エジプト政府公認、史上最大級の「ラムセス大王」巡回展!ファラオたちの黄金に酔いしれる時間

古代エジプトは私たちを魅了してやみません。史上最も偉大な王と称えられるのがラムセス2世。アブ・シンべル神殿に代表される壮麗な建造物を築いた王です。67年間という史上最長の在位期間を誇り、異民族との数多の戦いを乗り越え、王国の領土を確固たるものとしたファラオです。92歳でこの世を去るまでその存在は太陽神アメン・ラーとならぶ神として崇められました。 

今回、東京で開催されている『ACN ラムセス大王展 ファラオたちの黄金』は、エジプト政府公認として過去最大級の展覧会で、世界5つの都市で数百万人もの動員数がありました。アメリカのヒューストンから始まり、サンフランシスコ、フランスのパリ、オーストラリアのシドニーでは、なんとオーストラリア博物館史上最多の来場者を記録しています。

エジプト考古学の吉村作治教授は、『エジプト本国から直接持って来られたものは良いものが多くって迫力が違う』と太鼓判を押します。

「ラムセス2世の棺」 エジブト博物館

実に47年ぶりに蓋と本体がそろった形でエジプト国外へ出たラムセス2世の棺など180点が出品されています。写真のレバノンスギ製の棺は、もともとはファラオのためにデザインされたものではありませんでした。この棺には多くの碑文が書かれています。ラムセス2世の遺体が3回にわたって移送されたことなども詳細に書かれています。どんな経緯でラムセス2世はこの棺におさまったのか、そのミステリーをぜひ、実際に展示会にてご覧いただきたいと思います。

「ラムセス2世の巨像の頭部 」エジブト博物館

展示会場に入ったときに迎えてくれるのは、ラムセス2世の巨像の頭部です。

この像は、古い時代の王家のイメージを、ラムセス2世が自分のイメージに合うよう大きさを変えて流用したものだと考えられています。この作品がエジプト国外で展示されるのは本巡回展が初めてです。 

プスセンネス1世の襟飾り 第3中間期、第21王朝 
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エジブト博物館
「センウセレト2世のカルトゥーシュが付いたシトハトホル女王の胸当て/ アメンエムハト3世のカルトゥーシュが付いたシトハトホル女王の胸当て 」エジブト博物館

この展示の見どころはなんといっても黄金の宝飾品の数です。まばゆいばかりの美しい黄金の輝きに目を奪われます。数千年の時を重ねたとは思えないほど完璧な保存状態の品々を通じて、この偉大なるファラオの生涯とその影響を感じることができます。

古代、神々の身体は貴金属でできていると信じられており、骨は銀、肉は金、髪、眉毛、髭はラピスラズリ(アフガニスタン産のミッドナイトブルーの原石)、怒ると目はカーネリアン(赤やオレンジ色の宝石。和名は紅玉髄) のように赤くなると考えられていました。棺に散りばめられた宝石や、とりわけ黄金のマスクからは、朽ちることのない肉体と永遠の生命を願う、当時の人々の思いが伝わってきます。 

「ラムセス大王展 ファラオたちの黄金」では、通常の博物展示とは異なる、没入感を味わえるのが特徴です。精巧なジオラマやシーンに合わせて効果的に用いられる照明、特別に制作されたサウンドトラックと深みのある音響設備、臨場感溢れるプロジェクションマッピングにより、通常の博物展示とは異なる体験ができます。

またオプションとして、ラムセス2世が建てた最も壮大な遺跡、アプ・シンベル神殿とネフェルタリ王妃の墓にスポットを当てた、V R体験も楽しめます。卵形の椅子に深く腰掛けてゴーグルを掛けるともうそこは、エジプト。椅子の動きも加わって、かなりスリリングな体験もできます。

少しお高く感じる入場料ですが、収益の一部はエジプト文明の保存、また発掘・修復の費用として使われるそうです。最新の研究と技術を投入した演出を駆使することで、単なる展覧会を超えた圧倒的な没入体験を味わいながらラムセス2世が栄華を誇りし、はるか3000年前の古代エジプトの世界へと旅をすることができます。いざ、悠久の旅へ!

キラキラとした黄金のハーブティやオリジナルグッズの販売など、展示を見たあとの楽しみもあります。

ACN ラムセス大王展 ファラオたちの黄金

https://ramsesexhibition.jp

会場:ラムセス・ミュージアム at CREVIA BASE Tokyo
東京都江東区豊洲 6-4-25 (ゆりかもめ「市場前」駅徒歩 3 分)

期間:2025年9月7日(日)まで
平日:10:00 – 18:00(最終入場 17:00) 
大人(18歳以上): 4100 円 中・高生(12歳以上): 3100 円 子供(6歳以上):2400 円

土・日・祝日・特定日:9:00 – 19:00(最終入場 18:00)
大人(18歳以上): 4300 円 中・高生(12歳以上):3300 円 子供(6歳以上):2600 円

VR: 2500円(別途チケット)

Text / 酒・食・旅・文筆業 磯部らん

コミュニケーションやマナーに関するビジネス本を多数出版。とくに発展途上国 が好きで、アマゾン川でピラニア釣り、南インドにドーサを食べになど、好きなこ とをしに海外をひとり旅する。日本酒利き酒師。http://isoberan.com

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