シカゴ発:地ビール工場でいきなり伝説のブルース! 贅沢な音楽を何気に流すのがシカゴ流

ジャズ、ブルース、ハウス、ロック、クラシック、オペラ、ブロードウェイ…と、歩いてハシゴできる音楽パラダイス、シカゴ。しかも、街のいたるところで気軽に音楽に触れる機会が多いのもこの街のいいところ​​。今回は意外な場所にあふれる音楽のお話です。

シカゴの音楽といえば、まずブルース。1900年代初めに南部からシカゴに移り住んだ黒人たちがもたらした“魂の叫び”ブルースは、この街で「シカゴ・ブルース」として大きく花開きました。悲しい時、楽しい時、いつも民衆とともにある音楽ブルースは、シカゴでは生活のあらゆる場面で普通に耳にすることができます。ときには意表をつかれるような場所で…。

先日​、シカゴの有名​地ビール醸造所ラグニタス」のカウンターで飲んでいたら、目の前でいきなりブルースの演奏が始まったのには驚き。ビール工場でブルース、​しかも演奏しているのはなんと、88歳の伝説のブルースマン、ジミー・ジョンソン。一方のお客さんは、特に音楽が目当てという風でもなく、まだ日の明るいうちから一流のブルースをバックに盛り上がっています。この対比がなんとも贅沢!

また、意外な場所といえば、シカゴ市内の公園や広場で開かれているファーマーズマーケット。ここでも朝から買い物客の雑踏のなかでブルースの演奏が聞こえてきます。お客も思わず体を揺らしながらご機嫌にお買い物。ファーマーズマーケットでグラミー賞ノミネート級の人気・実力も超一流の人たちが惜しげもなく渋いブルースを聞かせてくれる、これもまさにシカゴならではの光景でしょう。

さて、厳しい冬が明けるとシカゴはいよいよ観光シーズン。5月にはいると、シカゴの2か所の空港の出口ロビーでジャズやブルースの「ウェルカム演奏」が観光客らのシカゴムードを盛り上げます。この空港サービスはシカゴ市が企画運営しているもので、ミュージシャンたちにとっても「かき入れ時」前のいい宣伝になり、一挙両得なのです。

まだ中西部を知らない方、

今年のGWはぜひシカゴで「意外なウェルカムブルース」を味わってみませんか?

 

Text/長野尚子

シカゴ郊外在住、フリーライター、編集者、週末ジャズ・シンガー。(株)リクルートの制作マネージャー&ディレクターを経て、早期退職。アメリカ(バークレー)へ単身“人生の武者修行”に出る。07年よりシカゴ。著書に『たのもう、アメリカ。』(近代文芸社)。facebookのコミュニティ「Chicago Samuraiシカゴ侍」管理人。「阿波踊りシカゴ」リーダー。http://www.shokochicago.com/

 

 

 

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