8月12日~15日は“踊る阿呆”の舞に酔う。 「令和の夏」を熱く飾る、徳島阿波踊り

「今年は徳島の阿波踊りがなくなるの?」「開催は大丈夫?」と、昨年は多方面から聞かれることも多く、徳島県人としてはなんだか切ない夏でした。さて、2019年は?ご安心あれ。阿波踊りは死なず!8月11日の前夜祭を皮切りに、翌12日から15日までの4日間、「令和初」の徳島阿波踊りが開催されます。今回はその攻略情報をお伝えします。知らなきゃソンソン!
top画像© 2019 阿波おどり

阿波踊りについておさらい

阿波踊りは約450年続く、徳島の伝統的な郷土踊り。阿波藩の殿様、蜂須賀公が築城を祝って無礼講で民衆を城に招き入れたのが起源と言われています。昭和初期頃は路地を三味線流しでゆったりと踊る盆踊りでしたが、戦後の復興~高度成長につれて徐々にテンポアップ。踊りも「連」と呼ばれるチームでのフォーメーション踊りが主流となり、「自分たちが楽しむための踊り」から「見せるためのエンターテイメント」へと変化を遂げていきました。連の規模も数十人から300人を超えるものまでとさまざまで、中でも「有名連」と呼ばれる“プロ”チームは33を数えます。今では8月12日から15日までの阿波踊り期間中、延べ約900連が踊りこみ、130万人が見物に訪れる世界でも有数の一大ダンシング・フェスティバルとなっています。

阿波踊りを見られる場所

4か所の有料演舞場(道路を封鎖して両側に客席を設けたもの)と、チケットなしに見られる2か所の無料演舞場や広場などがあります。よく「チケットが売り切れだからもう見られない」と嘆く人がいますが、これは全くもって誤解。阿波踊りは、街角のどこでも見られるんです!これらをちょっと整理しておきましょう。

駅前の総合案内所でMapを手に入れることからスタート

有料演舞場:チケット(当日販売もあり)を買って入る。座席(優先座席あり)が確保されているのであちこち歩き回らなくてもいい。目の前をいろんな連がどんどんと踊りこんでくるのでお年寄りや歩くのがつらい人にはお勧め。1部(午後5時45分~8時)、2部(午後8時30分~10時30分)約2時間ずつの入れ替え制。

無料演舞場&広場:場所を選ばずいろいろと動きながら見る楽しみがあり、踊り子にもより近いのが利点。もちろん有名連も見られる。カジュアルな雰囲気で観客も一緒に踊れるチャンスがある。アクティブに行動したい人やお子様連れにお勧め。

街角の「輪踊り」は熱気ムンムン。踊り子さんとも近い。
飛び入りできるのも楽しい。踊らにゃソンソン!

昼間でも見られるの?もちろんです!

阿波踊りは朝から市内各所で見ることができます。まず初日12日の朝はオープニングセレモニーとして徳島駅前から複数連が合同で街を流します。昼間に屋内で涼しく見たい方には、「あわぎんホール」、「阿波踊り会館」、「アスティ踊り広場」、「シビックセンター」、 「NHK徳島放送局」) などで座って観覧できます。

12日朝の、商店街での流し踊り

名物「総踊り」

総踊りは、阿波踊り振興協会に所属する全14連の踊り子、鳴り物隊(お囃子)総勢約1000名が一日の最後に一斉に有料演舞場に踊りこむ迫力のプログラムで(映画『眉山』のクライマックスシーンにも使われました)、徳島阿波踊りの最大の見せ場となっています。2017年までは総踊りを見られる有料演舞場は1か所のみでした(2018年は市がこれを中止したため、振興協会が無料演舞場で強行実施)が、今年は日替わりで全有料演舞場の最終演舞で見られることになりました。また新たな取り組みとして、この最終演舞(午後10時スタート)ではどの有料演舞場でも有名連3~5連による迫力ある合同踊りが見られる予定です。

総踊りの様子  © 2019 阿波おどり

誰でも踊れる「にわか連」

「踊る阿呆に見るあほう、同じ阿呆なりゃ踊らにゃソンソン」の文句通り、踊りたい人が集まって即席で踊りこむのが「にわか連」。8月12日~15日の毎日午後6時半と8時半に市内2か所の集合場所で初心者向けに有名連の手ほどきを受けたあと、生のお囃子に乗って全員で無料演舞場になだれ込みます。これは一度体験したらやめられない楽しさ。もちろん服装に規定はありません。もしばったり「にわか連」の提灯を見かけたら、迷わず飛び入り参加してみましょう。希望者には駅前阿波踊り案内所で法被の有料貸し出しも行っています。ちなみににわか連の法被のデザインは、『眉山』に出演した女優の宮本信子さん。

好きに踊るのが「にわか連」

大阪から車で約2時間、神戸から1時間半。羽田から飛行機で50分。思ったよりも近い徳島。「いつか行きたい」ではなく今年こそ迫力ある生の阿波踊りを体験してみませんか?運営も民間のプロ組織にゆだねられ、ぐっとわかりやすくスムーズになりました。さぁあなたも、踊らにゃソンソン!

2019年・徳島阿波踊り全体スケジュールと詳細リンク

阿波踊り

開催期間 :8月12日(月)〜15日(木) 18:00 〜

[ 有料演舞場 ] 市役所前演舞場、藍場浜演舞場、紺屋町演舞場、南内町演舞場

[ 無料演舞場 ] 両国本町演舞場、新町橋演舞場、元町演舞場

[ おどり広場・ロード ] 新町橋東おどり広場、両国広場、両国橋南おどり広場、両国橋南詰おどりロード、秋田町おどりロード

詳細・チケットのお求め・総踊りのスケジュールなど:https://www.awaodori.tokushima.jp/

選抜阿波おどり前夜祭

毎年阿波おどり前日(8月11日)に開催されます。

開催期間:8月11日(日) 11:00~ 15:00~ 19:00~(上演時間約80分 / 休憩あり)

会場: アスティとくしま

詳細・チケットのお求め:https://www.awaodori.tokushima.jp/zenyasai

選抜阿波おどり

阿波おどり期間中開催される、人気の有料イベントです。選抜された有名連による高度で洗練された阿波おどりが楽しめます。

開催期間 2019年8月12日(月)〜15日(木) 11:00〜 13:30〜 16:00〜(上演時間約70分 / 休憩あり)

会場: あわぎんホール 

詳細・チケットのお求め:https://www.awaodori.tokushima.jp/senbatsu

Text /長野 尚子

フリーライター、編集者。(株)リクルートの制作マネージャー&ディレクターを経て、早期退職。アメリカ(バークレー)へ単身“人生の武者修行”に出る。07年よりシカゴへ。シカゴのアート&音楽情報サイト「シカゴ侍(www.Chicagosamurai.com」編集長。四国徳島とシカゴの架け橋になるべく活動中。著書に『たのもう、アメリカ。』(近代文芸社)。http://www.shokochicago.com/ 日本旅行作家協会会員。


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