セラピストだった私が靴を売るまで①:きっかけはニューヨーク、スパ巡り

毎日のことだから歩き心地って気になります。セラピストならではの気づきで「足からの健康」に注目。靴を売る仕事を始めるまでを、セラピストにして靴のショップオーナーである山田幸代さんが人生の発見だったストーリーを前後編にわたって語ってくれます。

ものごごろついた時から、肥満、便秘、肩こり、アトピー性皮膚炎と不調のオンパレードだった私。コンプレックスと向き合うべく、専門学校でエステティックや香粧品学の基礎を学び、美容の仕事を志しました。

東京都内でセラピストとしてのキャリアをスタートした頃、時代はまさにエステティック黄金時代!フェイシャル、ボディ、痩身のトリートメントにカウンセリング・・・朝から晩まで施術漬けの充実した日々が何年か続きました。

次第に化粧品や手技など外からのケアだけでは飽き足らなくなり、より身体の内へ内へと興味が向いていったのです。そして、「私達のからだは毎日食べるもので出来ている」という視点から、セラピストの仕事を中断し、自然食や農産物卸の会社に転職しました。食を通して学ぶことも山ほどあったものの、結局は人の身体が恋しくて数年後にはフリーランスでセラピストの仕事に戻りました。

トリートメントが終わったあとの、身も心もほぐれたお客様を見送る瞬間は、セラピストとしていちばんの悦びです。

私自身も慢性的な肩こりや脚の疲れがあったので、色々な施術を受けるのが趣味でもありました。でもその一方で、数日後にはまだガチガチの身体に戻ってしまう現実にも直面していました。

お客様にも自分にも、施術だけではない、もっとホリスティックな癒しが必要でした。

2005年の夏、世界的に盛り上がっていたデイスパブーム最先端の地、ニューヨークにスパのリサーチに出かけました。

Bliss SpaはW Hotelなどにも出店しているHIPなスパとして人気で、私は真っ先に予約を入れたのを覚えています。オリジナルのコスメやセレクト商品を扱うオンラインストアも充実していました。

そのBliss Spaのストアで売られていたある商品に、ふと目がとまりました。

セルライトバスター”と呼ばれるなんとも変わった形の靴です。

「履くだけでセルライトがなくなる・・・」そんな夢みたいな話があるでしょうか。

それはMBTというスイス生まれの靴(*)で、その時すでに日本にも上陸し2年近くが経過していた頃でした。日本に帰ってすぐ、私は“セルライトバスター”に大いなる期待を込めてMBTを購入しました。〈 後編に続く〉

*・・・正確には、体幹の運動機能を低下させてしまう“靴”の問題点を解決した次世代のフットウェア

Text / 山田幸代

山田幸代(やまださちよ) / セラピスト・ショップオーナー。20歳よりセラピストとして働き、体内・外の健康と美容に関わる。2006年渋谷区に恵比寿コア http://coregallery.jp をオープン。「一生自分の足で歩くために!」をテーマに、生理学に基づいたフットウェア【MBT】の販売をメインに、足からの健康を提案している。好きな言葉は「審美眼」。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です