまわり》。普段はケースに入った展示の《ひまわり》を生で観ることができる貴重な機会です。

クロード・モネ《グラジオラス》(1881年・ポーラ美術館)

そしてゴッホが影響を受け、そして影響を与えた画家たちの作品も多く展示されています。ルノアール、ゴーギャン、セザンヌ、ドラクロワ、モネ、マネ、シャガールと、有名どころの作品も楽しむことができます。

アジア唯一の《ひまわり》があるSOMPO美術館

ゴッホと静物画―伝統から革新へ

開催期間:2023年10月17日~2024年1月21日
休館日:月(ただし1月8日は開館)、年末年始(12月28日~1月3日)
開館時間:10:00~18:00(11月17日、12月8日〜20:00)※最終入館は閉館30分前まで
会場:SOMPO美術館
入場料(税込):一般 2,000円、大学生 1,300円、高校生以下 無料

詳しくは、https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2023/gogh2023/

Text / 糸藤友子

リクルート→ベネッセ→ミズノを経て、現在は脳科学ベンチャーで、脳の可能性を最大化するためのサービス開発(【Active Brain CLUB】https://www.active-brain-club.com/)などを担当。認知症の知識や予防の技術を学び「認知症予防専門士」と、発酵の原理・歴史・効果などを学び「発酵マイスター」の資格を取得。脳腸相関に基づき、脳活と腸活による健康寿命の延伸をミッションとして活動中。

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