世間に溢れるHappyを探し求めて奔走する編集の栗尾モカです。先日、シンガポールに転居する前にハワイで休養してきました。何はともあれ体をほぐそうと、お馴染みワイキキ最古のクラシカルなホテル、モアナサーフライダーでマッサージの予約をとりました。
通された部屋のベッドの上には……ナント!
ツボが……。
「不安に思っていることをこのツボにつぶやいてください。私が月夜の海に流しておきます」
エステティシャンの女性がそう言ったので、とても驚きました。そして、彼女はしばらくの間部屋から出て行きました。その間にツボにつぶやいておいてね、ということでした。
疲れや病気を海に流す、という考え方がハワイにあるそうで、kawehewehe(カヴェヘヴェへ)という海のポイントは砂の下から真水が噴き出しており、病気やストレスを手放したい人たちが水に浸かりに来る場所だそうです。澄んだ水が美しく「グレイスビーチ」と呼ばれ、神聖な場所として大切にされているのだそう。
そのポイントは意外にもハワイの中心にあり、ハレクラニとアウトリガー・リーフ・オンザ・ビーチの間付近にあります。
「Waikiki」自体が「wai(水)」と「kiki(湧く)」という意味だそうなので、kaweheweheが特別な場所になっているのも納得ですよね。
もしかしたら、ツボの中身のつぶやきは、月夜のグレイスビーチに運んでくれていたのでしょうか? そんな童話のような美しい情景をイメージさせてくれるモアナサーフライダーのサービス、流石だなと思いました。
Text & Illustration/ 栗尾モカ
栗尾モカ / 美大でデザインを専攻した後、国際線CA、出版社勤務を経てライター・漫画家に転身。「STORY」などの女性誌を中心にライフスタイルや旅の取材執筆、朝日新聞などにイラスト/コミックエッセイの連載多数。アジアに縁があり、沖縄、ホーチミン、ジャカルタに各3年滞在。2017年よりシンガポール在住。現在アジアの食文化とアーユルヴェーダを勉強中。日本ソムリエ協会ワインエキスパート。