[STORY]趣味が人生を変えることもある 写真家としてギャラリ—を開く 

JR目黒駅から権之助坂を下って目黒川を渡るとすぐ、古いビルの2階にコンパクトで素敵なフォトギャラリーがあります。写真家鶴巻育子さんがオーナーの「Jam Photo Gallery」です。女性写真家にしてフォトギャラリーオーナーと、そんな憧れてしまいそうな2つの生き方を兼ねるのは、いったいどうやって?鶴巻さんのSTORYをうかがって来ました。

鶴巻さんが写真家になったきっかけは、なんと社会人になってから始めた趣味の写真教室。最初は、何か趣味を持つべきとギターか写真を勧められて、じゃあ写真でも始めようかなと通い始めたら、その表現や創造の魅力にどんどん引かれていったそう。

写真業界のことを全く知らなく、自分にはセンスがあるからできる!と思い込んだ「勘違い」が写真家になろうと思ったきっかけ。「しかし、実際はそんなに甘い世界ではなかった」と鶴巻さん。

30代ではスタジオマンになることも難しい。学校に貼り出されていたブライダル撮影の求人広告を見て撮影の仕事をしはじめ、知り合いの伝でカメラマンをアシストしたりして、だんだんと撮影の仕事が来るように。

商業写真を仕事としてやっていくうちに、一方、鶴巻さんの中で「自分がやりたいのは写真作家として、写真によって自分を表現をしていくことなんだ」という気持ちが膨らんでいき、厳しいけれど作家としての道を選んだのだそう。

現在は、カメラカタログの撮影や写真雑誌の執筆、フォトコンテストの審査員や講師、講演など幅広く活動されていますが、現状維持では物足りず「何か違うことをやらないとという気持ちになったんですね」と写真専門ギャラリ—を自らオープンした理由を語った鶴巻さん。

「週単位でレンタルをしていますが、キャリアというのではなく、ちゃんと写真に取り組んでいる人の作品を展示したいと思っていて、展示に際しては審査をさせていただいてます」とのことで「学生の人や写真家志望の方で、写真を見てもらう機会がないというような人にはぜひ利用していただきたいと思っています」

「写真を売ることでやっていける写真家というのは本当にまれですね。そして、写真というのは撮影からプリントまでのプロセスは簡単なものではないのに、絵などに比べて、プリントさえすれば同じものが何枚でもできるというように思われています。色々な人に写真の素晴らしさをもっと知ってもらいたいという思いもあります。」

写真を多くの人に実際に見て、感じてもらう機会を作りたいという鶴巻さん。
鶴巻さんが出版した『THE BUS』という写真集は、ハワイの風景を撮ったものですが、ふつうのハワイの風景を並べたものではありません。きれいとはいえないハワイのバスの車窓からそのままで撮影する手法がとられていて、まるで自分がバスに乗り車窓を眺めているような、そんな目線にとても興味が引かれる作品集になっています。

デジカメであろうがスマホであろうが、写真は誰でも撮っているかと思うのですが、実際にプリントで見る写真と向き合うと写真の力や素晴らしさを知ることができます。このギャラリ—では、そんな体験が出来て、作品を購入することも。

ちょうど訪れた時に開催されていた「コレクション展」*では、ヘルムート・ニュートンやアンセル・アダムスといった著名写真家の写真が展示されていましたが、ハガキぐらいの大きさだと額装込みで20,000円ぐらいから買えます。

*『 コレクション展 -風景、ポートレート、ファッション、ヌード、ドキュメント- 』​2019年12月3日(火) ~ 2019年12月15日(日) 

「Jam Photo Gallery」のJamは、集まるという意味。写真が、そしてそれを見に来る人が集まる場、そんな思いが込められています。そして、頭文字は偶然にJPG (静止画像のデジタルデータ圧縮形式)になっていたそう!

ぜひ、一度足を運んで写真の世界に触れてみてください。それが、あなたの何かを変えるきっかけになるかも…。そんな気持ちになった鶴巻さんのSTORYでした。

Jam Photo Gallery

12:00-19:00(日曜17:00迄) 月曜休廊 

東京都目黒区目黒2-8-7 鈴木ビル2階B号室
050-5438-2134

https://www.jamphotogallery.com/

Text /W LIFE編集部

*この記事は、仕事と私を何倍も楽しむためのパラレルキャリア情報発信メディア「Paranavi(パラナビ)」でも掲載しています。
http:// https://paranavi.jp/

“[STORY]趣味が人生を変えることもある 写真家としてギャラリ—を開く ” への2件のフィードバック

  1. 初めての写真月例、フォトコンでお世話になりました餘野照彦と申します。余りある評価していただきまして、ありがとうございました。72歳の前期高齢者です、あと何年できるか解りませんか、楽しみに写真やりたいと思っています。

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