東山魁夷の青と奥田元宗の赤 −色で読み解く日本画− 

「東山魁夷の青、奥田元宗の赤」とある特定の色が画家の名と結び付けられ、代名詞のように語られることがあります。山種美術館で2019年12月22日(日)まで開催の【山種美術館 広尾開館10周年記念特別展】東山魁夷の青・奥田元宋の赤 ―色で読み解く日本画― は、画家たちが創造に活かした色や色を通じて見えてくる画家たちの軌跡がうかがえる興味深い展覧会です。

青、緑、赤、黄、黒、白、金、銀と8色に分けられた作品は、その色のグループであるのがなるほどとうなづけます。例えば「魁夷の青」は有名ですが、《年暮る》という以下の作品は、大晦日の京都を青の階調で表現し、まさにしんしんと降り積もる雪の音や、静かに鳴り響く除夜の鐘が聞こえてきそうです。

東山魁夷 《年暮る》 1968(昭和43)年 山種美術館

青や緑のセクションでは、会場もその色に染まっているかのよう。

「元宗の赤」を代表する以下の作品《奥入瀬(秋》は、燃え盛るように奥入瀬の秋を彩る紅葉を微妙に異なる色調の赤い絵の具を使い分けて見事に表現しています。

奥田元宗 《奥入瀬(秋)》 1983(昭和58)年 山種美術館

日本では主に鉱物や貝殻など希少な天然素材から絵具が作られています。見事な作品の色を生み出すこうした絵具の数々も展示されていて、色の秘密を垣間みることも。

東山魁夷や奥田元宗はもとより、総51点もの作品が画家と色の秘密を解き明かしてくれそうです。

会期中、山種美術館1階の「Cafe椿」で、展覧会に合わせて青山の老舗果匠「菊家」に特別にオーダーされた特製和菓子は、どれもその美しさと上品な味わいに驚かされます(抹茶とオリジナル和菓子のセットで1,200円)。

色をテーマに日本画の名画と銘菓、その両方を楽しめる展覧会です。

【山種美術館 広尾開館10周年記念特別展】東山魁夷の青・奥田元宋の赤 ―色で読み解く日本画―

■会期: 2019 年 11 月 2日(土)〜12月22日(日) ■休館日:月曜日

■会 場 : 山種美術館(東京都渋谷区広尾3-12-36)

■開館時間:午前10時〜 午後5時(入館は午後4時30分まで )

■入館料:一般1200円 大高生900円 中学生以下無料 *団体料金は100円引き

山種美術館 http://www.yamatane-museum.jp/

Text /W LIFE編集部

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