御即位記念特別展【正倉院の世界〜皇室が守り伝えた美】受け継がれる日本の美とは

国宝にしてユネスコ世界遺産(文化遺産)にも登録されている正倉院。東京での正倉院展がなんと過去3回しか開催されていないそう!その貴重な展覧会をいち早くトラベルアクティビスト真里さんがレポートしてくれました。

10月14日から東京国立博物館で特別展【正倉院の世界〜皇室が守り伝えた美】が開幕しました。前日に行われた開会式・特別内覧会に行ってきました!

756年、光明皇后が、崩御した聖武天皇の思い出の品を集めて、東大寺盧遮那仏(大仏)に寄進したことがその始まりである正倉院。毎年、奈良国立博物館で開催される「正倉院展」は今年で71回目を迎えます。一方、東京で“正倉院展”が行われたのは過去3回のみ。今回は、令和の新しい御代を祝しての御即位記念特別展としての開催。正倉院の宝物の数々を上野・国立博物館で鑑賞することができます。

「螺鈿紫檀五弦琵琶」復元品

千数百年の時を経て、大切に守られてきた唯一無二の宝物ばかり。一番の注目の宝物は、「螺鈿紫檀五弦琵琶(らでんしたんごげんびわ)」でしょうか。世界で現存している琵琶は全て四弦。五弦琵琶は、中央アジアの石窟壁画等には描かれているのですが、現存しているものは他にはなく、世界中でこの一点のみ。紫檀で作られた琵琶には、鼈甲(べっこう)・夜光貝などの貴重な素材で描かれた美しいお花のような文様が。そして椰子の木の下にラクダに乗った人物。中央〜西アジアの影響を見て取れます。

他にも、深い青色が美しいガラス製の、高さわずか9センチの小さな壷「瑠璃壺」。広い口と細く括れた首の部分、美しい丸みをもつこの壷は、西アジアで制作されたと思われます。

「瑠璃壺」図録より

古代日本で演じられた仮面舞踏劇の際、顔に装着した「伎楽面(ぎがくめん)」は、“西アジアの王が酒に酔った様子の面”の「酔胡王」などユニークなものがいくつも展示されています。国立博物館所蔵の「呉女」と「迦楼羅(かるら)」は、復元模造品も作成され、当会場及び法隆寺宝物館で公開されています。「呉女」は中国にあった国・呉の宮廷女性を表したお面(10/8~11/24の金・土、法隆寺宝物館)、迦楼羅はインドの神話に出てくる霊鳥を表したお面(11/6~11/24、平成館)で初公開です。原作品が持っていたいたであろう色彩や細部を再現しており、1300年前の美しさを目の当たりにできるので、ぜひ注目してみてください。

ナツメヤシ・ライオン・猛獣使いが織られた「白橡綾錦几褥(しろつるばみあやにしきのきじょく)」は、図柄的にはササン朝ペルシアからのものですが、その左右の対象性から中国の影響も受けていることがはっきり分かります。日本がヨーロッパからつながるシルクロードの最終地点だったのだと現代の私達も実感しますし、奈良・飛鳥時代の人々もきっと意識していたのではと思います。

展覧会の冒頭に展示されている「国家珍宝帳」。正倉院に収蔵した品物リストです。美しい楷書で書かれたその目録の最後には、光明皇后による言葉が。「これらの宝物は聖武天皇が愛したもので、目にすると(悲しみで、この身が)崩れ落ちてしまいます。盧遮那仏に寄進いたします」。愛する人を失った悲しみの心情を吐露するこの言葉に、1200年以上も前の光明皇后を身近に感じます。

「正倉院」復元

ミュジアムショップには可愛いグッズがたくさん。こちらも必見です。私もついたくさん買ってしまいました。

会期中、一部作品、および場面の展示替えあり。

御即位記念特別展「正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―」

前期展示:10月14日(月・祝)~11月4日(月・休)
後期展示:11月6日(水)~11月24日(日)

https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1968

Text/トラベルアクティビスト真里


世界中、好奇心を刺激する国々を駆け巡るトラベルアクディビスト。外資系金融機関に勤務の後、1年の3分の1は旅をする生活へ。ジョージア、バルト3国はじめ訪れた国は50カ国以上。日本中も巡り、行った先で出会った人、風景、食etc. 旅の醍醐味をレポートします。

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