日本から真南に約3200km。北緯7度30分と、赤道のすぐ北側にあって美しい海で知られるパラオ共和国。日本との時差もありません。長年一度は行ってみたいと思っていたパラオですが、グアム経由の定期便だと乗り換え時間を含めて8時間~14時間ぐらいかかるということで、躊躇していました。そんなところに朗報が!2025年10月からユナイテッド航空の成田空港からの直行便が週2往復就航しました。所要時間は4時間55分程度。グアム経由の約半分の時間です。これは便利。
パラオは386の島(うち有人島は9)からなる小島嶼国で、総面積は鹿児島県屋久島ほど。第一次世界大戦後から約30年間、日本が統治をしていました。日本統治時代に灯台などコンクリート製の近代的な建物が建てられ、映画館や百貨店などもあり、日本人とパラオ人は友好的に暮らしていたそうです。
その結果、「ダイジョウブ」「デンキ」「ゾウリ」「マド」「ベントウ」など1200を超える日本語の単語が、パラオ語として使われているそうです。16州ある行政区のうちアンガウル州では、パラオ語・英語に加えて、なんと日本語が州憲法で公用語として定められているそう。パラオについて知れば知るほど、「美しい海の島国」というだけでなく、歴史や文化的にも興味が湧いてきました。
フライトの予約をとり、パラオに向かう日がいよいよやってきました。成田空港を出発するのが夕刻ですので、パラオ・コロール空港に着くのはもう23時過ぎ。各ホテルの送迎の車が空港ロビーで待っています。ホテル予約時に送迎もお願いしておけば安心です。空港の建物の外に出るとムッとした熱帯の空気が体を包み、「南の島に来たな」と実感します。あたりは真っ暗なので、綺麗な海を見るのは、翌朝までのお預けです。



朝起きると、少し雲が多めですが、波もなく穏やかなビーチが見えます。プールに加えてプライベートビーチがあります。SUPなどマリンアクティビティをすることも可能とか。ビーチかプールサイドでゆっくりもしたかったのですが、初めてのパラオ。観光も含めてスケジュールをいろいろと入れていましました。

観光1日目。第二次世界大戦の激戦地ペリリュー島への1日ツアーに参加しました。元陸上自衛隊員の平野雅人さんの案内で戦跡を巡りました。1944年9月15日に、アメリカ軍が上陸し始まった戦い。アメリカ側は「2-3日で制圧できる」と見込んでいたのですが、実際は約2ヶ月超の激戦となりました。1万人以上いた日本軍の中で生き残ったのはたったの34名。この戦いの前に、日本軍はペルリュー島在住だったパラオ人を全員他の島に逃し犠牲が出ないように図ったとのこと。そのようなストーリーが現在まで語り継がれており、パラオが親日国となった理由の一つであるともいわれています。


日本軍が潜伏していた山の中に張り巡らされた塹壕の一部に入ることができるのですが、天井が低くとても蒸し暑いです。当時使われていた食器やビール瓶などが散乱しています。100年前に遡る統治時代に建てられた海軍司令本部は、爆弾を落とされて天井に穴が空いているのですが、曲線を多用した設計で、建築物として大変優美なもので驚きました。日本軍の戦車やゼロ戦、米軍の水陸両用戦車の残骸もありました。


在パラオ日本国大使館と米国大使館が協力して設立した「ペリリュー島戦争博物館」も見応えがあります。戦後80年の今年、このような場所を訪れることができて、平和な時代・国に生きられる幸せを痛感しました。


観光2日目。コロール州政府運営の「Eco Glass Center」へ。ここは日本のJICA国際協力機構が技術支援を行なっています。ほぼ全ての食料・飲料を輸入に頼っているパラオ。飲み終わったビールの瓶をゴミとして処分するのではなく、溶かして、グラスやガラス工芸品を作るプロジェクトが進行中。ガラス造りの体験ができるということで、挑戦してみることに。パラオの国旗の水色と黄色の色味を選んで、グラス造りを開始。スタッフの方に丁寧に教えてもらいながら、形成ができました。旅の素敵な思い出の品になりました。隣接するとギャラリーでは、箸置きやピアスなどのガラス工芸品が売られていますので、体験するお時間がない方はこちらで購入することもできます。

そのほか、“神様が石になった”という伝説が残るユーモラスな顔が巨石に刻まれた「ストーンモノリス」、日本統治時代に建てられ今は朽ち果ててしまった「TODAI(灯台)」など、パラオのバベルダオブ島北部エリアを観光して夕刻ホテルに戻りました。



ディナーは、パラオの中心地コロールにある海辺のレストラン「ELILAI」で。地元のロブスターや、鮮魚のカルパッチョなど、海の幸をいただきました。魚が泳ぐ様子が見える海がテーブルのすぐ横で雰囲気も良く、ホテルからの送迎もあり、おすすめのレストランです!
パラオの旅②では、美しい海をラグジュアリークルーズで巡ります。続く
Text /トラベルアクティビスト真里

世界中、好奇心を刺激する国々を駆け巡るトラベルアクティビスト。外資系金融機関に勤務の後、年間200日以上は旅をする生活へ。ジョージア、バルト3国、はじめ訪れた国は80カ国以上。北極点・南極へも。日本中も巡り、行った先で出会った人、風景、食etc. 旅の醍醐味をレポートします。