絶景、美食、おもてなしとタイの魅力を再発見のタイ南部バンガーの旅の後編です。
前編はこちら https://wlifejapan.com/2024/06/26/thailand-ttm-phang-nga/
バンガー県は、美しいアンダマン海に面してリゾートや村落があり、2004年のスマトラ沖地震では甚大な津波の被害を受けました。今は、そんなことを感じさせないカオ・ラックのリゾートエリアですが、まだ新しく感じる道路や建物は、復興後の再生できたもの。世界中のツーリストを迎える観光地として復興に頑張ったのは、ローカルも。マングローブが繁る村のコミュニティが運営するアクティビティは、とても手作り感があふれ、アクティビティができるまではとてもいいお話だと思いました。トップ画像は、カオ・ラックのリゾートから20kmほど離れたマングローブの森の集落でアクティビティを運営する人々です。
子供たちの夢を育む 海上のサッカー場
パンガー湾には、主にインドネシアから移ってきたムスリムの人たちが高床式の家で海上 に住む「パンイー島」も訪れました。島内では、素朴なレストランやお土産店などが営まれ、りっぱなムスリム寺院や学校もあります。
なんとここには、海上に浮かぶサッカー場があるのです。ここでサッカーの練習を 積んだ子供たちが、タイのユース大会を勝ち上がり優勝までした実話は、映画にもなったのだとか。今では企業の寄附などもあってかなり立派なフィールドになっています。
カメラを向けるとキラキラした笑顔で応えてくれた子供たち。パンイー島の学校の壁には、イングランドプレミアリーグのリバプールで活躍するモハメド・サラーの絵が描かれていました。ムスリムの有名サッカー選手であるサラーは、子供たちの憧れなのですね。
今ある自然を観光に生かそうという村の思い
翌日は、パンガーからさらに南に下り、ヒン ラート運河にあるコミュニティーを訪ねました。訪れたバーン ターディンデーンという村は「津波の被害は大きかったが、ここの自然環境を観光に活かしていこう」と、政府やユネスコ機関の支援を受けながら、アクティビティをみんなで開発したそう。3人乗りのカヤックで鬱蒼としたマングローブの中に入っていき、川から鉱物 のスズをザルで拾うデモンストレーションを見たり、草木染めをしたり。まさに村の暮ら しを体験するようなアクティビティなのです。全体では1時間ほどのプログラムで、料金は人数などによっても変わりますが、だいたい800バーツ。ランチ込みで1000バーツほど。
メインは、運河での水耕栽培をする農業。ツアーは、たった3つのカヌーから始めて今では40人がツアーに従事し、ハイジーズンには週に250人ものひとが訪れるそう。案内の方が「私たちは、英語が流暢では決してないのですが、そこが逆に受けている」と言われてましたが、とても手作り感のあるツアーは、地元の暮らしの一端もうかがえる楽しさがありました。
美しいアンダマン海を前にミシュランに紹介された美味!
ツアーの後にランチで訪れたレストラン「Phi Sao Restaurant 」は、40年以上ここで家庭的な南部タイ料理を提供しています。道路を挟んだ目の前には美しいアンダマン海が広がります。魚のすり身やエビ、野菜のいっぱい入ったスープやスズキのブラックペッパーソースがけなど。どれもスパイシーですが、辛すぎず滋味いっぱい。
ご飯とおかずを一皿で盛って食べるのがタイ流。エビのすり身揚げもとても香ばしくて美味しい一品でした。
Phi Sao Restaurant
https://guide.michelin.com/dk/en/th-phang-nga-region/th-phang-nga/restaurant/p-saw
プーケットから足を伸ばしてのパンガー県の旅。美しい海や島々の景観の他にもユニークな魅力がいっぱい詰まっていました。
取材協力/タイ国政府観光庁 https://www.thailandtravel.or.jp/