秀吉の頭の中を覗ける!?特別展 豊臣外交@大阪城天守閣

戦国時代、豊臣秀吉は海外の国々とどんな外交をしていたのか?

大阪の紅葉の名所、秋が深まる大阪城天守閣で、この秋、非常に面白い展覧会が開かれています。それが特別展『豊臣外交』です。

大阪城のお堀の周りは紅葉が色づきつつあります

 大阪城は外国人観光客にも大人気。朝一番で出掛けても、既にお城に向かう人、人、人でいっぱいでした。

大阪城内で最も大きな巨石「蛸石」前で飛び交う言語も様々です。

表面積36畳、重さ108トンもある「蛸石」

大きさに驚く人々

天守閣へ向かう人々

豊臣秀吉が日本を治めた時代、我が国はかつてないほど外国と広く、深く交流しました。展覧会では大きく分けて「行き交う文物」、「キリスト教との関係」、そして主に明国、朝鮮との「戦争、外交」3つに分け、貴重な史料とともに秀吉時代を紐解きます。

当時の交易については、意外にも日本からルソンへ「小麦」を輸出していたことが加藤清正の書状から分かったり、南蛮屏風も、よく見るとイエズス会だけでなく、フランシスコ会の修道士も描かれていて、様々な宗派が日本で信徒獲得に努めていたこともうかがえたり。

西洋の宗教に傾倒していく大名たちを秀吉がどう考えていたかもリアルに感じられました。

また、朝鮮への二度の出兵時、秀吉に仕えた石田三成や小西行長、加藤清正らが何を思い、どんな交渉を地道に重ねてきたかが貴重な史料の数々から伝わって来ます。

中でも重要文化財の「明国劄付(さっぷ)」は、明国の皇帝が秀吉を「日本国王」に冊封(さくほう)した際の辞令書で、1メートル超の大きさは、ぜひ実際に見て感じて欲しいものです。

そびえ立つ大阪城天守閣。特別展は3,4階にて。

 展覧会は2019年11月17日(日)までと残り僅かですが、「図録」も販売されています。図録を読んでいると、第一次、第二次朝鮮出兵で、秀吉が要求を段々変化させていく所、事務次官レベルで石田三成や小西行長らが奮闘している所などがよく分かり、生々しい遣り取りが残っていて本当に面白いですよ。

「外交」のエッセンスが詰まったこの展覧会図録、買って損は無いです!!

図録は会期後も購入出来ます!!是非!!

大阪城公園の紅葉もこれから益々綺麗に色づいてきそうですよ。

大阪城天守閣HP

https://www.osakacastle.net/

図録について

https://www.osakacastle.net/zuroku

Text /倉松知さと

関西在住。キャスター、歴史番組制作、京都情報ポッドキャスト制作などを担当後、京都・歴史ライターへ転向。

歴史ガイドブック『本当は怖い京都の話』(彩図社)ほか、雑誌で歴史エッセイを連載中。

京都、歴史ジャンルでのラジオ、テレビ出演、講演なども。日本旅行作家協会会員。

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