世界遺産に登録されている世界最古の醸造法でワインを造っている国“ジョージア”は、アジアの西端すなわちヨーロッパの東端。おいしいワインと東西が出会うジョージアの料理についてトラベルアクティビスト真里さんのレポート後篇です。
【ショージアの伝統料理に舌鼓】
ジョ―ジアの首都トビリシから西に20キロメートル、ムスヘタにあるイアゴ・ワイナリーで、世界最古のワインの醸造方法を見学した前篇。その後、併設レストランでジョージアの郷土料理のランチをいただきました。飲み物は白ワイン、自家消費用に少量作っている赤ワイン、そして「チャチャ」と呼ばれる蒸留酒の3種類。チャチャはワインを作った残りかすから造るイタリアの「グラッパ」のようなものです。アルコール度数はなんと55 度。調子にのって飲むと大変なことになります!
イアゴさんのお母様につくり方を見せてもらったのは、ジョージア風小籠包「ヒンカリ」。小麦粉を練って使った皮に肉や野菜を入れて茹でるこの料理は、ウズベキスタンでは「マンティ」、ポーランドでは「ピエロギ」と名を変えて、中国から東ヨーロッパの各地に見られます。シルクロードがアジアからヨーロッパまで繋がっていて、食を含めた文化の伝達があったことを実感します。
その他にも、カッテージチーズ入りパイ「ハチャプリ」、茹でた金時豆とハーブのサラダ、クルミのペーストを揚げナスで巻いたもの、フレッシュなキュウリやトマトのサラダ等、テーブルに乗り切れないほど。数百年、いや千年単位でこの地域で食べられてきたであろう伝統の料理は、シンプルな調理法ですがどれもワインが進むおいしさでした。
【市場に並ぶワイルドな食材にビックリ】
首都トビリシから東へ車で3時間、ジョージアのブドウ畑の70%が集まるカヘティ地方のテラヴィという街へやってきました。ロシアとの国境に連なる3000〜5000メートル級のコーカサス山脈が雪をかぶって、美しい。
ワインと共に食べることにも目のない私は、テラヴィの市場へ。ジョージアの食卓で欠かせないコリアンダーを中心としたハーブ類、イアゴ・ワイナリーのランチに出たような大振りのキュウリやトマト・赤カブ・人参。全部買って、日本に持って帰りたいくらいフレッシュでおいしそう。
市場を見て歩いて、思わず目を見張ったのが、豚の頭。そして、生きている鶏がそのまま売られていたりと、ジョージアの地方の市場はワイルドそのもの。
そんな市場で見つけたおすすめのお土産は、唐辛子のペースト「アジカ」やジョージアの伝統的なお菓子「チュルチヘラ」。市場にたくさんぶら下がるこのお菓子は、クルミやヘーゼルナッツをブドウやザクロの果汁を煮詰めたものでコーティングしてあり、砂糖は入ってません。自然な果物の甘さだけでとてもヘルシー。お手頃でおいしく、いっぱい買い込みました。
ワインも食事もおいしいジョージア。物価も安く、治安もよく、旅行して大満足の国でした。
“ワイン発祥の地、ジョージア紀行(後篇) 料理にシルクロードを感じる” への1件のフィードバック