“光の詩人 インゴ・マウラー展”へ。それは照明というよりアート

インゴ・マウラーはドイツを拠点に活躍する照明界の巨匠。その独創的でアーティスティックな作風は「光の詩人」と評され、1960年代に製作した『Bulb』は、ニューヨーク近代美術館の永久コレクションにもなっています。銀座にある「DANSK MØBEL GALLERY(ダンスク ムーベル ギャラリー)」で開催される「“光の詩人” インゴ・マウラー展 -デンマークモダンとの邂逅」のオープニングにうかがいました。

「ダンスク ムーベル ギャラリー」で開催の当展示会は、2018年9月8日(土) ~9月18日(火)まで。4 月のミラノサローネで発表された日本初披露となる照明『Blue Luzy』や、その他日本ではなかなかお目にかかることの出来ない作品も多数展示されます。

『Blue Luzy』は、日本初公開。プラスチックグローブの指先に、マウラーオリジナル球がついたペンダント、ブラケットのシリーズは、マウラー氏らしい、型破りな発想とデザインです。

ビビッドなブルーは、マウラー氏が、個人邸物件の為に製作した特別壁面アートで使用した塗料の色。このときの製作シーンが心に残り、今回のアイディアへとつながったそうで、マウラー氏一押しの新作。

指の部分を下にして天井からぶら下がったブルーの手袋の先に、電球がついています。光を愛するマウラーは、電球を覆うことなく、その光をダイレクトに見せています。そしてさらにマウラーの特徴的な点は、通常では照明器具の中に隠してしまうべき電球の口金をもそのまま見せてしまうところ。

時には人を驚かせるようなアプローチですが、光と戯れるアートのような照明は、日常にあるだけで、自由な発想になれそうです。

日本初披露の.Yoruba Rose
Lil Luxury LED

『Blue Luzy』と、ある意味対照的な作品が『Lil Luxury LED』。大きさが違う正方形和紙を微妙な間隔で吊るし、内側に設置した電球の光を反射をそれぞれの和紙に反射させ、『Blue Luzy』 と異なり光源の電球が見えません。マウラーが影響を受けたというイサム・ノグチのテイストを感じます。

私が一番気に入った作品は『Yoruba Rose』。羽を頭上まで広げた鶴がイメージのライト。細かい折り目は鶴の羽を表しており、光を微妙に屈折させ、微妙な陰影を作り出します。面白いのは、購入者が自分で組み立てるそう。人によって、出来上がりが微妙にかわるのでしょうね。照明の最上部には、弧を描くものとまっすぐなもの、ともに赤い金属を立て、鶴の頭と尾羽を表します。

「ダンスク ムーベル ギャラリー」にある実直で堅実なシンプルモダンを追求してきたデンマーク家具と、この光と戯れるインゴ・マウラーの照明とのアーティスティックなシナジーを楽しめる展示会です。

“光の詩人” インゴ・マウラー展 -デンマークモダンとの邂逅

■ 会期:2018年9月8日(土)~9月18日(火) ※12日(水)は定休日

■ 場所:DANSK MØBEL GALLERY(ダンスク ムーベル ギャラリー)
〒104-0061 東京都中央区銀座1-9-6 松岡第二銀緑館2F
■ TEL: 03 – 6263 – 0675(水曜定休)

 

Text/トラベルアクティビスト真里

世界中、好奇心を刺激する国々を駆け巡るトラベルアクディビスト。外資系金融機関に勤務の後、1年の3分の1は旅をする生活へ。ジョージア、バルト3国はじめ訪れた国は50カ国以上。日本中も巡り、行った先で出会った人、風景、食etc. 旅の醍醐味をレポートします。

 

 

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