1976年にパリで起こったワイン史上の大事件「パリ対決」。それは、パリのインターコンチネンタルを舞台に、フランス人専門家によるブランインドティスティングでフランスの有名メゾンのワインを赤白ともにカリフォルニアワインが破ったというもの。その「パリ対決」で白の1位をとったのがナパ・ヴァレー「シャトー・モンテレーナ」のシャルドネでした。
「シャトー・モンテレーナ」の2014年は、そんな伝統をくんで、エレガントな香りとはっとするような爽やかさとミネラルを感じるテイスト。カリフォルニアワインの実力を味あわせてくれます。
シリコンバレーからも近いナパ・ヴァレーは、南北に約50kmですが東西は約8kmと小さなエリアに、様々な土壌(テロワール)があって多彩なワインが造られています。夏は雨があまり降らず、ブドウの収穫後である冬に雨が降るという気候と、サンパブロベイからの霧によって、質の高いワインが生まれます。
1968年から農業保護地域に指定され、2000年には”ナパグリーン”という環境保護プロジェクトをスタート。ナパのワイナリー500軒すべてがこの承認プログラムを受けることを目標としているそう。カリフォルニア大学デービス校と産学協同のワイン造りにも取り組んでいます。
この日のテイスティングでは、ワインとフードのペアリングのレクチャーも。例えば、トンカツには「柚子を絞るとシャルドネとより合う」ようになり「甘辛いトンカツソースを加えるとジンファンデールに合うようになるという「ちょい足し」のヒントが参考になりました。和食で、ショウガやミョウガを使う料理や白和えにはシャルドネなど白ワイン、胡麻やクルミを使う料理には赤ワインが合うというセオリーも納得。
多彩なナパ・ヴァレーのワイン、いろいろお試ししてみたいと思いました。
Text/小野アムスデン道子