【不老脳(1)】20年後に差がつく!老けない脳の作り方

「あれっどこだっけ?」的物忘れから始まり、誰しも気になる脳の老化。脳科学最前線のベンチャーに携わる糸藤友子さんの新連載【不老脳】がスタート!脳の老化とは?なぜ起こるのか?どうしたら予防できるのか?などに応えていく記事を執筆いただきます。

はじめまして、 脳科学ベンチャー(株式会社NeU)で、脳を鍛える新サービスの開発をしている糸藤友子です。5年前に母が闘病後に亡くなったのをきっかけに、健康寿命が大事だ!と一念発起し、脳の健康をテーマとするベンチャーに転職しました。  

すべての人はいつか認知症になる!

昨今、認知症はなりたくない病気1位、多くの人が、ガンより認知症になりたくないと言います。しかし認知症は人間の老化によって発症するものです。すべての人が漏れなくいつかは認知症になるでしょう。70歳~74歳は約20人に1人、85歳~90歳の約2人に1人は認知症というデータ(「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業より算出)からもわかるように、寿命が尽きるのが早いか、認知症になるのが早いかというわけです。

でも90歳でも100歳でも、聡明で元気に暮らしている方もいらっしゃいます。認知症になる人と何が違うのしょうか? 多くの研究から、認知症は生活習慣が影響を及ぼしていることがわかっています。脳の機能低下につながる悪い生活習慣をできるだけ減らし、よい習慣を身につけることで、認知症は遠ざけることができるのです。

私が働く脳科学ベンチャーの取締役でありCTO(最高技術責任者)の川島隆太博士(東北大学教授)は、50歳が認知症予防を始める適齢期と言います。アルツハイマー型認知症の原因と言われるアミロイドβやタウタンパクも溜まり始め、かつ急速に脳の機能も衰えてくるからです。

20年後に差がつく、老けない脳を作るために!

詳細はこのシリーズで順次記事にしていきますが、老けない脳をつくるための生活習慣の重要ポイントをまず4点お伝えします。

運動:毎日、20分の有酸素運動をします。

いちばん手軽なのは、ウォーキング。会社の最寄り駅より1つ手前の駅で降りて歩くなど、1日8000歩を目指しましょう。そのうち20分間は少し息が上がるぐらいの速歩きをします。

栄養:バランスのよい食事を心がけます。

昭和50年代の和食が脳にはいちばんよいと言われています。一汁三菜でバランスよく。また炭水化物ダイエットは、脳のエネルギー源である糖が不足するので、おすすめしません。

認知刺激:脳をしっかり使います。

脳は簡単なことや単調なことばかりをやっていると衰えていきます。仕事でも生活でもちょっと難しいことや新しいことにチャレンジしてください。脳は使わなければ衰えるのです。

睡眠:質のよい睡眠を確保します。

質のよい睡眠で、脳の老廃物の排出を促すメカニズムがきちんと働きます。寝る直前までスマホをいじっているのはNG。朝の日光をしっかり浴びることも大切です。

今から、毎日の暮らしの中で、脳によい習慣を増やしていくことがとても重要です。20年後、私たち 50代が70歳を過ぎた頃に、大きく差がつくことでしょう。

いつまでも体も脳も健康で、自分のやりたいことを、存分に楽しんでいる、かわいいおばあちゃんになるためには、まず今から、運動、栄養、認知刺激、睡眠を重視することが大切なのです。

                                       

次回は、「【不老脳 (2)】心配ない物忘れと危ない物忘れ いつかなる認知症、MCIとは?」をお届けします。 ︎

「えっと~」「あれあれ」と思い出せないことが増えているかた、ぜひ!お読みください。

Text / 糸藤友子

リクルート→ベネッセ→ミズノを経て、50歳で脳科学ベンチャーへ。母の死をキッカケに健康寿命の延伸をミッションと決める。「人生は1回きりの旅である」から、いろいろな人と出会い、様々な体験をして、豊かに生きたいと願う。ベンチャーでは、脳を計りながら鍛える“最新”脳トレサービスを立ち上げ中。
【Active Brain CLUB】https://www.active-brain-club.com/

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