博物館で旅、テーマは愛!【LOVE ♡ アジア】

世界を巡る旅の記事のcotributor トラベルアクティビスト真里さんのお気に入り「東京国立博物館」で、興味深い”愛”の企画展示が始まっています。真里さんがレポ—トを寄せてくれました。

上野「東京国立博物館」の正門を入って右手の建物が東洋館。日本の美術品が展示されている本館、特別展が催される平成館と比べると、入館したことがない方もいらっしゃるのでは?

東洋館には中国・朝鮮半島・インド・エジプト等アジア各地の美術品・考古遺物が収蔵されています。各階の展示はアジアの地域ごとにまとまっており、吹き抜けの展示空間の階段を上がりながらガンダーラ美術のイケメン菩薩様から中国の陶磁器まで幅広いコレクションを堪能できます。

そんな東洋館では毎年秋に「博物館でアジアの旅」と題して企画展示が開催されます。今年は9月10日から【LOVE ♡ アジア(ラブ・ラブ・アジア)】と題して、企画展が始まりました。《愛》をテーマに、地中海東部のヘレニズム文化からインド・東アジアまでの作品が展示されています。

通常展示の作品並ぶ中、「LOVE ♡ アジア」といピンクのラベルがついているものが、対象作品です。2-3世紀のイラン「銀製装飾ピン」は、思いの外ちいさなものですが、男性と女性が杯を持ち寄り添って楽しそう。

インドネシアの伝統的な「影絵人形劇ワヤン・クリの人形」は、叙事詩「マハーバーラタ」に登場する勇者と美女。悲恋に終わるこの二人の人形は、細かな細工が美しい。

8世紀唐時代の「三彩印花鴛鴦文枕(さんさいいんかえんおうもんまくら)の図柄は仲良し夫婦の象徴のオシドリ。《愛》って美術の大事なテーマですよね。

一番印象的だったのは、「ナーイカを膝に乗せて矢をつがえるナーヤカ」。天蓋付きのベッドで一夜を共にしている2人。オンドリに向かって矢をつがえるナーヤカ。オンドリが鳴かなければ、朝が来ることもなく、いつまでも2人の時間を過ごせるのに…と思う状況を描いた18世紀インドの細密画です。ところが、肝心のオンドリ描かれていないのがこの絵のポイント。二人に焦点を絞ることによって、「もっと一緒に過ごしたい」と思う二人の気持ちが強調されています。

博物館でアジアの旅【LOVE ♡ アジア(ラブ・ラブ・アジア)

会期:2019年10月14日(月・祝)まで。

https://www.tnm.jp/modules/r_event/index.php?controller=dtl&cid=5&id=10151

Text/トラベルアクティビスト真里


世界中、好奇心を刺激する国々を駆け巡るトラベルアクディビスト。外資系金融機関に勤務の後、1年の3分の1は旅をする生活へ。ジョージア、バルト3国はじめ訪れた国は50カ国以上。日本中も巡り、行った先で出会った人、風景、食etc. 旅の醍醐味をレポートします。

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