現代的な街並の中に、風情のある京町家が今も軒を連ねる京都。そんな京都の中心に“5棟で一つ”というユニークなコンセプトの分散型ホテル「ENSO ANGO(エンソウ アンゴ)」 があります。
それぞれの棟は「TOMIⅠ(富小路通1)」「TOMIⅡ(富小路通Ⅱ)」「FUYAⅠ(麩屋町通Ⅰ)」「FUYAⅡ(麩屋町通Ⅱ)」「YAMATOⅠ(大和大路通Ⅰ)」と通りの名前がつき、施設や客室タイプが異なりますが、どの棟に宿泊しても他棟にあるラウンジやジム、茶室などを使用することができ、宿泊者が参加できる京体験なども催しています。
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今回、宿泊した「FUYAⅡ」には、入ってすぐの空間にその広がりを生かしたまま、木の枠で囲われた茶室や立礼席などが設けられています。世界的インテリアデザイナー故内田繁氏の理想を継承する内田デザイン研究所が空間を構成していて、他にもメディテーションなどができるTATAMI SALON、お庭を見ながら運動ができるジムなどの施設があります。
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ベージュを基調にしたナチュラルな客室も文箱からティシュボックスにいたるまで細かな備品にもミニマルな日本の美を感じさせて、行き届いています。「ENSO ANGO」は、2019年度グッドデザイン賞も受賞。どの棟もデザインを楽しみに回れるほど。
「ENSO ANGO」の朝食付きのプランでは、TOMIⅡでの洋食ブッフェかそのお隣に立つ「富小路通SALON」での和食膳かを選ぶことができます。2019年4月にオープンした「富小路通SALON」は、築80年の京町家をそのままに生かしたもの。
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入り口から土間まで続く通り庭の静かな佇まいがまず美しく、お座敷でいただく和朝食は、京丹後産コシヒカリを入り口のおくどさんで毎朝炊いた釜炊きご飯、本田味噌のお味噌汁、汲み上げ湯葉、とようけ屋山本の豆腐が入った豆乳鍋、京都魚輝の鮭西京焼など一品一品がこだわり抜いたもの。京都の味を集めた至福の朝食時間が過ごせます。
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食後は、お庭や茶室、蔵と京町家の中を見て回ることも。一つ一つ、暮らしの美やセンスが感じられてこれだけでも価値があります。
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四条通と五条通の間という便利な立地の「ENSO ANGO」。京都ならでは文化と歴史を感じることのできる、滞在そのものも楽しめる都市型ホテルだと言えます。
ENSO ANGO https://globalhotels.jp
Text /W LIFE 編集部