世界から年間3,000万人を超える人が訪れる今。中には、宗教上で食べるものが限られていたり、食に対する哲学を持っている人がいます。そんな時代に対応しようと、このほど岩手県二戸市が「フードダイバーシティ宣言」しました。お菓子やお酒などのヴィーガン認証や地産鶏肉のハラール認証など、いろんな人が安心して食べるようにという思いをこめたものだとか。どんなものなのでしょうか?発表会に行って来ました。
ニ戸市は、人口 2万7千人の小さな市 ですが、国産の7割を占めるという漆はじめ、農作、畜産などの産業も盛ん。南部杜氏で有名な岩手を代表する日本酒の一つ「南部美人」や東北などでよく知られているお菓子「南部せんべい」の老舗小松製菓など地域の経済を牽引している企業が連携して、世界の人に二戸市のものを食べてもらおうと様々な活動を行っています。
その一つとして、ハラール認証やヴィーガン認証を積極的に取得して、誰でも安心して食べられる食品を生産していこうという動きがあります。今までも、南部美人はコーシャ認証(ユダヤ教徒の戒律にしたがった食品認証)やヴィーガン認証(植物性食品のみを食べる人に対する食品認証)を取得。小松製菓もせんべい業界としてはじめてヴィーガン認証を取得しています。
両者とも認証用のものを別途生産しているわけではなく、原材料が極めてシンプルで原産地や製造工程が明確にできるから認証が取れるとのこと。ふと、米と水と麹が原料の日本酒がヴィーガン認証を取れるなら、ワインだって取れるのでは?という疑問がわきます。ワインは製造過程でブドウのおりを取るのに卵の殻やゼラチンを使うことが多く、実はヴィーガン認証は取りにくいのだとか。
二戸市にある佐助豚という三元豚を出している久慈ファームも、熟レ鶏という親鶏の鶏肉でハラール認証を申請予定。生産者と市長が「フードダイバシティー宣言」をするなか、会場となった西麻布「権八」の ヴィーガン寿司と熟レ鶏のグリル、南部美人の特別純米日本酒、南部せんべいが振る舞われました。
Text /W LIFE 編集部