フィリピン・セブ島での短期留学に続き、本格的にアメリカへ３カ月の大人の英語留学。河野純子さんが選んだのは、アメリカ北西部で人気の街オレゴン州のポートランド。英語だけなく現地暮らしを満喫する大人留学の醍醐味を紹介してくれます。

ポートランドでの留学生活、私の拠点はポートランド州立大学（PSU）のすぐ近くのアパートメントでした。バスルーム付きの個室（写真左）で、キッチン・ダイニング・リビングルーム（写真右）はもう1人の生徒とシェア。ルームメイトは当初は台湾人の25歳のナイスガイ、彼が帰国後は27歳のタイ人の女性でした。日頃はお互いに付かず離れずの生活で、時には一緒にホームパーティを企画したり、といった快適で楽しい暮らしです。

アパートから学校までは電車と徒歩で20分ほど。アパートを7時半ごろ出て、学校に行く前に美味しいコーヒーと朝ごはんを買うのが日課でした。お気に入りは、フルーツマフィンが美味しいクーリエコーヒー（写真下）、印刷工場をリノベーションしたTILT、イケメンバリスタのいるUMBLIAなどなど。ポートランドはサードウエイブコーヒー発祥の地だけあって、美味しいコーヒーショップがたくさんあって飽きません。

授業は8時半から。90分の授業を15分の休憩をはさんで2コマ終えて、11時45分から30分がランチタイム。時間が短いので、朝ごはんの残りを食べたりして軽くすませ、本格的なランチは午後の90分の授業が終わる13時45分以降に。何しろ、学校はパール地区というおしゃれエリアにあり、選択肢は盛りだくさん。クラスメイトみんなでワイワイ行くときは、リーズナブルなフードカート（写真下）へ。大人だけのときや1人のときはちょっとよいレストランへ、といった具合です。

とにかく街がコンパクトで新鮮な食材が毎日農家から届くので、食事はどこで食べてもかなりのハイレベル。地ビールが飲めるブルワリーも７０以上。しかも15時ぐらいからは割安な料金でお酒も食事も楽しめるハッピーアワーになるため、大人留学生にはたまらない環境なのです。

遅いランチのあとは、街の探索へ。クリエイティブな街としても知られるポートランドには、ランドマークでもある素晴らしい本屋さん「パウエルズブックス」をはじめ、映画館、アートギャラリー、DIYスペースなど刺激的な場所がたくさんあります。特に楽しかったのが、毎月第一木曜日に開催される「ファーストサーズディ」というイベント。パール地区とダウンタウンの30以上のギャラリーが一斉に新作を発表し、ワインとおつまみ、音楽で地元の人をもてなしてくれるというもの（写真下）。地元の人が気軽にアートを楽しめて、新人アーティストの育成にもつながるという、地元を愛するポートランドらしいイベントです。

自然が身近にあるところもポートランドの魅力。時には夕方から街の中心を流れるウィラメットリバー沿い（写真下）をジョギングしたりもしていました。また学校も毎日、いろいろなアクテビティを用意してくれていて、バスケットボール観戦やボランティアに参加することも。

とはいえ学生なので通常は18時ぐらいにはアパートに戻って復習やホームワークを２時間ほど。そうこうしていると少し小腹が空いてくるので、20時ごろからキッチンでおつまみを作ってワインを飲みはじめる・・・それが平日の基本的なパターンでした。

週末の一番のお楽しみは、PSUで毎週土曜日に開催されるファーマーズマーケット。100以上の地元の生産者が、新鮮な野菜や果物はもちろん、ソーセージやパン、塩、はちみつ、チョコレートなどの加工品を販売していて、作り手と会話したりディスプレイを見たりしているだけでも楽しいのですが、その美味しさといったら！オーガニックなので決して安くはないのですが、地元の人がファーマーズマーケットで買い物をする理由がよくわかります。

また美味しいピノノワールを求めてワイナリーツアー（写真下）に参加したり、原生林を活かしたアメリカ最大の公園「フォレストパーク」にハイキングに出かけたりも。さらに金曜日は午後の授業がないので、午後からシアトルやサンディエゴ、ロサンゼルスなどにショートトリップに出かけたりもしました。

こんな具合で、ポートランドでの暮らしは本当に快適で、「全米一住みたい街」に何度も選ばれる理由もうなずけました。特にどこへでも電車やバスで移動できる便利さと治安の良さ、そして食をはじめとする文化的な豊かさは、大人の女性の留学先として最適なのではないかと思います。

さてよく学び、よく遊んだ３か月のポートランド留学。次回はその成果についてレポートします。果たして英語力はどこまで伸びたでしょうか？

Text/河野純子

元とらばーゆ編集長（リクルート）、生活関連分野での新規事業開発プロデューサー（住友商事）を経て独立。豊かなライフスタイルの創造をテーマに、コンサルティング、プロデュース、マーケティング、執筆活動を展開。特に「人生100年時代の大人の学び」に着目し、自身も大人留学を経験。ライフシフト・ジャパン（株）エグゼクティブ・プロデューサー、いばらき大使。