【とっておきの秋の休日】京都・嵐山で平安貴族のくつろぎ。日常を忘れる旅へ

9月9日は重陽の節句。季節の変わり目を迎えて、気持ちも新たになるような旅をしたいもの。関西で美的覚醒旅行を追求するインフルエンサー旅猫あやさんと、オトナの旅の楽しみを教えてくれる贅を尽くした宿に出かけました。今回訪れたのは、京都・嵐山の奥深く平安貴族が興じた地にある「星のや京都」。その非日常な旅をご案内します。

渡月橋のたもとにある「星のや京都」の舟待合に嵐山の緑に映える赤のドレスで現れた旅猫あやさんは、元ツアーコンダクターという旅のベテラン。でも船でお宿へのアプローチは初めてとか。専用の船で宿まで渡っていくのが、非日常の入り口という感じです。

「星のや京都」専用の舟待合と桟橋。宿の船着場にはお迎えの姿が

「星のや京都」があるのは、渡月橋の前後の大堰川を切り開いた京都の豪商である角倉了以が居を構えた場所です。春には満開の桜、秋には色とりどりの紅葉が目の前に広がる宿からの眺めが、これまた贅沢です。

「星のや京都」があるのは、渡月橋の前後の大堰川を切り開いた京都の豪商である角倉了以が居を構えた場所です。春には満開の桜、秋には色とりどりの紅葉が目の前に広がる宿からの眺めが、これまた贅沢です。

部屋に入る前、ライブラリーラウンジで冷たい緑茶で一服。屋外に張り出した空中茶室

「水辺の私邸で時を忘れる」がコンセプトの「星のや京都」。敷地内には、滝と水の流れを感じる「水の庭」と白砂と瓦が砂紋を描くかのような「奥の庭」と2つの庭や蔵があり、独立した25室が手入れの行き届いた路沿いに立っています。手間をかけた植栽や掃き清められた路を歩き、縦格子の戸を開けて入る自室は、お屋敷に住まうような気分になります。

全室が川に面した部屋で、和室には竹を曲げたデザインが優美なソファが置かれ、なんとも落ち着きます。こちらで地野菜たっぷりの朝鍋を中心とした滋味豊かな朝食をいただくことができます。照明を落とした寝室、ヒノキの湯船の浴室とくつろいだ時間を過ごせます。

 竹のソファにかけて、外の眺めに見とれる
間接照明が落ち着く寝室。窓際には、椅子やソファが用意されている

用意されているお楽しみも普通では体験できないようなものばかり。今回は、香木を炭で温めてその香りを”聞く”「聞香」、特別な仕様の雅な屋形船で上生菓子をいただきながらの「舟遊び」そして小倉山を望む「星のや京都」らしい平安貴族のお遊び「奥嵐山の源氏絵覆い」を楽しむことにしました。  

聞香
舟遊び
奥嵐山の源氏絵覆い

お食事は、伝統的な日本料理の本質を大事にしながらも、海外の料理の技法や食材も取り入れた「真味自在」とテーマにしています。四季を大切にするのも日本の心、ちょうど重陽の節句から秋の献立が始まり、まず一献と勧められたのは菊の花びらが浮かんだ菊酒。なんと風雅なんでしょうか。

京都らしく白味噌仕立ての椀物には、月に見立てたすっぽん真丈(しんじょう)に鱧(はも)や松茸が隠れていて、柚子が香ります。

菊酒とすっぽん真丈
最後のフィナーレ ご飯に合う品がいろいろな器にのって、出てくる

お造りには、鯛に間引きぶどうとオリーブオイルで作った黄身ソースがかかっていて、まろやかな酸味が身のしまったお魚にぴったり。さらにシャインマスカットの果実感を添えて、新しさを感じる一品でした。

ほかに金山寺味噌にセミドライトマトを混ぜたり、アーモンドミルクのアイスクリームにキャビアが添えられていたりと、洋の素材の生かし方が絶妙。一品一品が驚きに満ちた美味なコースでした。「星のや京都」での食事は宿泊者のみで。「真味自在・秋」は、1名24,000円(税サ込み)

お部屋でいただく朝鍋を中心とした朝食

窓の外に見える川辺を借景に部屋でいただく朝鍋は、いっぱいの野菜をシンプルにかつお昆布出汁で。それぞれの野菜の風味が生きて、ヘルシーな優しい鍋は朝には最高です。

旅猫あやさんがインスタグラムで、すみずみまで贅沢、そして他で味わえない優雅な旅をまとめてくれました。https://www.instagram.com/tabinecoaya/

ご褒美旅行に、非日常な安息に。「星のや京都」への旅は今までにない体験をさせてくれると思います。

星のや京都 https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/hoshinoyakyoto/

Text/小野アムスデン道子

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世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスへ。東京とポートランドを行き来しつつ、世界あちこちにも飛ぶ、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。インバウンド・コンサルタント。日本旅行作家協会会員。

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